2010/08/06

世田谷区の人口

■世田谷区の人口(外国人含)は今年の5月1日現在で登録上85万人を突破した■登録上というのは、住民基本台帳と外国人登録の2つである。ただしこれでは、上京して世田谷区に住んでいる学生等で住民票が地方にある場合等カウントされないので、実態については東京都が発表している推計人口の方がよりリアルである(推計人口とは国勢調査に基づき、毎月の登録上の人口の変動等を加え、実際に住んでいる人数を推測したもの)■それによれば7月1日現在で86万7511人ということである(これは山梨県、佐賀県、福井県、徳島県、高知県、島根県、鳥取県を抜いている!)■登録上の人口が80万人を突破したのが平成14年であるから、8年間で5万人の増加ということになる■簡単に言えば世田谷区内に館山市(千葉県)とか、三浦市(神奈川県)がまるまる移ってきたような感じである■そもそも世田谷区には基本計画というものがあるが、それによれば世田谷区の人口のピークは平成33年、つまり今から11年後となっている。しかしながらその想定上のピークをすでに平成20年に超えてしまっているのである■要するにピークの時期を13年も読み間違えて、しかもそのピークは年々更新されつつある。8月1日現在で世田谷区が平成33年に迎えるだろう人口のピークをすでに1万1692人超えている。こうなると基本計画そのものが前提を失っているということである■一方で都市農地(生産緑地)の宅地化はどんどん進んで、毎年2ヘクタールから4ヘクタールの宅地が区内で“生産”されている■世田谷区の登録人口が80万人から85万人に増加した平成14年から平成22年、どの地域が増加したのだろうか■地域人口の増加率は世田谷が5%、北沢が1%、玉川が6%、烏山が6%に対し、砧は13%と飛び抜けている■北沢の地域人口の増加が極端に低いのに対し、砧の増加ぶりは異常である■これを市町村であてはめてみると(全く意味はないがイメージとして)、世田谷地域はこの8年間で新たに南伊豆町(人口1万・静岡県)が移ってきたような感じであり、同じく北沢地域は渡嘉敷村(人口9百人台・沖縄県)、玉川地域は美浜町(人口1万1千・福井県)、烏山地域は奥多摩町(人口6千・東京都)、そして砧地域は室戸市(人口1万7千・高知県)という具合である■まちの変化は、言われてみれば、という感じでしかわからないものである。また、にぎわいは外部にどれだけ開放されているかによっても変わる■とは言ってもデータでみる限り、世田谷区の人口が増加するということは、農地の多い、みどり率の一番高い砧地域で変化が起きているということである。