3月の議会では最終日、保坂区長に対し、その言動を改めよ、という決議が可決された。(上記事)まあ、戒告処分のようなものだが、議会が区長に対してするということはよほどのことである。要は区長としての言動が責任ある者としてふさわしくない、隠密行動が多すぎるということになるだろう。
が、また議会が閉会した翌日の記事がこれである。(再掲)
繰り返しになるが、3月議会(予算委員会)での最大の質問のひとつが補助54号線問題であり、なぜこれまで優先整備路線となっている2期工区と3期工区を、今後10年間の計画から外したのか?ということである。
保坂区長は明確な理由を答弁をしなかった。(これも理解できない言動の一つだったが・・・)
実は「再開発事業差し止め訴訟」の中で、原告は和解案として2期と3期を外せと言っていたのだ。結果として事実上、保坂区長が2期と3期を外し、それをもって訴えは取り下げられた、とみるのが自然な流れだろう。(権限は複雑で被告は都と国であり、世田谷区は参加人という立場。優先整備路線を発表するのは都だが、申請するのは区長)
もちろん、区民と区が争うことは好ましい状態ではない。訴訟がなくなることは良いことだ。
が、問題は、訴訟をなくすために2期、3期を外すことの妥当性である。
上図を見ても、2期、3期を外せば、事業計画全体の“ゆらぎ”は生じるだろう。1期だけでは、環状線につながらない、道路広場になってしまう。そういう考え方もあるだろう。
しかし90万都市として、木造密集地域をかかえる場所として、首都直下に耐えられるのだろうか、とも考える。道路は世田谷区だけのものではないからである。
さらに、問題は世田谷区のスタンス(これまで補助54号線に関して公表してきたこと)が今回の訴訟取り下げで変わったか、どうかである。
保坂区長は2期、3期を外したのは1期に集中するため、と理由にならないことを明言している。2期、3期を外さなくても1期には集中できるだろう。仮に本人にすれば決意の表れということであれば、事業全体は進むことになり、スタンスは変わらないことになる。
しかし、実際には、議会の知らないところで、言っていることとやっていることが違わないか、ということである。
今回の予算質疑では、私は、もう一つの大問題である高額本庁舎問題で手一杯で下北沢問題には触れられなかった。そういえば都政新報に、ちょっとイジられていた。(もちろん1千万円程度という認識は間違っているが!)