2月3日に世田谷区の2014年度予算の保坂区長による記者会見が行われた。
その目玉が記事にもある通り、「保育所1400人分整備」。
都知事選でも課題となっている保育待機児8千人のうち約千人は世田谷区である。ただし世田谷区は毎年5歳以下の子どもが千人前後で増えている、という極めて特殊な状況にある。
とは言え、子どものいる働きたい夫婦にとって「保育所1400人分整備」は朗報であり、一刻もはやく整備してほしい政策とともに期待もふくらむ。
しかし2月5日に行われた福祉保健委員会では、そう簡単ではない現状が報告された。
それは今年度から整備にかかった弦巻5丁目保育施設(定員258名)と下馬2丁目保育施設(100名)の整備が、新たな事情から開園予定の見込みがずれ、現状では確定的なことが言えない、というのである。
つまり、来年度の1400名どころか、それ以前の258名+100名の計358名分の保育定員が宙に浮いている、ということである。
この事実を区が確認したのが1月末。保坂区長はこのことを知っていたのである。にもかかわらず、「来年度は保育所1400人分整備」だけしか記者会見で述べなかった。もちろん記者諸氏も、現状がそんなことになっているとは知らない。
これでは保育所整備に期待している人々を、迷わすことにならないだろうか。ましてや記者会見というのは速報性のツールであろう。都合の悪いことは発表しない、となれば、粉飾発表である。
世の中、本当のことが言えないまま過ごすとどうなるか、騒ぎになっている。