安倍政権の財務省の口を封じて、日銀にジャンジャン国債を買わせて、という政策も、結局は不発に終わった。
12日の日経新聞では、ついに、「財務省を信じない首相」、とまで一面に書いている。
そのことは別面で、安倍政権は国としての「財政健全化計画」を事実上、勝手に変えて、1000兆円にも達する「国の借金」に責任を負わない政策に踏み切ろうとしていることを伝えている。
また別面では、メガバンクのトップが日本の国債は、かつてのような安全性はなくなったので、購入も長期保有も控える旨の発言を載せている。(これは大変なことである)
「財政健全化計画」とは、1000兆円を超える借金に目処を付け、後世代へのツケを少なくする、歳出カットの計画である。
安倍政権とすれば、社会保障費を削ることに耐えられなくなった、ということでもあろう。要するに、人気のない政策なんて嫌だ、消費税だって1回上げれば内閣の仕事としては十分だと思っているらしい。(山口敬之著「総理」によれば)
日経新聞は、歳出カットの原典である「財政健全化計画」をもっとゆるーく改正して、財政規律を棚上げにしていいですか?を問うのが年明け解散の一つの目的だと書いている。
確かに、選挙で勝利すれば、安倍政権のやろうとしていることを承認したことになるかも知れない。
しかし、先進国の中で突出している「国の借金」が、いつまでも世界経済の中で「特別扱い」さるわけがない。
ここまでの日経の警告は、これまで黙らされてきた財務省あたりの「後ろ盾」がなければ書けないことだろう。