2021/12/13

決算について余り知られていないこと

 世田谷区の令和2年度の最終決算は4455億円。(ただし新型コロナに伴う給付金や対策費などが国から1100億円ほどの追加分が含まれる。通常決算ベースでは3277億円。)

令和2年度は新型コロナの第1波から第3波の時期にあたり、大混乱の年度であり、保健所業務、またその他あらゆる部署が瀬戸際に立たされた時期である。医療従事者等を除いてワクチン接種も始まっていない頃で、来る日も来る日も新型コロナ対策の年度だった。

ちなみに、令和2年度は総理大臣による緊急事態宣言が出され(4月7日)事実上の非常時の予算であり決算である。

世田谷区では、保坂区長が無症状者に対するPCR検査の取り扱いを誤解し「世田谷モデル」と称し、自己宣伝を兼ねてマスコミに吹聴し、混乱させ散々非難を浴びたことが記憶される。(7月から8月にかけて)

そもそも、無症状者へのPCR検査とは、現在の空港検疫で行われている入国者全員に、まさに症状の有無にかかわらず全員に対して行う意味で有効で、これは入国する以上徹底的にしてもらわないと困る。それでも待機宿泊施設が追いつかないという。水際対策、大丈夫なのだろうか(微妙な言い回しとなるが、自分の状態を知りたい、陰性であることを確かめたい為にPCR検査を自由に受けたいということは十分理解できる。しかし法律上、また公衆安全上、PCR検査は陽性者を隔離・入院させる手段として用いられているので、有症状の陽性者の入院を優先させる(手段としてPCR検査をする)という現実は受け入れるしかない。病院ベッドが有限であるからである。今夏は有症状の陽性者であっても自宅待機という、事実上の医療不足崩壊に達し、世田谷区でも自宅で亡くなった陽性者が発生している。また誤解のないような言い回しになるが、高齢者施設等の人の出入りが管理できる所での感染を防ぐためのPCR検査には反対しない。ただし感染防止目的なら五輪の選手村のように数日に1度とか頻度を高めなければ意味がない点で反対している。保坂区長の政策では高齢者施設は、1ヶ月に1回とかという頻度で、単に保坂区長の“やってる感”の演出に使われていることは明らかであり、その為の増加補正予算には明確に反対している。)

「世田谷モデル」とは、まるで政治体制の異なる国のように、都市を一斉に封鎖して何百万人であっても強制的にPCR検査を受けさせ、一方で隔離病棟を次々に強権のもと建設できる国なら可能かも知れないが、ここは日本である。強制も強権も発動できない。しかもニューヨークを見習えと、実情も知らずに言ったのか?その後のニューヨークは日本より最悪の事態に陥った。米国は日本のように皆保険制度が整備されていない。

できもしないことを平然とマスコミの前で喋る区長に疲れたのか、当時の副区長3人のうち今、2名は区役所を去っている。

そのうち1人はすでに紹介の「世田谷モデルを頻度をあげて(意味のあるやり方で)やったら財政はパンクする」と叫んだ副区長である。

要は令和2年度予算を作成し、執行した区長の補佐役2人が不在のまま決算審査が行われたということ。