この本は、まさに失敗の教訓が満載だ。その一つがマージナルゲイン
(小さな改善)というアプローチだが。
例えば、貧困のテーマとしてアフリカの問題がある。(著者は英国人)
具体的には、アフリカの貧困地域に『教科書を無料配布するプログラ
ム』は学力向上に効果があるのかどうか検証した話が出てくる。過去
の観測データでは、教科書を無料配布した学校には、テスト成績向上
の傾向が見られた。
ただし、今回の検証は、同じ地域での使用前・使用後というものでは
なく、アフリカの学校を2つのグループにランダムに分けて、一方の
グループには無料配布の教科書を配り、もう一方には配らなかった。
その結果は、成績の差はなかった、つまり無料配布の効果は見られな
かった。
なぜか?
それは教科書が英語で書かれていたからで、貧しい子どもたちの大半は
アフリカの首都圏から遠い地域に住んでいたために、英語は第三言語で、
そもそも内容を理解しづらかったという、オチ?だった。
しかし、こういう検証がなければ、読まれない教科書を永遠に無料配布
していた可能性があるので、貴重である。
世田谷区もこれだけ広くて、人口も多いので、グループ分けの検証を積極
的にやって行くべきである。
