●この日の民放トップニュースは薬物タレントの裁判だった。傍聴券に6千人の列とか。貧困、格差、経済不況等々の問題をさしおいて、興味本位のニュースに時間を浪費するテレビ局の姿勢には辟易するが●さて本日のトップではなかった新首相の演説●ビデオで見たが親近感を覚えた●それもそのはずである。民主党がとってきた戦略は一貫して地方政治を国政に持ち込み“料理”して見せることである。一つの理由は政治と生活が直結する部分で国民の関心を引きつけること。そしてもう一つは地方政治の分野以外では民主党は政策がバラバラだからである●つまり鳩山首相の演説はそのまま世田谷区議会でも違和感がない、ということである●日米関係がどうのとか、財政赤字がどうのとか、そんなことよりも身近な政治を語ることで掴んだ勝利である●もちろん大きな政治を掲げた自民党は為す術もなく大敗した●その縮図が国会である。首相の演説中、NHKのカメラは本会議場をくまなく映し出す。それが左である。首相演説が始まって10分ほどである●大きなマスクも何だかなあと思うが、その横で完全に居眠りしているように見えるのも、疲れ果てた凋落自民党を象徴している。少なくともこれでは民主党がダメなら自民党とは当分いかない。