●畦畔(ケイハン)要するに“田んぼのあぜ道”の問題で世田谷区議会は論争になっている●実は世田谷区の下にはもう一つの地図が眠っている●昔の“田んぼ”や“畑”や“あぜ道”の“古い地図”である●その“古い地図”が現在の世田谷区民を悩ましている●“田んぼ”や“畑”はちゃんと測量しながら宅地や公道に歴史的に変化していったが、なぜか“あぜ道”だけは曖昧なまま「国有地」として公図上に存在し続けた。平成16年まで●それがそれ以後、国から譲与という形で住民の知らない間に「世田谷区の土地」に変更されていたのである●これが単なる国から地方への変更なら問題はなかったのであろうが、そうではなかった。実は「国有地」なら申請すればタダで貰えるチャンスがあったのが、「世田谷区の土地」に変わったとたん、買い取って貰うしかないということになったのである●これは住民からすれば、天と地ほどの差である●こういうことから最近になって土地紛争の裁判が増えているのである。住民と世田谷区が昔の“あぜ道”を巡って争うことについて議会の判断を求められている●問題の“あぜ道”が自宅の敷地の下に眠っている戸数はひょっとすると区内で何千件にもなるかも知れないと言われている。決して小さい問題ではない。根本的に解決する方策を区独自で考えなければならないし、個別的に司法の判断に頼っていては解決しえない問題なのである。