4月の熊本地震での庁舎の惨状が世田谷区の基本構想検討委員会(世田谷区本庁舎等整備基本構想検討委員会)に与えた影響は少なからぬものがあったろう。
3月まで景観重視だの、多額の保存費用をかけて7年半かけて増築だのと言って議会を混乱させていた保坂区長も、災害の現実の前では目を覚まさざるを得ないだろう。
6月25日に開かれた5回目の基本構想検討委員会では、大方常識的な、すなわち災害対策重視の方向でまとめられたようである。
実際、私も傍聴していたが、客観的な報道として、毎日新聞によると、「検討委は『50年以上区民に親しまれてきた現庁舎などの持つ特徴を考慮した計画とする』と確認。区は今後、外壁など一部を保存して新庁舎に再利用することを検討する。」
記事のタイトルにある通り、「保存は難しい」というのが委員長の見解であった。各委員も含めて、“難解なパズルを解くようなもの”というような表現であったと記憶。
ちなみに4案プラス参考案とは以下の通り。これらの数字を無視して、なんとか安くできるとか、やれないはずはないという感傷的かつ時間軸を無視したやりとりは、うなづけなかった。