2019/11/20

エアビーの照準





●エアビーとは、民泊紹介会社で、シェアリング・エコノミーの代表的な存在。10年前くらいに出来た米国の会社で、記事によれば、世界で700万部屋もの貸し借りをしているとのこと。

●日本風に言えば、短期の貸し部屋斡旋業であり、「空いている部屋ありませんか」、と「泊まるとこ探していませんか」、をつなぐ事業体だろうか。

●ドラえもん風に言えば、「どこでも民泊」を可能にしている本家本元というところ。

●先ごろのラグビーワールドカップにおいても、地方開催に際しては、そもそも宿泊施設が会場近くになかったことからこの「どこでも民泊」が大活躍したという。

●地方で大きなコンサートやスポーツ大会があると、チケット購入と宿の確保は同時に行われる。

●東京近郊にいると、終電や深夜タクシーの心配はしても宿の確保までは思わない。それだけ便利な地理的特性を持っている。

●故に、東京の住宅街はエアビー並びに民泊の最大のマーケットになる可能性が大きい。

●民泊は家庭的な視野で見ると、いいことづくめであろう。空きスペースが価値を生むのである。また人好き、交流好き人間にとっては、新たな出会いや、ちょっとした触れ合いも期待できるかも知れない。

●ただし、世界的に大成長しているGAFAに続く事業体というのは、サービスを利用する側にとってはホントに便利の極みだが、そのサービスを提供する側は、凄まじいほどの競争原理が課されていることを忘れてはなるまい。

●一方で、民泊は静音な住宅環境からすれば、少なくともプラス面は見出し難い。せめてマイナスにならなければ、という程度であろう。

●仮に波及的な効果として、住宅街の一部に市場原理が露骨に入ってくることで、日本人の価値尺度としての土地神話が、国際的な価値基準にさらされることがありうるかも知れない。

●結果は10年後、20年後にわかるかも知れない。ただしオリンピックの最上位スポンサーになったことで、東京はエアビーにロックオンされたことは事実である。