2016/05/08

日常生活支援センター長

今朝の朝日新聞にはキョトン。この4月から世田谷区社会福祉協議会の「日常生活支援センター長」のことが大きく取り上げられていたからだ。

世田谷区社会福祉協議会とは区の外郭団体で主に地域の活動支援、日常生活の支援、困りごとの相談等々のサービスを提供する社会福祉法人。(区の外郭団体という点で普通の社会福祉法人とは異なる)

新聞記事では、世田谷区のことが報じられているかと思えば、記事の肩書きが、「元国会議員政策秘書」とあるように、その国政における政治歴がズラリ。永田町では相当活動していたようで、世田谷区に関しては「昨年4月の世田谷区長選で、再選を目指す保坂展人氏の選挙の中核を担いました。」とだけ紹介されている。

その後の“就活”については桃野議員のホームページに詳しい。


しかし不思議な話ではなかろうか。保坂区長の中核スタッフである人物が世田谷区の外郭団体の人員募集に応募するというのはどういうことだろうか。(それも3月の予算委員会で取り上げるまで採用された事はほとんどの幹部職員すら知らなかったし、単に保坂区長に近いというだけの人物ではないことはようやくこの記事で判明?)


因みに世田谷区の外郭団体の事務方は区役所OB及び出向現役職員である。

常識的に考えれば、採用するにせよ、しないにせよ事前に保坂区長もしくは周辺に伺いを立てるだろう。

また応募する側も保坂区長と昵懇なのだから、差し障りがないか、相談はするはず。

一方で、外郭団体とすれば、絶対に採用したくない、というのがホンネであろう。

定年退職して年金との関係で現役の半分以下の給料で働き、いわゆる区役所流儀の仕事で毎日を回している身としては、外部の人間が中に入ることは秩序が乱れて嫌なのだろう。しかも対応を間違えれば保坂区長の機嫌を損ない外郭団体からも追い出される。

加えて議会と揉めている保坂区長直結の人物となれば、厄介である。

今回、倍率は1、専門性問わず、しかも「日常生活支援センター長」という何をするのか曖昧な職種である。

区の説明によると地縁パワーに加えて新たにNPOとの協働やNPO連携強化となっているだけで具体的な目的があるのか不明である。

で、今回の朝日の記事である。ここから読み取れるのは選挙における集票戦術家(選挙参謀?)の姿であり、勝つとか勝てないとか、言葉が出てくるような、まさに元国会議員政策秘書というのが本質である。

記事の締めくくりで、記者は「地域で活動する中で、未来を切り開く手がかりをつかんでいた」と書いている。

「地域で活動する中で」ということが「日常生活支援センター長」という仕事であれば、その背後にある集票戦術家(選挙参謀)という本質はどこに向かうのだろうか。

なぜなら永田町を離れた時に「もう一度外から力をつけたい」と述べているからである。

「日常生活支援センター」での活躍が、とんでもない覚醒を起こす可能性はあるかも知れない。それが世田谷区にとって良いことなのか、新たな火種になるのか、わからない。