2010/12/30
民主党都連の実態
■都政情報で一番読まれている「都政新報」の12月24日号で民主党の都連の特集が(左記事・クリックで拡大)■タイトルは「こんな体たらくで首都決戦が戦えるのか」という激励調だが副題は「民主党東京都連ガバナンス崩壊」という極めて辛辣なもの■内容は政権同様、何も決められない都連の実状を明らかにし、その理由として、ガバナンス能力のない国会議員が威張っている構図と、それに従うしかない地方議員の不満、そして“手塚アレルギー”なるものの存在が書かれている■詳細は下に■それにしても来春の区議選に民主党は現職8人に対して新人9人を加え17人の擁立を目指そうとしている。まさに“政治は数だ作戦”■実は現職の8人にしても7人が一期であり二期は1人。議会ではもっぱら中堅以上が育たない会派ではないかと思われている■それも都政新報の記事を読めば納得である。地方議員を大切にしない党は時代遅れの集団である。
都政新報の記事全文
菅派vs小沢派の対立で、不毛な混乱が続いている民主党。菅首相のお膝元の東京都連は、その国政の影響をもろに受け、新執行部人事をなかなか決められないなど迷走中。まさに「ガバナンス崩壊」と言っていい。この体たらくで、来春の首都決戦が戦えるのか。
「都連会長は、いつになったら常任幹事を決めるんだ!」
11月26日、「統一地方選勝利 都議会民主党の集い」が京王プラザホテルで開かれた。しかし、華々しい舞台で都議たちは“必勝″を叫びながらも、内心は不満で爆発寸前だった。
都連大会があったのは10月12日。それから1カ月以上経過しているのに、加藤公一会長、和田宗春幹事長、酒井大史政調会長、副会長以外の執行部体制が宙に浮いたままだったのだ。常任幹事会が開かれないので、重要案件は決定できず、都連の統治機能はマヒしていた。
今年の都連大会は、開催前から波乱含みだった。9月の民主党代表選が尾を引いたのは間違いない。
菅vs小沢の戦いがヒートアップし、都連会長選挙は“代理選挙″の様相になった。菅派の加藤公一首相補佐官と小沢派の松原仁衆院議員の2人が立候補を届け出、それぞれの推薦人名簿には「親菅」「親小沢」の面々がずらり並んだ。
結局、大会直前になって、菅首相が自らの東京への影響力を維持しようと強引に分け入って、加藤氏が都連会長に決まったという経緯だった。
だが、その後も火種はくすぶり続けた。この対立には、表面的な「菅派vs小沢派」「加藤vs松原」だけでは語り尽くせない複雑な二つの“裏構図″が見え隠れする。
一つは「国会議員vs都議団」の対立だ。会長選に松原氏擁立を進めたのは、実は都議団でもあった。
「民主党は、国会議員中心にトップダウンでできた政党ということもあり、自民党に比べて地方議員の権限が小さい。都連幹事長をずっと国会議員がやってきたが、都議会で第1党へ躍進し、都議の人数がこれだけ増えているのだから、幹事長は都議団にという思いがあった。松原会長なら大沢昇幹事長になるはずだった」 (都議会関係者)
結果的に、今回初めて幹事長が都議から選ばれはしたが、「大沢都議会幹事長の都連幹事長就任」という要望は通らず、都議団には国会議員に対する不信が少なからず残った。
もう一つの“裏構図″は、「手塚仁雄衆院議員vs都議団」である。加藤会長は首相補佐官で忙しく、事実上、同じ菅派の手塚氏が実権を振ろうとしている。しかし、都議団には“手塚アレルギー”が根深い。「代表選の際『小沢をやるなら、今後選挙ポスターに蓮舫とのツーショットを使わせない』という倣慢な態度だったことが決定的」 (ある都議)だという。
こうした複雑な対立構図が、新執行部人事の迷走に拍車をかけた。関係者からは、こんな声が聞こえてきた。
「会長選を降りた松原氏が会長代行になるのは決定済みだったが、手塚氏も会長代行にという話が浮上し、もめた」
「常任幹事は、国会議員と地方議員を同数にという暗黙の約束があったので、人選が難航した」
混乱に混乱を極めた結果、ようやく12月8日、都連役員と常任幹事が決定したのだが、そのメンバーは正直、唖然だ。
会長代行は松原氏1人に収まったものの、副会長が総勢11人。それも国会議員は、菅派が独占した。統一地方選については、松原会長代行が「統一地方選対策統括」で、手塚筆頭副会長が「統一地方選対策担当」と、似たような二つのポストが設置された。
そして、最も驚くのは、常任幹事の人数の多さだ。国会議員29人、地方議員29人(都議12人、区市町村議17人)の実に58人。この人数で会議して、一体どうやって意見集約するのか。さすがに事務方や国会議員秘書たちもあきれ返っていて、「これじゃあ幼稚園」 と椰掩するのである。
東京都連は、菅首相のお膝元だ。都連の混乱は、突き詰めれば、民主党の菅執行部の混乱、菅政権の混乱の延長線上にある。内部のポスト争いや、好き嫌い人事に明け暮れていると、民主党に対する国民、都民の信頼は失墜する。ガナバンスが崩壊した政党に、国政や都政を任せられるはずはない。
このままでは、民主党が都知事選、統一地方選で苦戦するのは必至である。