そもそも、「世田谷ナンバー」というものを知っている区民がどれほどいるのだろうか。区長の個人的野心の延長線上にあり(政策とは関係のない)支持基盤の拡大という下心が隠されている「世田谷ナンバー」の強制導入。強制導入ですよ!(関心のない区民にとっては迷惑な話だ)
実のところ「何を所有し、何を消費するかを基準に人間を格付けを意識する人たち」にとって、クルマはわかりやすい記号になっている。そして問題は、格付けの意識の無い、多くの人々にとっても、記号は有効に働いてしまうことである。(例えばドイツ車が好きで夫婦でドイツ車2台を持っていても、ドイツ車が好きという記号だけにはならないだろう)
同様に住宅というのも格付けの記号としては有効に働く。今回の「世田谷ナンバー」の強制導入は、この二つの記号をより近づけようという制度の変更である。
クルマという記号に乗って世田谷区民であるという記号を表示すると、一体どういうことになるのか?
最大の懸念は、犯罪集団にとって「お宝が手あげて走っている」ように見えてしまうことである。
そして「世田谷ナンバー」は選べない。実現したら全員「世田谷ナンバー」を強制させられる。ということである。
実は、世田谷区民のほぼ全体の調査というのは8年前に行われている。「世田谷ナンバー」というダイレクトな言葉を使っていないとしても、約5割が「そう思わない」ということであった。もちろん8年という時間経過の中で区民の意識が変わったということがあるかもしれない。それにしても今回の8割支持というのは驚きだ。