2018/02/04

バブル破綻の兆候

上記写真は、左側が道路でそれに接する40坪の空き地である。コンクリトートの木枠が残されたまま荒地となっている。

この土地は私の家の近くで、近くに住む区民の方から直接聞いた実話。

この土地には以前、平屋で数人の家族で住んでいたという。それが事情で売却となり、更地となって、或る個人が購入。不思議なことに登記を調べると、東海地方の地方銀行が土地購入額の数倍の担保設定で融資していた。

実は、土地購入者と地方銀行との間に、アパート建設業者みたいなのが入っていて、実際、このアパート業者が全体のビジネスプランを考えていた。

なんと、数人の一家が住んでいた土地に14の居室からなる木造2階の建物を作り、一室5万前後で貸すというプランという。

当然、近隣の住民はゴミ出しや自転車等の問題等々と心配は広がったが。

地方銀行は、現物も見ずに5万×14室で月70万、年840万の家賃収入と見たのだろうか?これなら貸せる!とでも確信したのだろうか。

近隣の状況から比べれば、このプランの居室はタコ部屋同然、しかも最寄り駅が格段に近いということでもない。この家賃で借りる人はいないと考えるのがフツー。

実は、このアパート業者の管理するアパートは都内にいくつかあって、見たところ全室埋まっている所はなく、むしろほとんど空室の方が多かったのが実態。

さて、当該の土地の売買があったのが2年前。1年前から工事が始まり、建築か?と近隣が思った矢先、工事が中途半端なところで止まった。

工事現場を撤退する業者に聞いたところ、(アパート業者が)カネを入れてくれない、とのこと。以来、基礎部分にコンクリを流しただけで表の鉄筋は錆びつき、約1年ほどたったころ、つまり最近になって、破産整理の不動産会社の人が現れて、購入者は破産し、お金を融資していた地方銀行も融資額の半額での土地売却を決めましたとのこと。

以上、個人情報も含まれるので漠然と記してみましたが、このような形での投資話が進んでいたことに驚き。

というのも、地方銀行と言っても、その地方では名門と呼ばれている銀行だそうで、こんな無謀なビジネスモデルで過剰融資をしているとは信じられないのだが・・・事実。

この土地はまだ売れてはいないので、地方銀行にとっては、いわゆる不良債権である。

需要がないところに、大量の貸室を作って大赤字。バブルの崩壊の一端である。都内には投資物件として買われているマンションもあるという。

この地方銀行の不良債権はこれだけなのだろうか。かつて過剰融資に走った、その名も都市銀行と呼ばれた銀行は13行もあった。今はいくつだろうか。いずれも不良債権整理でつまづいていったはずである。

バブル破綻の兆候は身近なところにあった。