5年間で見ると、人口は83万6千から1万7千ほど増加して85万3千となっている。約2%の増である。一方で区民税は昨年度急減して前年度より80億円減って1063億円である。約7%の減。
住民の2%増と、税収の7%の急減、これが財政問題の核心である。
区では一人当たりの税負担額を出している。平成18年度から21年度までは13万5千円前後で推移していたのが平成22年度は一挙に12万4千円まで下がっている。税負担額は所得に依っているから、区民の景気が良くないということであり、その原因としてリーマンショックがある。その後の景気は国内は大震災、世界的には不況と見通しが立たない。
さらに住民構成の高齢化で支出は増大する。いわゆる八方塞がりである。現状は足りない分をこれまでの基金(貯金)を取り崩して、しのいでいる。(目黒区はその基金が底をつきかけて大変なことになっている。)
一方で国の借金は943兆円。国民一人当たり738万円の借金ということである。
もはや国をアテにしていいのか?この数字は地方自治体の経済的自立を警告している。国からの補助金や交付金の原資は借金であり、未来からの前借りである。
地方の視察で自治体の財政状況を尋ねると一様に国からの支援と答えるのには驚いた。