2021/06/10

東京五輪は選手にとってフェアか?



●実務面から考えると、JOCも都も国も、平時での五輪を前提に来日する外国選手団等を減らす、とか国会等で説明している。


●選手団を半分にするとか、言っているようだが、それは何を意味するのだろうか。
 

●もちろん、国民の側からすれば、ウイルスは外国から人が運ぶとされているので、その「運ぶ人」が現在のような日本の状況からすれば、少ないに越したことはない。


●しかし、外国から来る選手にすれば、それとは別の大きな問題があると、JOC理事の山口香氏がニューズウィークの日本版のインタビューで答えている。

●出場選手だけでは、十分な練習が大会中できないという点だ。

●柔道にしても、出場はしないけれど練習相手になる人材は必要で、いなければエアー柔道練習になる。集団競技でも2軍を相手に試合をしなければ実戦に使えないし、選手の状況を直前につかめない。あるいはメンタル面を担うコーチが絶対必要な選手もいるかもしれない。

●が、コロナ対応で、国会等で追及されると、来日選手団をバッさバッさ切って、これで大丈夫だと。

●山口香氏が言いたいのは、これでは十分な練習ができる日本選手のアドバンテージがあまりにも大きすぎる、という指摘である。

●ここからは私の想像だが、オリンピックはわずかな差を詰めて詰めて金メダルを目指す競技だろう。

●選手だけ来ればオリンピックは開催できても、その選手がベストを出せるようにしなければ、開催国として失敗ではなかろうか。

●「日本の選手は本番直前まで練習相手と調整していたが、私は入国規制で練習相手が来れずに、練習できなかった。こんな最悪な大会はなかった。」などと言われないだろうか。いやそういう声は上がるだろう。

●だから五輪はこの状態で行うのは無理だと。従来通りのフルの選手団の入国では、日本としては感染爆発の危険性があるだろうし、では選手団を半分にすれば、外国選手の競技練度が落ち、日本人が有利になる。後味の悪い五輪となって、日本の評判も落ちる。