2011/01/05

建築基準法84条

“次の地震”が一日一にと近づいている。東京における地震の記憶は急激に薄れている昨年の“地震の勉強会”でいささかショックだったのは、一般に首都直下地震の被害想定は112兆円と言われているが、それは同時に「112兆円の復興市場の誕生」という見方もあるということ住宅需要だけでも33兆円のマーケットが発生するというしかもこの巨大マーケットに世界中が関心を向けるかどうかがカギであるということ。まさに政府の“手際”の善し悪しで、東京再建のマーケットが誕生するのか、それとも世界から見放されてしまうのか分かれ道である、ということであるしかし現実に行政レベルで地震を復興まで想定している人間は研究職クラスだけで、予算は財政悪化で削られつつある(東京都予算)そもそも現状の被害想定は平成9年に東京都防災会議が作成したものであり、12年も経過している世田谷区で言えば、小田急線の高架化も実現せず踏切があった頃の想定である左上は日経新聞の阪神大震災をきっかけに災害の教訓を伝える運動の記事記事を読みながら思ったのは、もちろん民間伝承は大切であろうが、それらはたいがい、震災直後の用心を説いている、実は本当に大変なのはその後のことである“勉強会”で指摘されたのは「都市復興が遅れれば遅れるほど住宅再建が遅れる」という法的構造である。これはリアルに阪神大震災後の神戸復興の過程から見て取れるこれはかなり過酷な現実である。「都市復興が遅れれば遅れるほど住宅再建が遅れる」というのは、家族を失い家を失った人ほど都市復興を考えなければならない、ということであり、別の言い方をすれば家族も家も無事だった人ほど都市復興など考える必要はないということでもあるそれが具体的になるのが建築基準法84条の建築制限である。