現場の区議会大会議室の庁内テレビを見ながら発信。
10時開始。今日の素材(課題)はがん検診と子ども医療費助成の2本。最初の24分はこれらの事業の担当部署による説明。
昨日も思ったが、これらの素材の選び方というのは、どういう基準というか意図があるのだろうか。少なくとも検証委員が自分たちで選んだということではないだろう。先の本会議でも区の答弁ではこの検証委員会の方向性を相当重要視して予算編成に臨むということを述べていたが。
委員長の発言によると、子ども医療費助成については、新たに所得制限を設けるかどうか、ということがテーマだということのようだ。【10時30分記】
質疑によれば、がん検診の医療費の効果に関するデータはないらしい。何でも国の方針に従ってやっているという、まことにニッポン的な答弁。
続いて、子ども医療費助成の効果についての具体的なデータはないとのこと。
子ども医療費助成は現在は中学生までは親の所得制限なしで全額公的助成となっているが、もし所得制限(児童手当の例による)をしたら、対象の子どもの数は半減するという。これに対して委員から、所得の高い人もそれなりに税金を払っているのだから、同じサービスを受けても良いのではないか、という意見も。【10時48分記】
子ども医療費助成について、モラルハザードはないのかという意見とともに、他の福祉政策もあるので所得制限は仕方がないのではないかという意見の委員。また医療機関からの情報が少ないとも。
医療関連の質疑が続くが、事業と効果についてデータがないまま進んでいるのは、やはりおかしいと思う。公衆衛生という考えが区にないのではないか。データなくして果たして受益と負担の議論が成り立つものなのか。【11時01分記】
命にかかわるものについては公費助成を無くしてほしくないという意見。そのとおりなのだが、どこからが命にかかわるのかというのが実は今回の議論のテーマなのだが。
昨日の市民大学とかサービス公社の議論より、低調な感じ。医療はやりづらいのだろうか。それとも連日で疲れ気味なのだろうか。
がん検診の受診率の低さから、もっと広報を充実させるべきだという意見、特に広報板を選挙の掲示板くらい増やせないのか。
これに対し現在の広報板は700くらいとのこと。選挙の掲示板はだいたい900くらいなのでそんなに差はないが、確かに広報板は目立たないのは大きさのせいか?
検診によっても有料、無料というのはどういう基準なのか。また子ども医療費助成では、子どもが蚊に刺された程度でも軟膏を買うより医院に行ったほうがタダだから行く親もいるという意見。
有料無料の説明は不明。【11時22分記】
子ども医療費助成については、そもそも対象から外すべきではないか。アンケート調査でも区民の8割が支持しているのだとすれば、そもそもこれをいじるのはおかしい。もっとほかの事業を俎上に乗せるべきではないか。
まさに正論を言う委員登場。そうなんだよな、こんな偏った素材の選び方がおかしい。【11時36分記】
子ども医療費助成を削るのなら、放置自転車の罰金を上げたほうがいいのではないか、あれは他人に迷惑を掛けているのだからという意見。正論だよなー。
別の委員。区民の権利意識が高くなりすぎているのではないか。ばらまきや何でも無料はよくない。
関係ないかも知れないが、子ども医療費助成に関しては、若い委員の方が、さらに女性の方がシンパシーがあるように聞こえる。
そろそろ午前の部のまとめに。
副委員長。最初はこの2つについて削減が良いのか疑問だと思ったので、むしろ良いものは良いということを確認するのもこの検証委員会の役割ではないかと思う。となれば、財政負担の問題もあるので、全事業の予算という見地から考えなくてはいけないのではないのか。所得制限は時代の流れに逆行するのではないのか。
要するに削るものはほかにもまだあるでしょう、ということで、遅いけどようやく委員各位も課題設定のおかしさに気づいてきたのかもしれない。
さあ、委員長はどうまとめるか。【12時10分】
委員長まとめ。がん検診はもっと広報も含め運用面に工夫が必要なのではないか。データが少なすぎる。子ども医療費助成については、事業の目的が不明だ、モラルハザードもある、他の自治体に比べて恵まれているので所得制限は考えられるのではないか・・・しかし、もっと広く考えれば、財源の制約があるのなら、ここで議論していない他の事業を削ってでも、これらの予算を増やすことだってあるのではないか、という感じのまとめ。午前の部は12時24分で終了。午後の部は13時40分再開。【12時24分記】
休憩中の私の所感
昨日の市民大学や世田谷サービス公社という、文化的というか管理部門的というか、どちらかと言えば、生死から縁遠いものから、がん検診とか子ども医療費助成というのは、各委員の生活空間の中でも、時として緊張感を想起させるテーマである。おそらくテーマの切り口として最初から削減という網をかぶせたことから、当初口が重たかったのかも知れない。各委員は口にこそ出さなかったが、医療行為そのものよりも、必要なときはいつでも受けられるという安心の部分に、この事業の重要性を感じているのではないだろうか。そしてその安心ということは現区長の最大の政治目標のはずなのだが。実は先の代表質問で、大阪府なみの人件費の圧縮を世田谷区ですると約18億円の効果がある旨の答弁を得ている。この18億円というのは子ども医療費助成に対して所得制限を掛けたときに捻出できる金額とほぼ同額である。それにしても、各委員が果たして、今回の対象だけを削減の俎上にあげるのは正しいのか、疑いだしたのは意義深い。削るならほかにある。
13時41分再開。委員長よりこの2日間の総まとめの議論に入る。
行政と民間との役割分担について。
青年の家については宿泊施設機能については疑問。
目標の手段として多様なものが出現した場合、そういう手段に切り替えるべきだ。民間に任せてもよい。効率性、または目標達成度を再検討すべき。
世田谷区の人材活用を考えるべし。
とは言いつつも、まとまるようなまとまらないような。レンホーチックなら、ここで廃止、継続、縮小とかなるんだろうけど、なかなか歯がゆい進行状況。【14時08分記】
いつの間にか、外郭団体について。
発言委員が限られているように見える。
委員長が発言。外郭団体はシビアにやりましょう、と誘っているが。
あんまり反応なしの中。外郭団体の事業にある既得権をなくすべきだ。
リターンの見込めるものは残し、リターンのないものは淘汰すべきではないか。
はっきりした結論をみないまま、またまた受益と負担の議論にうつっちゃった。
政策経営部長が割り込み過ぎ。
各委員は議論の方向性となすべきミッションの理解の統一ができていない感じ。
税源論議から放置自転車の罰金を高くしろという意見に対して、政策経営部長が答え始めて、横道に。
まとまらない、雰囲気。【14時35分記】
区の負担になる部分は削減するというより、長期的に発生予防に力を入れるべきではないか。という意見。
正論だが、発生予防とは何?罰金?自己負担割合?これがまたむつかしい。
マーケティング、どれくらいの対価を支払えるかというデータで捕らえるべき課題ではないのか、という意見。
もう経費を削るしかない。冗費を削る。それは行政サービスを削るしかない。たとえば多摩川花火大会なんかすぐにでもカットすれば1億円カットできるんですよ、要するに優先順位に応じて下からカットしていくしかないのではないか、との意見。さらに区民は行政に甘えている姿勢を直す啓発をすべきではないのか。そういう行政と区民との関係を再構築すべきだ、との主張。
委員長発言。80億の削減は一つの事業だけをどうこうでは捻出できない。むしろ区役所の担当者の一人ひとりが事業計画を構築できるか、それが今のところできていない、それができれば意外に全庁的に80億が詰められるのではないか。
残念ながら、役所ということころは、決められた事業を忠実に履行するのが管理職の絶対的な使命であり、そこに企画能力が生かせる場はほとんどないのが現状である。役人は短距離選手型の職種である。
別の委員からは、利用料金を上げる手法もある、と。【15時12分記】
別の委員から、削減は誰かが悪者にならなくては進まないのではないのか。
引き続き、委員会としての提言の骨子について各委員に振るが反応は静か。発言を求めると、提言よりも新たな意見が出たりして、まとまらない。
提言以前の問題として、検証のデータが整理されていない。整理されて、そのデータに基づいて行政運営ができていれば、見直しも容易であったのではないか。
サービス過剰であるのであれば、区民の自立が導かれなければならない。
年間単位の予算というのは民間では考えられない。民間では四半期、毎月ごとに事業進行がチェックされる。
区と区民との協同の部分が論じられなかったのは残念。むしろその部分で区民と区との役割分担の合意を図られるべきであったはずである。
委員長のまとめ。世田谷区内の大学との連携、特に区立図書館との連携という、ちょっと唐突な話に。大学が助かる?大学がもっと努力しなければならない、それは世田谷区との連携?
15時50分閉会
今日の感想
考えても見れば、資料不足、民間的なデータもなく、限られた時間で結論を出すのは、至難の業であると思う。まとまらないのは自然なことである。これであと検証委員会は7月12日の提言の部分を残すのみとなったが、一応これまでは全部テレビ傍聴させてもらった。ここまでの流れから、相当逸脱した提言があるとすればそれは役人の作文ということになる。とにかく検証委員の方々には本当にご苦労様である。【15時58分記】