2019/12/27

笑いの矛先



M1グランプリは最高。優勝を果たしたミルクボーイのネタ「コーンフレーク」も「最中(もなか)」も、思い出せない食べ物の名前を巡って掛け合いをするのだが、ズレたやりとりが絶妙。


●ユーチューブで検索すれば見られるかもしれません・・・

2位のかまいたちの「言い間違い」の応酬も爆笑。

どうしてこんなに笑えたのだろうか。勝手に推測すれば、痛烈な政治風刺の漫才としてのアンソロジーがあったからではと、連想する。

すでに、国会では「ご飯論法」という漫才手法が用いられている。いわゆる「ずらし答弁」「すり替え答弁」等々は、ボケ漫才の王道である。

言うまでもなく国会は、漫才を披露する場ではない。漫才であればボケに対してツッコミを入れ、一堂大爆笑で仕事は完結するが、野党議員はそうはいかない。

明らかに(政権の)ボケ答弁がおかしいのに、政権が全力で認めないから議論が先に進めない。ツッコミが通じない。

すなわち国会での議論が「怒りの矛先」から「笑いの矛先」に変えられ進まない。いつまでたっても、森だの桜だので終始している。笑えないネタは飽きられる。

こんな時、「怒りの矛先」は本来、国会から飛び出し選挙だった。(はっきり答えない政権は国民不信そのもの)

しかし小選挙区制では、どんなに政権不信が増大しようとも、結果として「政権党の方がまし」という、「二択の袋小路」という罠にはまってしまう。(まさに3位のぺこぱの、ツッコミながら納得してしまうパターンはそれ。)

この1年(に限らないが)笑いたくてしようのなかった国政に対して、「笑いの矛先」として、「素材」を替えて笑い飛ばしたのが今回のM1グランプリの決勝戦だったのでは、なかったか。

果たして、笑いの潜在的なネタとなっているような国政で大丈夫だろうか。皺寄せは地方自治にやってくる。