●8月8日に区長に提出された報告書を読む。たぶん何を言っているのか、わからないだろう。理由はすべての可能性を盛り込んでいる体裁となっているからである。つまり読み手の立場によって都合よく“響く”文章構成となっているからである。
●肝心な部分は41ページに詰め込まれている。赤字は引用部分。
(3)建設手順について
○仮設庁舎について
外部にまとまった仮設庁舎を確保できれば、効率的な工事が可能になり、工期短縮なども見込むことができるが、現時点では、適地を見出せていない。そのため、建設手順では、外部に仮設庁舎が不要な案とする必要があるが、今後、引き続き仮設庁舎の確保の可能性について検討していく。(P41)
●上記の表現はもう2年前から議会で再三指摘している部分。「・・・建設手順では外部に仮設庁舎が不要な案とする必要があるが・・・」
●不要な案とする必要があるなら、それ以下の表現は、それこそ不要だろう。
○工期について
近隣住民への影響、施設利用者への影響、職員への影響を最小限に抑えるためにも、工期は短縮していく必要がある。可能な限り2期工事(5年程度)で終わるよう、民間の技術も活用しながら、工期短縮に向けて様々な手法を検討していく。(P41)
●ここでも遠慮がちな表現ながら工期は約5年と明示している。
(4)現庁舎等の空間特質について
50年以上区民に親しまれてきた本庁舎、区民会館、広場等の空間特質をできるだけ継承する計画とする。さらに、本庁舎等の課題を踏まえ、求められる機能、規模の確保と最も合理的な事業計画(コスト削減、工期短縮等)が可能であれば、現庁舎等の活用も考慮する。(P41)
●空間特質とは簡単に言えば、前川建築の雰囲気のこと。それは継承していきましょう。ただし現庁舎等の活用についてはコスト削減、工期短縮等が可能であれば考えてください、と述べている。
●冒頭の仮設庁舎にこだわるのは、仮設庁舎ができなければ(工期短縮ができず)現庁舎の活用は諦めざるを得ないからである。
具体的な配置や構成については、基本構想において示された条件に基づき、設計者からの提案を受けて、最終的に決定することとする。(P41)
●報告書では庁舎面積、必要な機能、工期、予算規模をまとめている。あとは“設計者の腕”によるということであろう。
●ただし、アンビルトの女王と称する建築家が存在したように、設計図では可能でも、それを建設する施工業者がいるかという問題もある。
●実際、委員会の中で委員長は何度も前川建築を残すことは難解なパズルを解くようなもので果たして・・・という趣旨の発言(警鐘)をしている。
●さて、報告書は保坂区長のもとで基本構想案がまとめられる。区長もいい加減、現実的な対応に徹する時期に来ている。「世田谷YES」が今期のウリなのだから・・・。
●さて、報告書は保坂区長のもとで基本構想案がまとめられる。区長もいい加減、現実的な対応に徹する時期に来ている。「世田谷YES」が今期のウリなのだから・・・。