こんな人生もあったんだ、と驚きの一冊。
イメージは誤解と隣り合わせだ。
小倉氏といえば、クロネコヤマトの宅急便の創設者であり、現在のネットビジネスのインフラを築いた経営者として有名であり、かつて国の規制と戦い抜いた勝者でもある。
筆者は小学館ノンフィクション大賞を史上初満票で受賞した森健氏。それまで誰も光をあてなかった疑問からドキュメントは始まる。
いわば、質問力(疑問力)がこの本のすべてといっていい。その質問(疑問)を丁寧に追っていく過程が素晴らしい。なぜ小倉昌男氏は、晩年それまで公表された人生の中で、なんの関係性もなかった福祉にのめり込んでいったのか。
同じく興味深く読んだのが「ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学」。
こちらも経営の極意は質問力(疑問力)だと喝破している。
この世の中おかしくない?なんでこんなことできないの?なんでこんなものないの?
交渉会派から離れて、質問力トレーニングしてみようと思う。
今、政治は何でもあり、何もできない状態に落ちている。