2009/09/28

庁舎審議会の議事録を読む(4)

●第一回目の審議会で確認された主なことは以下のこと。
  • 審議の対象範囲は、本庁舎からやや柔軟に総合支所との関連も議論の内側に含めること。ただし総合支所の建物に関する議論はここではしない。

  • 本審議会は最終決定機関ではないという確認。
●後段の最終決定機関でないことは当然としても、前段については、区役所機能というサービスそのものを検討対象とすること意味している●言わば、建物(ハード)と行政サービスのあり方(ソフト)の両面から議論する必要があるということである●実は、当初事務局案としては、議事録でよむ限り、建物(ハード)だけを議論の対象にしようと考えていた(つまり本庁舎だけをどうするかという)●しかしそれでは、単に建物が古いか、古過ぎないかという議論に矮小化されてしまうし、結論は見えている。これではよく言われるように、結論ありきの審議、ともなりかねない●その意味では前段の確認は、重要なことである。

●左上は18日の都政新報が伝える豊島区の庁舎建設。豊島区は23区の中でも財政的には良くない方である。記事の見出しにもある通り資金調達すら問題である。大丈夫?なのだろうか。

2009/09/23

脱官僚の障壁


●「脱官僚」とは言うものの、言葉に実態を合わせるのは容易ではない●この記事も「だから言わんこっちゃない」ということかも知れないが、外務省役人の“手引き”があったのは明らかであろう。現にこうして記事となったのだから●今後、国会で野党自民党の追及が始まれば、事と次第によっては、こんな“苦笑い”の記事では済まなくなる●「政治主導」の最初の障壁は「こんなこと役人にやらせたほうが早いや」と諦めることである。もちろん全部を政治がやれるはずもないが、一皮むけば政治は何から何まで面倒なことだらけである●だから自民党は官僚依存を深めたのであろう。さらに官僚の言うとおりにしている方が、“もっと楽だ”と気づいたのである●民主党に楽ちんの“自由”を与えてはいけない。そんなことをしたら“自由”民主党に逆戻りである。

2009/09/21

首相になれぬ家系? 1/7


●民主党政権の華々しいニュースが相次ぐ中で、自民党の総裁選を見ていると、言っちゃ何だが、どこかの発展途上国の酋長選びのようだ。しかし新たな萌芽は こんな所から始まるのだろう●その中で、ひとり河野太郎氏だけが正しい状況認識を示している(その言動からすれば、いずれ飛び出す覚悟がうかがえるが、首相にならぬ家系であっても、その昔の新自由クラブの家系でもある)●現在の政治方向は小泉構造改革から始まったと言って良い。小泉首相以後、結局自民党 はその改革の意義を理解できなかったのに比べ、民主党がその改革の思想(と選挙手法を受け継いで)勝利した●小泉構造改革は簡単に言えば、田中角栄型の地 方開発型経済の転換である。

首相になれぬ家系? 2/7

●開発型経済とは結果から見れば、農地に一本道路を通すことで宅地化が進み地価が何倍にもなる、という魔法のような政策である●と同時に地方にあっては、 農業から土木事業者への職種転換の受け皿という目的でもあった●しかし可住面積に限りがあり、人口が増えない中で、道路を作って農地を住宅地に変えるとい うビジネスモデルは限界を迎え、何の投資効果も生まなくなった。

首相になれぬ家系? 3/7

●それどころか「目的」が明示されないまま「手段」だけが作られる官製ビジネスが道路からどんどん“応用”されていった。道路が作られ、新幹線が作られ、 飛行場までが作られる始末である●まさに“目的”が示されないまま“手段”の部分だけが増幅、暴走するのが官僚の思考である(たいていの場合、地域からの 要望ということが目的にすり替わるが)●「目的」を明示しないのは官僚や役所が責任を取らされるからである。もっと言えば本当の「目的」は、地方における 農業経済から土木経済への持続的転換でしかない、つまり地域雇用である●地域雇用が真の目的で道路が作られ、新幹線が作られ、飛行場が作られるのだから、 採算が合う訳がない。その責任まで官僚や役所はとりたくないのである。

首相になれぬ家系? 4/7

●日本では「目的」が明示されないまま「手段」だけに巨額の税金が投じられることを、「整備計画」と称する。役所用語で最多のキーワードは「整備計画」という名称だという説もあるくらい多い●「目的」と「手段」と「結果」を結びつけないのは政治の責任である。

首相になれぬ家系? 5/7

●そこで登場したのが小泉構造改革である。それは地方における農業従事者を土木業に転換したビジネスモデルに見切りをつける改革でもあった。或いは地域雇 用の為に暴走する公共工事に市場性を導入すると言ってもよい●いくら何でも道路があり、新幹線があり、その上飛行場まで作るという交通体系は過剰であろう ●だから小泉構造改革は、ここまでは正しかったと思う。しかし地方における新たなビジネスモデルを提示しないまま、小泉構造改革を進めたことは失敗だった●当然である。農業 が廃れ、土木事業へと職種転換することで生活してきた人々にとり、その土木事業が税金の無駄遣いと指弾され、バッサリ切り捨てられることは、そう簡単に納 得できるものではない。

首相になれぬ家系? 6/7

●さあ、ここからである。自民党は元に戻す方向(ターンバック)で支持をつなぎとめようとしたのに対し、民主党は何か新たな改革を期待させながら積極的な バラマキ(補てん)策を見せた●結果は知っての通りである。もはや元にもどることに、何ら希望がないことを国民は感じている●では、農業に替わる地方産業 としての公共土木事業に、さらに替わる新たな産業政策をどの政党が提示できるのか、そこが問われている。

首相になれぬ家系? 7/7

●小泉路線を継承し推し進めると河野太郎氏は言う。それは正しい。しかし、それはあくまでも都市部だけでの正しい認識に過ぎない●今後、地方をどうする か、国政の課題である●そして地方の議員はもはや「整備計画」などという目的と手段を取り違えているような“まやかしの税金投資”を吟味する必要がある● 必要なのは明確な「目的がある計画」である●今後の政治状況がどうなるか予断を許さない。ひょっとすると首相になれぬ家系どうし、渡辺喜美氏と河野太郎氏は連 携するかも知れない。

2009/09/19

能力主義と採決要員

●副大臣、政務官の人材争奪戦(政策通引っ張りだこ)の報道を見て、仕事をするならこうだよな、と思った人が多いのではないか●政治主導のもと新大臣が腕 を振るうなら、出来る政治家を集めるのは当然である。その様を見て“新鮮”と感じるのは、いかにそれまでの政権がひどかったか、である●副大臣にしろ政務 官にしろ各派閥からの“順送り人事”とかでチームワークも何も感じられるものではなかった●要するに新政権は能力主義である。方や旧政権は平等主義とでも 言うのだろうか、まともな答弁もできないのに当選回数だけで大臣になれたシステムであった●しかしよく考えてみると能力主義と平等主義の対立は常に、「能 力主義は格差を産む」というロジックで平等主義から攻撃を受ける●政治の場合、能力主義が横行すれば、必ずポストに就けない議員が出てくる。それらの不平 不満がともすれば“党内平和”を崩しかねない恐れがある。そこに介入してきたのが優秀な官僚たちであろう。能力不足を補って、どの大臣も能力のある大臣に 覚醒させてしまうのだから、素晴らしい“覚醒剤”である●しかしそれが結局、官僚の政治介入を許し、政党が国民そっちのけで“党内平和”に汲々としている 姿をさらし出し、果ては国民が呆れたということである●さすがに“漢字読めない政治家”までは官僚もお手上げだったのだろう●政治主導とは官僚という依存 性の高い“覚醒剤”を断つということである。つまり新政権では政治能力の足りない議員は極端に言えば(官僚という“覚醒剤”を使えないので)永遠に採決要 員ということになる。そこで持ち上がるのは“党内平和”がぐらつくことであろう●能力主義と“党内平和”は常に対立関係にある。大所帯になれば尚のことで ある。新政権がこの、内なる課題をどう克服するのか。区議会においても同様であろう。

2009/09/17

過去の復讐

●畦畔(ケイハン)要するに“田んぼのあぜ道”の問題で世田谷区議会は論争になっている●実は世田谷区の下にはもう一つの地図が眠っている●昔の“田んぼ”や“畑”や“あぜ道”の“古い地図”である●その“古い地図”が現在の世田谷区民を悩ましている●“田んぼ”や“畑”はちゃんと測量しながら宅地や公道に歴史的に変化していったが、なぜか“あぜ道”だけは曖昧なまま「国有地」として公図上に存在し続けた。平成16年まで●それがそれ以後、国から譲与という形で住民の知らない間に「世田谷区の土地」に変更されていたのである●これが単なる国から地方への変更なら問題はなかったのであろうが、そうではなかった。実は「国有地」なら申請すればタダで貰えるチャンスがあったのが、「世田谷区の土地」に変わったとたん、買い取って貰うしかないということになったのである●これは住民からすれば、天と地ほどの差である●こういうことから最近になって土地紛争の裁判が増えているのである。住民と世田谷区が昔の“あぜ道”を巡って争うことについて議会の判断を求められている●問題の“あぜ道”が自宅の敷地の下に眠っている戸数はひょっとすると区内で何千件にもなるかも知れないと言われている。決して小さい問題ではない。根本的に解決する方策を区独自で考えなければならないし、個別的に司法の判断に頼っていては解決しえない問題なのである。

2009/09/15

江東区の事件は世田谷区ではありえない

●先日の江東区の契約外支出に関して世田谷区の関係者に聞いたところによると世田谷区と当該社会福祉法人との契約においては一 切問題はないとのこと●少なくとも江東区の契約方法はやはり報道された様にかなり異質な契約形態を放置していたらしく、誰が考えても問題となる方法だった らしい●むしろ江東区の契約方法に従わされた社会福祉法人の方が気の毒ということらしい●もちろん以上は世田谷区側の関係者の話で私がすべて契約書を チェックした訳ではない。だからとりあえずの報告ということである●もし情報があれば私宛にメール下さい。

初日代表質問

●代表質問初日。トップは民主だった。意外とソフトな感じだった。むしろ余裕綽々ということなのだろうか。それに比べて自 民は哀愁漂う感じ、かな●役所の答弁も何となく違うように聞こえたのは錯覚か●とは言え、私たちの“ドル箱スター”小泉議員の代表質問はまたもや傍聴席を 埋め尽くし、溢れんばかりの熱気に包まれて大盛況の中、ある種の感動を伴って終了した●他会派の代表質問者には申し訳ないくらいだ。もちろん内容も言うべきことはちゃんと 言う会派の方針のもとガンガン言ってる●ハッキリ言って壇上では最小(交渉)会派という自覚が私たち3人には微塵もない。代表質問は84万区民を代表する気概 でいつも臨んでいる。3人とも政党には属していないが、常に“区民党”という意識で区役所と対峙している●以上、今日の概況。

2009/09/14

議会内一人相撲家

●議会で一日中話している。今日は3つの会議体でそれぞれ違うテーマについて主張を続けた●その中の一つ。 議会では議会改革の議論を始めようとしているが、その議論の土俵を巡って全会派参加か全議員参加かで別れている●これだけでは何が争点なのかわかりづらい が、たとえば町会運営にあったって一軒一軒誰かが出て話し合うべきか、それとも一軒一軒、家族全員が出席して話し合わなければならないか、というようなも ので、まさに現実性を超えた議論で、それに対して適宜反駁しているわけである●ところが私と同じような考えの議員はどうも議論に乗ってこない●結局、お一人様相撲で ある。最近つくづく感じるのだが、議論に参加しているようで、実際は自分たちの結論だけを主張してオシマイ、というタイプが意外に多いということ●議論とは結 論に至るプロセスを検証しあうことである。結論だけを主張してオシマイでは、それでは議論にはならない●まあいろいろと考察してみると議論以前に会派のメン ツとか既得権のようなもののほうが、純粋な議論より大切という価値観もあるようで、区民から見れば議員なのに議論もできないの?と言いたくなるかもしれな いが、逆に言えば議論できる議員を選びましたか?と問い返したいくらいで、これも立派な民意の結果と承知しつつ議論を吹っかけている●時折、事務方を見て迷惑そうなのかなぁと確かめるが、案外ニコニコしている。しかしニコニコしている時ほど事務方の内心は複雑であることも知っている。

医療限界

●NHKスペシャル「未知の脅威新型ウィルス 日本は耐えられるか」を見た。50分の番組で結局言いたかったのは、感染拡大のスピードを遅らせろ!の一言に尽きる●その具体例として、患者が感染を広げる人数を2%減らせれば、流行のピークである一日76万人の発病を半分の37万人に減らせるという●要するに、外出や他人との接触を控え、マスク、うがい、手洗いのレベルをあげるということ(すでのワクチンは最初の流行10月に間に合わない)●そのことで医療機関の負担を減らすことができ、混乱を防ぐことができる、ということである。
●実は、同じことを8月26日のクローズアップ現代「新型インフルエンザ感染拡大との闘い」では“医療限界"という言葉を使用していた。今回は配慮があってかその言葉は出てこなかった●さらにNHKスペシャルでは「混乱」について明確には述べなかったようだが(映像で見せていた)クローズアップ現代では、「混乱」という言葉について、はっきりと、心臓病等の基礎疾患のある人、妊娠中の人等の重症化の危険性があって早急に治療を受けなければならない人たちが十分な医療を受けられないまま命の危険にさらされる事態にもなりかねない、ということと述べている(両番組とも同じ記者が解説役)●とにかく10月大流行想定に対し、個人レベルで感染を防ぐ、感染を広げないように心掛けるしかない。

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医療限界2

●日本の医療について少しググってみたらOECDの2007年のヘルスデータが出てきた●それによると日本の医師数はOECDの中で少ない。平均以下である。それに対して急性期病床数はトップでダントツである●さらに驚くのは高度・高額医療器機(CTやMRI)の設置数が飛躍的に多いことである(このことを指して日本の医師は患者よりも器機ばかり見ている、という外国の皮肉を聞いたことがある)●医療は医師数だけではなく医療スタッフそして医療器機との総合力であろう。そういうことも含めると「医療限界」というのをどうとらえて良いのか、考えさせられる。

2009/09/13

世田谷区本庁舎等整備審議会の議事録を読む(3)

●事務局が持ち出したのは、「庁舎問題についての区議会の動向」というA4の6ページの資料●会派名と賛成と反対が目立つように書かれて、その横に会派質問の要旨が載っている●反対と記載されているのは、共産党と無党派市民だけであり、他は全部賛成と書かれている(そのように口頭でも説明している)まるで庁舎改築に賛成か反対かに見えるが、実はこの審議会の設置条例に賛成か反対ということであり、改築とは直接関係がない●さらに質問の要旨を見ても、各会派の改築に対しての考え方はわからない。(理屈で言えば区長の諮問が改築ということの是非を審議してほしいという審議会なのだから、その審議会設置条例に賛成するということは改築賛成ということだろう、ということになるが、それも当たらない、なぜなら何をもって改築とするか余りにも漠然としているからである)●審議委員としては、当然、財政的な決定機関である議会の動向は気になるところで、そのあたりを察して、このような資料を作成したのであろう●しかし議会に身を置く者としては、やはり見当違いと言わざるを得ない●資料は議会での本会議での代表質問等を拾い上げているが、この庁舎問題を専門に扱う特別委員会があるのである。そのことについてはまだ触れていない。

2009/09/12

江東区だけの事件か

●昨日の夕方のNHKニュースで世田谷区の社会福祉法人とだけ伝えていて心配していた●実はこの法人、世田谷区とも関連がある。それも現在定員が足りないと云われている保育園事業であり、またその「分園」を展開中である●NHKニュースでは「公金のずさんな管理」としていたが、この記事にあるように「区に返還すべき委託料計約4500万円を誤って契約外である・・・人件費などに充てていた」というが、“誤って"そんなことがあるだろうか●記事全体のトーンからすれば江東区側に過失が大きいようにも受け取れる。とは言え、全額返還したのだからやはり不当な行為であったということである。対岸の火事というわけではないのかも知れない。
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2009/09/11

新型インフルの“常識"も急変か

●午前中、新型インフルエンザの状況についてまとめたと思っていたら(下のブログ記事)、夕刊には今度はタミフルが効かないインフルエンザの、人から人への感染が認められたという●そのコメントにずーっと引用させてもらっている菅谷憲夫医師(けいゆう病院小児科部長)が登場しているが、耐性ウィルスが出てくると、お手上げである●新型インフルエンザ対策が、予防から治療重視に移り、治療段階での早いタミフルの投与で重症化を防ぐというのがWHOの戦略である●言ってみれば、野球で「三球三振で打たせない」作戦から「打たせて取る」という作戦変更である。それには「堅い守り」があればこそ安心ということである●しかしここにきて「堅い守り」があやしい、というのである●ウィルスの変異は人類の想定範囲を超えている。凡人にはただただ耐性ウィルスが蔓延しないことを祈るばかりだ。

新型インフルの“常識”1/9

●9月8日放送のNHK『視点・論点』でのWHO委員でもある菅谷憲夫氏の話は重要だ●結論から言えばタミフル、リレンザ(ノイラミニダーゼ阻害薬というらしい)で早期治療すべし、ということ。
●以下はその内容。


数年で全国民が罹患・発病するのが新型インフルエンザの本質である。
●話によれば、この10月には始まる第一波では国民の20%が発病するといわれている。そして上記のように2〜3年で全国民がかかるという。これには、そう言われてしまえば、わかることかも知れないが、ちょっと驚いた。(みんなかかっちゃうのか、という)

10月に始まるとされている新型インフルエンザの本格的な流行、第一波は6週間から8週間で終息に向かう。11月末で終了する。
●なるほど、いつまでも感染拡大ということではないということ。これも当たり前だが凡人の頭には終息するというイメージがなかなか、なかったからこれも意外。