2016/08/20

脱原発区長はなぜ得票率67パーセントで再選されたのか?その2

上は8月16日の朝日新聞に載っていた保坂氏本の広告。

内容については手にして戴くとして、ここではこの広告のリードがいかに空虚で錯覚に満ちていることに触れたい。

この広告の保坂氏の写真の左下あたりに、本のエッセンスらしいことがが5つほど示されている。(小さくて読みづらいけど)

その中の一つ。「子ども・教育関連予算を711億円(H27年度)と10年前の2倍に増額した」と書かれています。しかしこれはどういう事実なのでしょうか。


実際、H27年度(右端)から過去に遡って、子ども関連予算を検証してみると以下のようになります。


グラフの右端がH27年度予算で711億円。そこから左へ遡ること10年前が黒い棒のH17 年度で、349億円です。確かに2倍になっております。

しかし、グラフ全体を見ての通り、保坂区長の前の熊本区長の時代(5年前)でも、10年前の2倍は達成していたのです。(H23年度の668億円とH13年度の275億円)

保坂区長になって、グラフで言えば、右からの4本の青い棒ですが、子ども関連予算は実際にはダウンしていたのです。

任期中3年間は子ども関連予算は抑えられていたにもかかわらず、最後の選挙直前だけビヨーンと増やす手法。それをもってして、さも、自分だけの功績のごとく錯覚させる手口は、区民を目隠しして保坂ワールドへ誘なう基本的なテクニックです。

こういう小手先の弁術には長けている保坂氏。決して大きなウソはつかないが、小さい錯覚を積み重ねることによって全体の事実を自分の都合の良い方へ導く“論法”は天下一品と言って良いでしょう。

広告のエッセンス部分のもう一つをあげれば、「1期目4年間で認可保育所を24カ所、認証保育所を19カ所増やした」とありますが、それでは4年間保育待機児ワーストの世田谷区の現実はどうなのでしょうか。

また「赤字続きだった区の財政を22年ぶりに「借金ゼロ」へと黒字化した」とありますが、これは行政の内部からみると、単に、すべき仕事を先送りしていれば、出費は減り、入りは貯まるということに他なりません。

災害対策に直結する新庁舎問題に対して贅沢庁舎(現庁舎を保存しつつの新庁舎案)にこだわり、問題を先送りしている現状、災害対策に不可欠な生活道路への投資へのためらい等々、区長としての決断の遅れが、皮肉にも黒字化の原因になっているのです。

最後に、誰も注目しない保坂区長という現実があります。だから自分で本を書き、自分で判定し、自分で絶賛するという哀しい三役をこなさなければならないのです。

仮に世田谷区政が褒められたとすれば、それは過去の区政のレガシイによるものであり、現区長とは関係がありません。

そのためか、本著の後半は、これまでに何度も書かれた保坂氏の中学時代の武勇伝の繰り返しで、またその話かい、と少々シラけてしまうかもしれませんが、知らない方は相模原市からわざわざ千代田区まで越境入学をしていた中学時代の話は世田谷区政とは関係ないけど新鮮かも。

2016/08/18

脱原発区長はなぜ得票率67パーセントで再選されたのか?

妙なツクリの本が発売された。

もちろん重箱の隅をつつく程度の話だが、チリも積もれば山となるの例えのごとく、夥しい錯覚の連射の中に保坂区長の虚妄が隠されているから書かざるを得ない。

この本の表題からすれば、観察対象は保坂区長(候補)の選挙戦のはずと買い手は思うだろう。簡単に言えば、保坂候補はなぜ高得票率で当選できたのかという謎解き、分析本だろうと。


当然、分析者は第三者というのが買い手の前提であろう。

しかしである。妙なツクリというのは、著者が保坂展人氏本人であり、分析も本人が行っている点にある。

要は自画自賛本の典型ということである。

ただし、実際にはロッキング・オンの渋谷陽一氏によるインタビューという内容になっている。

まあ何でもありの保坂氏のことだから今更、驚くことでもないが、この手の本のツクリとすれば、インタビュアー渋谷陽一という記述が表題にあるはずであり、まさに得票率67パーセントで当選した分析は渋谷陽一氏が行ってこそ、客観性が形式的にこそ付与されるものだろう。さらには相手陣営への取材がなければ本来の客観性は保てないはずである。

しかしながら、この本では一方的に保坂氏がインタビューに答え、自分で分析し、結論づけているのである。であるならば「私はこうやって勝った」というのが素直な表題のつけ方であろう。

客観性を装いつつ、一方的な価値観にすでに踏み込んでいる、というのは保坂氏の得意技(難点?)である。(庁舎問題における迷走などはその典型で、区民の代表的な声に耳を傾けることなく、勝ってに独走し、自ら隘路に陥るという時間の浪費の繰り返し)

最後に、この本を手にする前提として、現職区長は選挙に強いという事実を知らねばならない。

区の催事から広報から入学式から卒業式からその他の印刷物、お祭り、集会等で現職区長自身も名前も露出し放題である。それが4年も続けば知名度は飛躍的に高まる。それは全国の自治体でも同様である。

著者の保坂氏は得票率67パーセントを、こんなにも高い得票率と確信しているようだが、果たしてそうなのだろうか?

昨年の4月の同日に行われた区長選挙は11区ある。現職区長は全員当選している。新人が当選したのは現職が引退した区である。



実は保坂氏は現職区長の割には得票率が低いのである。得票率は立候補者数によっても左右されるが、それを割引けば保坂氏の得票率は区部の中でも低い部類なのである。

得票率だけに注目すれば、この本の表題は他区と比べて「現職区長なのになぜ低得票率67パーセントで再選されたのか?」ということにならないだろうか。

モノの見方は多様かつ多面的である。すでに昨年の対立候補の名前も顔も記憶にない区民も少なくないと思うが、同様に保坂区長の実績を言える区民もどれだけいるのだろうか。

知名度の差を、支持率の差のようにすり替える魂胆があるとすれば、それは違うなぁ、というのが率直な感想である。まあ、ミニワールドの権力者である保坂氏らしいが・・・。

●ちなみに、以下は読売新聞のネットから





委員長からの残暑見舞い?

前回ブログより、よりわかりやすい記事が都政新報(行政関係の業界紙)に!

改めて、今回の報告書は、これまでの保坂区長の考えの甘さや、行政感覚(危機管理センス)の著しい低さを指摘している。

例えば、保坂区長の新庁舎に対する考えは昨年3月(区長選直前)に策定した所謂、「中間まとめ」に示されているが、今回の報告書は、その「中間まとめ」の欠点を具体的に指摘している。(と記事から読める)

すなわち記事によると、「今回の報告書では基本的方針として、中間まとめで打ち出しが弱かった災害対策機能の強化に加え、区民の利用しやすさへの配慮、円滑に業務を行うための機能性と効率性及び柔軟性の確保、環境負荷の低減を図るよう強調した。」

これは当時から議会各派が述べていたこと。

つまり、保坂区長は首都直下がいつ来ても不思議ない状況下にありながら、昨年の3月に至るも、災害対策機能の強化は重要視していなかった、ということである。

熊本地震をもってして本庁舎機能の重要性を区長が認識したとすれば、世間知らずもいいところだろう。(実際はそうなのだろうが・・・)

さらに8日の区長記者会見で記者の以下のような質問に対して保坂区長は明確に答えている。

記者:本庁舎整備についてお聞きしたい。本日この後、報告書を受け取るということだが、その中に現庁舎の空間特質を継承するということが盛り込まれると思う。2月の区議会定例会では、自民・公明両党の議員が「私たちが継承しなければならないのは中庭の景観ではない」と言っている。自公が議会の過半数を占めているわけだが、議会に対しどのような説得をするのか伺いたい。

区長:議会でも、「とにかく早く整備をすべきである」、「災害対策について強く留意を求める」など、それぞれ意義のある庁舎についての思いを言われていると思う。ただ、委員会の議論では現庁舎については空間特質を継承するとされており、現存する庁舎をそのまま残せとは言っていない。空間特質という言い方には幅がある。後段部分は、合理的な事業計画がありうるならば、という限定付きで現存する庁舎を保存することも考えるべきだということである。

「合理的な事業計画がありうるならば・・・」というのは世間知らず区長への、委員長からのささやかな残暑見舞い程度のものであろう。

2016/08/12

本庁舎整備の基本構想検討委員会の報告書


●8月8日に区長に提出された報告書を読む。たぶん何を言っているのか、わからないだろう。理由はすべての可能性を盛り込んでいる体裁となっているからである。つまり読み手の立場によって都合よく“響く”文章構成となっているからである。

●肝心な部分は41ページに詰め込まれている。赤字は引用部分。

(3)建設手順について
○仮設庁舎について
外部にまとまった仮設庁舎を確保できれば、効率的な工事が可能になり、工期短縮なども見込むことができるが、現時点では、適地を見出せていない。そのため、建設手順では、外部に仮設庁舎が不要な案とする必要があるが、今後、引き続き仮設庁舎の確保の可能性について検討していく。(P41)

●上記の表現はもう2年前から議会で再三指摘している部分。「・・・建設手順では外部に仮設庁舎が不要な案とする必要があるが・・・」

●不要な案とする必要があるなら、それ以下の表現は、それこそ不要だろう。


○工期について
近隣住民への影響、施設利用者への影響、職員への影響を最小限に抑えるためにも、工期は短縮していく必要がある。可能な限り2期工事(5年程度)で終わるよう、民間の技術も活用しながら、工期短縮に向けて様々な手法を検討していく。(P41)

●ここでも遠慮がちな表現ながら工期は約5年と明示している。


(4)現庁舎等の空間特質について
50年以上区民に親しまれてきた本庁舎、区民会館、広場等の空間特質をできるだけ継承する計画とする。さらに、本庁舎等の課題を踏まえ、求められる機能、規模の確保と最も合理的な事業計画(コスト削減、工期短縮等)が可能であれば、現庁舎等の活用も考慮する。(P41)

●空間特質とは簡単に言えば、前川建築の雰囲気のこと。それは継承していきましょう。ただし現庁舎等の活用についてはコスト削減、工期短縮等が可能であれば考えてください、と述べている。

●冒頭の仮設庁舎にこだわるのは、仮設庁舎ができなければ(工期短縮ができず)現庁舎の活用は諦めざるを得ないからである。

具体的な配置や構成については、基本構想において示された条件に基づき、設計者からの提案を受けて、最終的に決定することとする。(P41)

●報告書では庁舎面積、必要な機能、工期、予算規模をまとめている。あとは“設計者の腕”によるということであろう。

●ただし、アンビルトの女王と称する建築家が存在したように、設計図では可能でも、それを建設する施工業者がいるかという問題もある。

●実際、委員会の中で委員長は何度も前川建築を残すことは難解なパズルを解くようなもので果たして・・・という趣旨の発言(警鐘)をしている。

●さて、報告書は保坂区長のもとで基本構想案がまとめられる。区長もいい加減、現実的な対応に徹する時期に来ている。「世田谷YES」が今期のウリなのだから・・・。

2016/07/14

親族も?ダメ?そんな馬鹿な!

確か、自民党の男性国会議員が民主党の女性国会議員と結婚したニュースがあった。

その後、一方が落選したらしいが。夫婦だろうが親子であろうが、思想信条は別々であって、自由勝手である。

それが、こともあろうに、「各級議員(親族等含む)が非推薦の候補を応援した場合は、党則並びに都連規約、賞罰規定に基づき、除名等の処分の対象となります。」という文書を今回の都知事選直前に自民党都連は配布した。

上記の夫婦は(都民ではないかも知れないが、政党員として応援はするだろう)どうなるだろうか。

党員を引き締めるのは当然としても、親族等を含むというのは、何事だろうか。

これが都連だけの感覚なのか、それとも自民党全体に共通する感覚であるとすれば、政権党として大問題である。

2016/07/08

実感を伴わない保坂区政

6月16日に行われたトークイベントで保坂区長は次のように述べている。
「では、区長選はどうして勝てたのか。それはやはり2011年に区長に就任してからやってきた4年間の政策を区民が見てくれたと思うんです。」
http://blogos.com/article/182357/

それが大勝の理由だと、言いたいのだろうが、全く根拠が無い。

なぜなら昨年の区長選の直後(一ヶ月後)に行われた区民意識調査によれば、7割から9割近くの区民が、保坂区政の主要政策を知らないと回答しているからである。


●地域防災力の向上 81.5パーセントが知らない。

●エネルギーをたくみに使うまち
世田谷推進プロジェクト2014 81.2パーセントが知らない

●世田谷区の就労支援 71.1パーセントが知らない。

●地域包括ケアシステムの推進 76.3パーセントが知らない。

●熱中症予防対策 70.6パーセントが知らない。

●子ども・子育て応援アプリの導入 85.8パーセントが知らない。

●若者支援事業 86.3パーセントが知らない。

●「土のうステーション」の設置 72.6パーセントが知らない。

●世田谷みどり33 73.5パーセントが知らない。

●世田谷9年教育 77.5パーセントが知らない。

つまり、ほとんどの区民が保坂区長の政策など、見ていなかったということである。

一方でこれらの政策について、良い取り組みだと思うか?という問いについては6割から8割近くが「良い取り組みだと思う」と答えている。(この回答の求め方にはかなり誘導的な部分が含まれていると思うが)

このことは一見すると矛盾のように見えるが、そうではない。政策には賛成するが、実感は伴わない、そういうことである。

23区は共有の財源(財調システム)で、均衡ある都市運営が課されているので、区長の働き所は、ホントのところ、実行のスピードにあると言って良い。

自宅を2つも構え(下北沢と狛江市)公用車を無駄に往復させ、あらゆるマスコミに登場している保坂区長に、実務をこなせる時間は限られる。23区の中で、周回遅れは、議会という間近で見ないとわからないかも知れない。


以下、区民意識調査の回答表。


2016/07/01

本質と付加価値

6月29 日、日経夕刊のグラフィックデザイナーの佐藤卓氏のエッセイ(著名人の人生を振り返り、ターニングポイントを紹介するショート版「私の履歴書」)を読んでなるほど、と思った。

「ものが売れない時代になると、『付加価値』の重要性が叫ばれる。しかし、私はこの『付加価値』を頭から否定している。これを言いだしてから、日本のもの作りはダメになったとさえ言いたいくらいなのだ。」

「『価値』とは、モノの外側に付け足していくようなものではない。」

この言葉から連想したのは庁舎問題のことである。

調べてみたら、現庁舎が著名な建築家の設計であった、という一連の流れは、庁舎の価値とは別のいわば、『付加価値』に過ぎない。

あるいは定着した風景というのも半世紀を経て備わった『付加価値』である。

庁舎問題の本質は庁舎の価値が失われている、というところから論じられる問題である。

老朽化・分散化・首都直下に未対応、中庭から避難広場の創設等々、特に非常時への未対応という部分が庁舎の価値からすっぽり抜け落ちているのが現状である。

庁舎を芸術品のような視点から眺めるのは自由であるが、それが可能だとしても庁舎の本質とは別の『付加価値』でしかない。

本質的な「価値」と『付加価値』とを同じ土俵で論じられるとしたら、それは、とてつもない財政的余裕と時間的余裕のある時である。(そんなものは地方自治体にないので、「価値」優先、『付加価値』は意見があった程度に留めるというのが現実的選択)

現区長の特徴は、財政的余裕と時間的余裕を掛け合わせて考えることができない点ではなかろうか。何事にも。遅いことでは23区随一ではなかろうか。

2016/06/26

第5回 世田谷区本庁舎等整備基本構想検討委員会

4月の熊本地震での庁舎の惨状が世田谷区の基本構想検討委員会(世田谷区本庁舎等整備基本構想検討委員会)に与えた影響は少なからぬものがあったろう。

3月まで景観重視だの、多額の保存費用をかけて7年半かけて増築だのと言って議会を混乱させていた保坂区長も、災害の現実の前では目を覚まさざるを得ないだろう。
6月25日に開かれた5回目の基本構想検討委員会では、大方常識的な、すなわち災害対策重視の方向でまとめられたようである。
実際、私も傍聴していたが、客観的な報道として、毎日新聞によると、「検討委は『50年以上区民に親しまれてきた現庁舎などの持つ特徴を考慮した計画とする』と確認。区は今後、外壁など一部を保存して新庁舎に再利用することを検討する。」

記事のタイトルにある通り、「保存は難しい」というのが委員長の見解であった。各委員も含めて、“難解なパズルを解くようなもの”というような表現であったと記憶。

ちなみに4案プラス参考案とは以下の通り。これらの数字を無視して、なんとか安くできるとか、やれないはずはないという感傷的かつ時間軸を無視したやりとりは、うなづけなかった。

2016/06/24

質問力

こんな人生もあったんだ、と驚きの一冊。

イメージは誤解と隣り合わせだ。

小倉氏といえば、クロネコヤマトの宅急便の創設者であり、現在のネットビジネスのインフラを築いた経営者として有名であり、かつて国の規制と戦い抜いた勝者でもある。

筆者は小学館ノンフィクション大賞を史上初満票で受賞した森健氏。それまで誰も光をあてなかった疑問からドキュメントは始まる。

いわば、質問力(疑問力)がこの本のすべてといっていい。その質問(疑問)を丁寧に追っていく過程が素晴らしい。なぜ小倉昌男氏は、晩年それまで公表された人生の中で、なんの関係性もなかった福祉にのめり込んでいったのか。


同じく興味深く読んだのが「ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学」。

こちらも経営の極意は質問力(疑問力)だと喝破している。

この世の中おかしくない?なんでこんなことできないの?なんでこんなものないの?

交渉会派から離れて、質問力トレーニングしてみようと思う。

今、政治は何でもあり、何もできない状態に落ちている。

2016/06/22

交渉会派断念

参議院選挙が始まった6月22日、世田谷区議会の定例会も多くの課題を我々が指摘しながら終了した。

と同時に会派が政党の諸事情により、田中優子議員、桃野芳文議員と3人で再出発することになった。(諸事情についてはある時期からわかっていたことなので、これまで4人目を担っていたそのべせいや議員については3人は深く感謝しています)

会派で本日午後3時以降、議論した結果、これ以上、他会派に議会内のすなわち私たちの会派の事情で、迷惑を掛けることは控えたいということで、交渉会派残留の要望は取り下げました。

会派の責任者として、多少の願望を試みましたが、50人という定数の区議会にあって、議会運営について意見するには原則4人以上というのは、最低限必要だと実感したのが正直な理由です。

少数意見の尊重については私自身、この世田谷区議会で一番身にしみていると自負しています。が、議会運営の責任については、これは別問題です。詳細についてはまたにしますが取り急ぎ報告です。

2016/06/06

本庁舎と広場機能

6月4日に世田谷区の庁舎問題の検討会の4回目が行われた。今回は配置イメージがテーマ。

これまでの検討会でクローズアップされてきたのは災害時の広場機能。通りを挟んで国士舘大学の広場との連動という発想は貴重だ。

熊本地震のこともあり、区役所周辺からの避難区民は2000名を想定している。また支援物資の輸送拠点(集積所)は国士舘大学となっている。(もう一つは大蔵第二運動場)

下図は幾つかのイメージパターンで広場が一体で広いもの。

ただし、圧迫感は否めないという考えもあるが、広場がこれだけ取れるなら、必ず来るという首都直下(1回だけとは限らない)に備えて、安心という考えもあろう。





それに対し熊本地震が発生する直前までこだわっていたという保坂区長のパターンは参考程度の扱いで、大地震に備えたパターンにはなっていない。動線も長く、移動も複雑。また北側の国士舘大学の前庭との連携は遮断されている。







2016/05/31

議会が推進、区長が先送りだった庁舎問題



31日の読売朝刊に「大地震で継続使用できない恐れ」の庁舎の一つに世田谷区役所が挙げられている。


この問題は何回も触れているが、原因は保坂区長の無関心にある。

東日本大震災直後に誕生した区長であるにも関わらず、この本庁舎問題は議会が区長の尻を叩かなかったら、関心も示さなかったのは事実である。

以下は平成26年2月25日の私の質問である。

保坂区長は、世田谷区の最大懸案事項となる庁舎問題を余りにも軽く見ていた、あるいは逃げていたのではないでしょうか。

整備方針案の二ページ、災害対策というタイトルがついているところに、そのことが明確に書かれています。
 
読み上げますと、「平成24年6月から平成25年3月にかけて、災害対策本部の中枢となる本部長室等及び非常用の電源や水に係る諸設備の強化を図るため、第1庁舎と比べて耐震性の優れた第3庁舎を応急整備し、第1庁舎から本部長室等の移転を行いました」。
 
確かに、保坂区長は議会で言われてやりました。そして、それをもって災害対策に手を打ったようなことを言われていたと記憶しております。
 

問題はこの後の記述です。こう書かれております。「しかし、東日本大震災や、昨年の伊豆大島の土砂災害等の経験により、本庁舎に求められる危機管理機能は、以前よりも一層高まっており、88万区民の災害対策の中枢管理機能を果たすには未だ十分ではありません」。
 
いいですか、平成24年から区長のやったことは、区民に向けてちゃんと災害対策には手を打ちましたというようなメッセージを発信する材料にはなったかもしれませんが、でも、実態は「88万区民の災害対策の中枢管理機能を果たすには未だ十分ではありません」と書いてあります。

つまり、いまだに不十分ということであり、88万区民の災害対策の中枢管理機能は果たせないという、実に厳しい状況下にこの世田谷区は今もあるということです。
 
平成24年6月から災害対策本部室をとりあえず第3庁舎に移し始めたことは臨時的な対応です。

それから何をしていたのか、何もしていないのです。それはそうです。平成24年4月には庁舎計画担当部を廃止しているのですから。

結局、平成25年9月に調査計画担当課を復活させるまでの1年6カ月間の間、そのうちの10カ月を使って、災害対策本部室を第3庁舎に移しただけなんです。

以上は2年前の質問であるにもかかわらず、今も庁舎問題は迷走中である。(熊本地震の影響で、どうにか年内には基本構想が固まりそうだが・・・)

2016/05/30

世田谷区は規制緩和進めていますよ区長!


5月26日の福祉保健委員会で、家庭的保育事業を規制緩和する報告があった。

要は、小規模保育事業所A型で、朝夕の児童が少数となる時間帯における保育士配置について、現行では、保育士2人がつくことになっている。(0歳児と1歳児の二人の場合、)

これを7月下旬から保育士1人と、保育士でない者1人(区長が保育士と同等の知識と経験を有すると認める者)の組み合わせを認める、というもの。

簡単に言えば、保育士2人の配置を保育士1人と保育士資格のない者の2人でもよいとするもの。

世田谷区の実情からすれば、規制緩和は致し方ないことだと思う。しかし、規制緩和と監視強化はペアになっていなければ保育の質は低下する危険性にさらされる。

トップが規制緩和などしませんよ!みたいな言説をあちこちで振りまき、その実、規制緩和をしている(今回の規制緩和は区長決済事項)のだからタチが悪い。

委員会質疑で確認したところ、案の定、監視強化策は考えられていなかった。規制緩和には監視強化をというのは当たり前だろう。


ほど遠い世田谷区の児童相談所移管


改正法が成立して23区、世田谷区でも児相(児童相談所)が持てるようになった。

これを受けて、区長会の会長は「準備が整った区から順次、児童相談所の設置を目指す」と述べているが現実はどうだろう。

先日、福祉保健委員会で世田谷区にある児相(東京都所管)は世田谷区と狛江市をカバーしている問題を尋ねたところ、全然話は進んでいないとのこと。

法では23区に認めるとのことで、狛江市は切り離さなければならない。(財調との関連だろう)

では、東京都が調整してくれるのかと尋ねると、そんな話にもなっていないという。これって準備以前の問題である。

世田谷区の前を見据えた業務は停滞しているのではないだろうか。

2016/05/08

日常生活支援センター長

今朝の朝日新聞にはキョトン。この4月から世田谷区社会福祉協議会の「日常生活支援センター長」のことが大きく取り上げられていたからだ。

世田谷区社会福祉協議会とは区の外郭団体で主に地域の活動支援、日常生活の支援、困りごとの相談等々のサービスを提供する社会福祉法人。(区の外郭団体という点で普通の社会福祉法人とは異なる)

新聞記事では、世田谷区のことが報じられているかと思えば、記事の肩書きが、「元国会議員政策秘書」とあるように、その国政における政治歴がズラリ。永田町では相当活動していたようで、世田谷区に関しては「昨年4月の世田谷区長選で、再選を目指す保坂展人氏の選挙の中核を担いました。」とだけ紹介されている。

その後の“就活”については桃野議員のホームページに詳しい。


しかし不思議な話ではなかろうか。保坂区長の中核スタッフである人物が世田谷区の外郭団体の人員募集に応募するというのはどういうことだろうか。(それも3月の予算委員会で取り上げるまで採用された事はほとんどの幹部職員すら知らなかったし、単に保坂区長に近いというだけの人物ではないことはようやくこの記事で判明?)


因みに世田谷区の外郭団体の事務方は区役所OB及び出向現役職員である。

常識的に考えれば、採用するにせよ、しないにせよ事前に保坂区長もしくは周辺に伺いを立てるだろう。

また応募する側も保坂区長と昵懇なのだから、差し障りがないか、相談はするはず。

一方で、外郭団体とすれば、絶対に採用したくない、というのがホンネであろう。

定年退職して年金との関係で現役の半分以下の給料で働き、いわゆる区役所流儀の仕事で毎日を回している身としては、外部の人間が中に入ることは秩序が乱れて嫌なのだろう。しかも対応を間違えれば保坂区長の機嫌を損ない外郭団体からも追い出される。

加えて議会と揉めている保坂区長直結の人物となれば、厄介である。

今回、倍率は1、専門性問わず、しかも「日常生活支援センター長」という何をするのか曖昧な職種である。

区の説明によると地縁パワーに加えて新たにNPOとの協働やNPO連携強化となっているだけで具体的な目的があるのか不明である。

で、今回の朝日の記事である。ここから読み取れるのは選挙における集票戦術家(選挙参謀?)の姿であり、勝つとか勝てないとか、言葉が出てくるような、まさに元国会議員政策秘書というのが本質である。

記事の締めくくりで、記者は「地域で活動する中で、未来を切り開く手がかりをつかんでいた」と書いている。

「地域で活動する中で」ということが「日常生活支援センター長」という仕事であれば、その背後にある集票戦術家(選挙参謀)という本質はどこに向かうのだろうか。

なぜなら永田町を離れた時に「もう一度外から力をつけたい」と述べているからである。

「日常生活支援センター」での活躍が、とんでもない覚醒を起こす可能性はあるかも知れない。それが世田谷区にとって良いことなのか、新たな火種になるのか、わからない。

2016/04/07

代表質問の余話

2月の代表質問で、保坂区長の無責任なツイッター発言を取り上げ、そのことが世田谷区の保育園待機児問題をこじらせている、と追及した。

保坂区長は今から4年前に、「子どもの遊ぶ声がうるさい」というクレームを紹介し、盛んに「子どもの声は騒音か?」という発信をツイッターで続けた。

そのことが、これまで、いわゆる“受忍限度の範囲内”と思っていた人たちに、「子どもの遊ぶ声がうるさい」と主張していいのだ、という風潮を煽ってしまっているのではないか、そのことを追及した。

これに対し、保坂区長は、ドイツの裁判の事例を出し答弁をそらし、ツイッターを見て広めたのはマスコミだと責任転嫁をし、むしろ社会問題化して都の条例改正(子どもの声は騒音ではないという)に至ったではないかと、“成果もどき”をいつものように答弁した。

ドイツがどうしようが、都条例が改正されようが、世田谷区の保育園待機児問題は改善されていない。

マスコミが勝手に取り上げたのではなく、マスコミが取り上げることは何でも(区長としての責任を放棄してまで)ツイッターで発信する、その姿勢を指摘した。

実際に、見たこともないことを、あたかも見てきたようにツイッターで発信しマスコミを煽っていたことも指摘した。いわゆる「比喩的表現」事件のことだが。

区長の仕事は、まず「問題提起すること」ではなく、「問題を解決すること」に主眼がある。(ここが区長就任以来の保坂氏の認識の心得違いがある。すなわち、国会議員のつもりで区長をやっている、という)

私が求めた答弁は、「保育園で子どもの声がうるさいというクレームがあるという問題提起は逆効果だったかも知れない。少子化で、子どもの声を聞かずに生活する人が増えたため、そんな子どもがうるさいのなら保育園が近くにできては困る、と先入観を与えることになってしまった」というもので、

だから、今後は区長としての立場、保育園待機児問題を解消する責任から、発言には注意する、という内容だった。

なぜ、そのような“答弁”を期待したかと言えば、同じことをアエラ(2014年11月17日号)で保坂区長自身が語っているからである。
http://dot.asahi.com/aera/2014111900100.htmlhttp://dot.asahi.com/aera/2014111900100.html




2016/04/04

議会の知らない所で(すなわち区民の知らない所で)3


3月の議会では最終日、保坂区長に対し、その言動を改めよ、という決議が可決された。(上記事)まあ、戒告処分のようなものだが、議会が区長に対してするということはよほどのことである。要は区長としての言動が責任ある者としてふさわしくない、隠密行動が多すぎるということになるだろう。

が、また議会が閉会した翌日の記事がこれである。(再掲)


繰り返しになるが、3月議会(予算委員会)での最大の質問のひとつが補助54号線問題であり、なぜこれまで優先整備路線となっている2期工区と3期工区を、今後10年間の計画から外したのか?ということである。


保坂区長は明確な理由を答弁をしなかった。(これも理解できない言動の一つだったが・・・)


実は「再開発事業差し止め訴訟」の中で、原告は和解案として2期と3期を外せと言っていたのだ。結果として事実上、保坂区長が2期と3期を外し、それをもって訴えは取り下げられた、とみるのが自然な流れだろう。(権限は複雑で被告は都と国であり、世田谷区は参加人という立場。優先整備路線を発表するのは都だが、申請するのは区長)



もちろん、区民と区が争うことは好ましい状態ではない。訴訟がなくなることは良いことだ。

が、問題は、訴訟をなくすために2期、3期を外すことの妥当性である。

上図を見ても、2期、3期を外せば、事業計画全体の“ゆらぎ”は生じるだろう。1期だけでは、環状線につながらない、道路広場になってしまう。そういう考え方もあるだろう。

しかし90万都市として、木造密集地域をかかえる場所として、首都直下に耐えられるのだろうか、とも考える。道路は世田谷区だけのものではないからである。

さらに、問題は世田谷区のスタンス(これまで補助54号線に関して公表してきたこと)が今回の訴訟取り下げで変わったか、どうかである。

保坂区長は2期、3期を外したのは1期に集中するため、と理由にならないことを明言している。2期、3期を外さなくても1期には集中できるだろう。仮に本人にすれば決意の表れということであれば、事業全体は進むことになり、スタンスは変わらないことになる。

しかし、実際には、議会の知らないところで、言っていることとやっていることが違わないか、ということである。

今回の予算質疑では、私は、もう一つの大問題である高額本庁舎問題で手一杯で下北沢問題には触れられなかった。そういえば都政新報に、ちょっとイジられていた。(もちろん1千万円程度という認識は間違っているが!)

議会の知らない所で2



先日来の下北沢を巡る訴訟は原告が取り下げ、上掲記事の通り東京都も同意し、終了となった。

これに関し、都知事は次のようなコメントを発表した。青字部分。

補助54号線は、下北沢周辺はもとより補助26号線や環状7号線につながる道路ネットワークを形成し、交通の円滑化や防災性の向上等を図るために必要不可欠な道路です。事業中の1期区間に集中するため、2期・3期区間は第四次事業化計画の優先整備路線としていませんが、施工者である世田谷区が、事業中の1期区間の整備を推進するとともに、その進捗状況を踏まえ、隣接する2期・3期の区間の事業化に向けた準備も進めていくこととしています。


これを見る限り、訴訟の前後で何が変わったかといえば、補助54号線の2期・3期区間を第四次事業化計画の優先整備路線としなかったことだろう。ただし事業化に向けた準備は進めるとも。

2016/04/01

議会の知らない所で和解案が進行していた


昨日は東京新聞も伝えていたが、記事の背景が、わかってきた。

要するに「再開発事業差し止め訴訟」で裁判所は昨秋、和解条件を原告側に求め、それに従って原告側は以下の通りの和解案を昨年末に出してきたようである。

1、小田急線上部利用については「みどりの基軸」の観点から公共的利用が図れるよう、計画を見直し、国、都は最大限これに協力する。

2、補助54号線及び区画街路10号線については、二期及び、三期工区を優先整備路線としない。二期及び三期工区の事業化について都市計画の変更を行う。第1期工区については道路専用許可特殊制度を利用して、「みどりの基軸」として小田急線上部と有機的につながらう歩行者中心の街作りを進める。

3、下北沢の建物の高さ制限60メートル、45メートルを中低層並みに見直す。

これに対し、世田谷区が裁判所で3月30日に述べたのは以下の通り。


 原告らが、平成27年12月28日に、「下北沢再開発の『見直し』意見書」(福川意見書)を踏まえて、「原告らの和解に対するスタンス(和解案の概要)」を提案し、裁判所からは、本件紛争を円満に解決し、下北沢における道路整備及び街づくりに関するさまざまな意見の対立を超えて、自治の担い手である住民と行政の協働を形成することにより、下北沢の魅力を更に発展させていくことが大切であるとの認識の下に、平成28年3月16日付けで早期解決の勧告がなされたことを受けて、参加人世田谷区は、次のとおり、意思を表明する。

1 参加人世田谷区は、「防災とみどりの基軸づくり」をコンセプトとして、東京都及び小田急電鉄と協議、調整を経て、さらに区民の皆様からのご意見を受けまとめた「世田谷区小田急線(代々木上原駅~梅ヶ丘駅間)上部利用計画」(以下「小田急線上部利用計画」という。)を基に、今後は、事業完了まで、小田急電鉄と調整しつつ、各事業者の設置する施設等が整合性をもって配置されることにより、駅を中心ににぎわいのある街づくりを目指し、区民等の憩いの公共的な空間となるよう整備を進めるものとする。

2 参加人世田谷区は、平成18年10月18日付けの事業認可処分に係る補助54号線(第Ⅰ期区間)及び区画街路10号線のうち、区画街路10号線については、「防災とみどりの基軸づくり」を基本コンセプトとする小田急線上部利用計画を基に、交通結節機能のほか、防災や環境も考慮した生活拠点にふさわしい機能を確保するとともに、補助54号線(第Ⅰ期区間)については、都市計画道路としての機能(交通ネットワーク機能、防災・災害対策機能、街の賑わいづくりの創出)を確保しつつ、周辺と調和した連続性のある街づくりを進めるものとする。また、これら都市計画道路における「道路占用許可の特例制度」については、既に検討に着手しており、「道路区間を活用したまちのにぎわい創出」を目指して、歩行者に配慮した活気ある街づくりを進めるものとする。

3 参加人世田谷区は、世田谷区の都市計画に関する基本的な方針である「都市整備方針」において、“広域生活・文化拠点”として位置付けられている下北沢が、「生活と文化を育み、地域の“心”となる安全で住みやすいにぎわいの街」となるよう形成に努めるものとする。また、下北沢駅周辺においては、「下北沢駅周辺地区地区計画」に基づき適正に街づくりを進めるとともに、その街づくりの過程において、区民等の意見を幅広く頂きながら、下北沢の良好な街並みの維持・発展について必要な対応をするものとする。


以上

実は、予算員会で議論が集中したのは、なぜ二期、三期を優先整備路線から外したのか、とうことだった。

この裁判の流れから見ると、和解の条件が二期、三期を外すことだっということがわかる。(そういうことだったのか)

ただし、今回の区の意思表明においては二期、三期については一言も触れていない。(権限ないし)

原告は訴訟を取り下げたが、取り下げの同意については国、都が持ち帰り、検討するということらしい。(なお、2週間ルールで放っておくと同意したことになる)

議会・予算委員会での他会派の質疑を聞いた限りでは、二期、三期を優先整備路線から外しても、現状の進捗状況のベクトルは何も変わらない、と保坂区長は述べていたように記憶している。