福島原発の事故は50日経過した今でも進行中である。何が起きるかわからない。そうは言っても人は「最悪の事態」から逆算して自分の安全度の位置を確かめようとする。
しかし報道ではなかなか「最悪の事態」を書いてあるものが見当たらない。最初に見たのが4月9日の読売新聞の元原子力安全委員長のインタビュー記事。(左、クリックで拡大)
それによると最悪のシナリオは?という問いに対して、こう答えている「最悪なのは、新たな水素爆発で格納容器が破壊され、放射性物質が大量に流出することだ。近くには立ち入れず、他の炉も手がつけられなくなる。こうなると日本にはもう解決策がないと思う」
最悪のシナリオとは、単に放射性物質が風向きによって降ってくるという程度ではない。異常事態の原発に誰も何も出来ない状態になるということ、原発の暴走を誰も止められない、そういうことだ。今もなお水素爆発の危険性は、それこそ一進一退であり、その後も恒常的に発生する地震によって事態悪化は避けられない。マスコミ報道はあまり言わないが、そういうことなのである。確かに「最悪の事態」から逆算して自分の安全度の位置を探すことは相当難しい。