2019/09/18

都市は便利だけど「災害弱者」

新聞ニュースは、その結論に踏み込んだものが少ない。

情報は増えても、それでは意味が伝わらない

コラム「風知草」がそこをクリアにしている。

福島第一原発の処理水のタンクがいっぱいになっている問題である。


結論として、いずれ処理水の海洋放出はさけられない、とし、原発政策をやめる覚悟を明確にせよと。

一方で、台風15号の影響で、千葉では大変な生活を強いられている。もはや電気のない生活は、酷暑・猛暑・炎暑や非情の風雨の中では原始人並みのQOLに急降下。


千葉に自宅のある江東区の副区長が都政新報に、今回の被害に際しての想像力の欠如を嘆く手記を寄せている。

首都直下地震という大災害が来ると言われているのに、「電柱が倒れたら停電」という可能性を素直に連想できない。正常性バイアスなのだろうか。

なってみて初めて知る、というのはどこかの区長の特徴だと思っていたが案外、千葉県なども同じなのかも知れない。

災害→停電→断水→トイレ使用不可(都市機能ストップ)→3日間〜1週間自分たちで生き延びる。あの「東京防災」にも停電の先が書かれていないと副区長氏は嘆く。



さらに江東区は東京の江東5区(墨田区、江東区、足立区、葛飾区、江戸川区)に位置し、昨年8月22日の東京新聞によれば西日本豪雨を受けて、(この地域は海面より地面が低いので)隅田川や江戸川の氾濫に備え、ハザードマップを作成し、最悪の場合、250万人の避難しなければならないと想定している。

まさに「どこに逃げれば…」である。このクラスの水害の場合、隣県の千葉県は「通常営業」ということは考えにくい。千葉県どころか四方八方、「異常事態」である。

そして最初の問題に戻ると日本は原発政策を破棄しなければならない。(廃炉にしても大変な時間がかかる)

加えて言えば、現在世田谷区の人口は91万人を超えている。100万都市を何のためらいもなく、保坂区長は期待している。(日本の人口減は世田谷区では感じられない)

首都直下、水害、台風、いづれの災害に対しても、インフラの老朽化、脆弱化は避けられない。個人宅は阪神大震災から四半世紀たって、老朽化家屋は相当減っているが、インフラは昭和の高度成長の時から止まっている。

もちろん災害の大きさにもよるだろうが、最低でも3日間
自分たちで生き延びる努力とか言われているが、ひょっとしたら30日くらい、誰も来ないかもしれない。あるいは30日くらいたったら誰か来るかもしれない。

発電の問題、電気に依存している都市生活、老朽化した見えにくいインフラ。個人宅は新築されても、冬に10センチの雪が積もれば、「都市機能マヒ」という新聞タイトルは首都圏では常套句となっている。

今回の代表質問でも、世田谷区に住もうとしている人たちは災害→停電→断水→トイレ使用不可、という可能性を知っているのか、老朽化した船に人を多数乗せることは問題ではないか、そういうことを述べた。

災害に備えて、食料・水等、人間に「入るもの」の確保は重要だが、「出るもの」についても想像力を働かせなければならない。ビロウな問題はなかなか公開の場では話されない。