■9月30日に新宿の某所にて地方自治の都政専門紙『都政新報』で事業仕分けに関しての座談会がおこなわれた■私のほかに、「東京の自治のあり方研究会」座長で一橋大学大学院教授の辻琢也氏、そして内閣府行政刷新会議事務局で政務調査官を務められた構想日本の政策ディレクターの中村卓氏の3人■テーマは事業仕分けについて■掲載分は全体で2時間近い議論のハイライト部分。とは言え全面使っているのでデカイ■そこで私が、予算審議の現場からの主張として述べたのは事業評価を相対的にすべきだということ■つまり、これまで役人の事業評価ではアレもいいし、コレもいい、その繰り返しであり、アレとコレのどちらを優先させるべきかという相対的な比較がなされていない■また、都市部という多様な価値観を有する区民が住んでいる所で、しかも85万人もいる自治体では、どの事業をもってして無駄遣いだと決めつけるのは、一見容易だが、合意形成にはなかなか至らない■だから比較優位の議論が必要だ■またこれほど財政が窮乏してくると、人件費の議論もタブー視せずチェックするべきだ、ということも述べた■最後に、中村氏から議会の中で事業仕分けをすべきだという提案があったが、私自身は大賛成なのだが、果たして他の議員が可能か、懸念を示した■理由は、たぶんどこの議会も同じと思うが、これまでは右肩上がりの経済成長を背景に、議会では“足し算型の議論"がメインだったからである。少なくとも主流は“足し算型"だった■これからは身の丈に合わせた“引き算型の議論"が必要になってくるがまだまだ定着していない■もちろん個人的には、また所属している『せたがや政策会議』としてはそういう試みをしてはいるのだが主流とはなっていない■以上の種々の問題はすべて地方自治法の古い制約からきているこては3人とも共通認識としている■自治法の規定では大きなことは議会で決めて、細かいことは役人が決める、という仕組みになっている。戦後まもない頃ならいざ知らず、都市部の予算は細かい事業の積み重ねで構成されている。それらの事業のチェックや優位性の議論なくしては無駄遣いをなくすことは不可能である■そのほか紙面で使われなかった面白い話もあったが、改革派の議論としては面白かった。