2010/08/19

世田谷区の借金 その3

■世田谷区の借金772億円。228件のローンから成り立っている借金■今年度完済したもの(24件)もあれば、今年度から発生したもの(11件)もある■全体として今年度は118億円返済し、60億円新たに借りている■払った利子は15億円(約1.9%の利率)■15億円でもバカにならない■世田谷区が公式発表している来年度の財源不足は54億円(区のおしらせ4月24日号)■予算規模2490億円の世田谷区において54億円の財源不足が大問題となっている(左上記事はその大問題を解決するために設けられた世田谷区の検証委員会について、効果のないものだったと報じている日経新聞8月18日)■予算2490億円といっても国から出て右から左へのお金も多い。生活保護費167億円、子ども手当122億円、これだけで予算の1割を超えてしまう。さらに人件費が544億円で、合わせると833億円となる■生活保護費と子ども手当と人件費と並べたのは、これらは世田谷区では事実上、手を加えられない“出費”だからである■そのほかにも区が国の事業を“仲介”しているだけの費用がある。現実的には世田谷区らしさの予算は1割から2割程度といわれる、つまり250億から500億程度。その中での54億円の財源不足であり、最初の借金の話にもどれば15億円の利子といっても本当にバカにならない■ちなみに国からの生活保護費や子ども手当は、当然、国の借金で賄われている■国の借金を増大させれば破綻に近づく現在、生活保護費や子ども手当を機械的に増大させることがどんなことか、それこそ“すべてを失う”ことにほかならない■とりわけ生活保護費の問題については早急に考え直す必要がある。恐らく世田谷区の予算において生活保護費が167億円もあるということはあまり知られていない(事業項目としては人件費について2番目の出費)■生活保護費をめぐっての矛盾も多い。これらの問題点を改善するには「ベーシックインカム」や「負の所得税」のような発想の転換が望まれるが・・・。これは国での議論なのだが・・・。