2011/06/15

花より断行


 震災で全校児童の7割が死亡・行方不明になった小学校があったという。避難する時間は十分あったのにみんなの意見を聞く議論に40分も費やし、結局逃げるのが遅れたという。避難路や避難方法が決められていなかったという。学校側の津波に対する危機意識の薄さが招いた悲劇。つまり人災である。
 みんなの意見を聞いて議論するのはとても大事なことだが、津波警報の最中にすることではない。当たり前のことがわかっていなかった。
 最大の要因は危機意識の薄さである。
 世田谷区の財政問題は深刻である。もはや財政のトップが説明と処方箋を配るということをしなければソフトランディングできないほどである。そのことを13日の代表質問で田中優子議員が質した。
 実は、目に見えやすい危機(災害対策)と、数字にしか現れない危機(財政危機)との2問を質問したのだが、さすがに目に見えやすい危機に対しては反応があったが、数字にしか現れない財政危機の方は鈍いようである。しかし2、3年後に財政の大波が襲来することは100%の確率と言ってよい。今から“避難路”“や“避難方法”を決めなくては世田谷区民は救われない。お花畑に何を植えようかという議論と同列にできるものではない。それは財政危機の問題が一段落してからゆっくりやればよい。
 お隣の目黒区は、すでに財政危機の“避難路”や“避難方法”についての議論を始めているようだ。