2013/12/21

炎の中の世田谷区役所

 12月19日に発表された、中央防災会議による「M7.3級の首都直下地震の新被害想定」によれば、世田谷区ではかなりの延焼被害が出る。今回の発表では19の震源地を想定しているが、その中で被害が最大という「都心南部直下地震」での火災被害が上図。(クリックで拡大)
 ご覧の通り、被害が最大というのはまさに世田谷区が火災の中心地の一つになっている、ということであり、被害者は世田谷区民の可能性が高いことを示している。M7.3級では揺れによる被害より、交通が遮断され消防車が来れない、或いは同時多発的に火災が発生して対応できない、ことによる大火災での被害が想定されている。
 世田谷区の大問題は、その火災地帯の真ん中に区役所があること。上図を拡大して見ると世田谷区役所の位置は三軒茶屋の文字の三軒の下の青丸印のあたり。

 このことについては、この発表がある前から、先月11月28日の区議会代表質問でウチの会派の田中優子議員が指摘している。さらに現在、23区最古の老朽化した区庁舎の建て替えについて、同じ場所でいいのか、という質問もしている。答弁は庁舎建設の時期(10年後?)には東京都が地域の不燃化をやってくれるでしょう、というまるで他人事。関東大震災時も誤って火炎の勢いの強い場所(被服廠跡地)に多数逃げ込み焼死している。

 現在の世田谷区長は3.11を強く意識して当選したものの、首都直下地震への行政としての備えについては、何も決断していない。大型開発反対という当選時のイメージにとらわれて、本当に必要な予算の決断ができない。一方で高齢者向けの区立レストランを作ってみたものの大赤字という惨状。そのため今度は無料送迎バスを。
 要は区長が中身のないイメージ区政に傾倒しているため、リアルな震災が発生すれば、住民からの不満は爆発するのは必至である。ド素人という意味でつかわれたのだろうが、アマチュアは、都知事だけに限らないのである。