2012/01/06

津波を伴う地震の危険性

 1月5日のNHKニュースウォッチ9で今後とも津波を伴う巨大地震の危険性は高まっていると報じていた。
 こうなると海岸に接する原発などもってのほか。東日本大震災はまだ終わっていない。年明け早々とは人間の都合であって、地震には関係ない。こうなると今後どうすれば良いのか、途方に暮れる。
 昨年来から今年にかけて盛んに「絆」という言葉が叫ばれている。都市においてはそれはどのように理解されるのであろうか。例えば地方では「緑を増やしましょう」などという政策順位は下位であるが世田谷では最上位の部類に位置する。「絆」についても世田谷では自然にあるものというより「人工的」な色彩を帯びる。「無縁社会」という言葉が実感できる地域と、まさに「地縁社会」が当たり前の地域との違いである。
 つまるところ世田谷での暮らしをどう変えて行くか、今後の震災時代を生き抜くために、ということである。その一つの“解”として会派としてずーっと主張している「職住近接」という都市構造の作り替えがある。
 現在のような「職場」と「住居」を鉄道でつないでいる構造は限界ではなかろうか。少なくとも震災で東京が体験したのは「帰宅困難」という事実である。
 世田谷区の人口は約88万。小さい県を圧倒する人口規模。その住民の大半が「越境」して千代田区や新宿区や渋谷区方面に「出稼ぎ」に出るのは奇妙ではないだろうか。
 例えば鳥取県(58万)島根県(71万)高知県(76万)徳島県(78万)福井県(80万)佐賀県(84万)山梨県(86万)の県民の大半が隣県に働きに出ているようなものである。
 歩いて、もしくは自転車で行ける範囲で生活の大半が成り立つ構造に作りかえることから新たな時代のパラダイムとやらが見えて来る気がする。「絆」という言葉は人々の善意だけで成り立つものではない、人工的、人為的な営みの先にあると思う。