言葉の意味は時代とともに変わる。とはいえ、やはり気づく人はいるようだ。念のため白川静「字統」で調べてみると「絆」は『馬のきずなの意とするが、すべてのものをつなぎとめること。細いひも状のものでまといからめて自由を失わせることを羈絆・籠絆(きはん・ろうはん)という。布に薬を塗り傷口に貼るものは絆創膏(ばんそうこう)、脛(すね)にまく布を脚絆(きゃはん)という』
「つなぎとめる」という原義と「つながり」という今様のニュアンスは明らかに異なる。ましてや政治の場で使われるとなると大きな違いとなる。政治権力に携わる人において、特に都市部で、このあたりの違いを感じなければ「軽い言葉」の政治で終わってしまうだろう。