2012/06/28

言い逃れの果ての袋小路

 つまるところ東京都は世田谷区にダマされたと言っている。ダマされたからカネ返せと。
 東京都の「訴え」によれば、区の事業者選定及び管理監督が不適切かつ不十分だったから、今回の問題が起きたのであって、世田谷区に責任がある、という主張である。
 これに対して、区側は責任の所在を曖昧にし続けている。だから都もしびれを切らしたのだろう。議会に対しても、区側は不適切であっても不十分であっても一生懸命やっていたのだから・・・といった調子で責任の所在を明確にしない。すなわち抽象的には不適切さを認めても、具体的には担当者は一生懸命やってたのだから、とはぐらかしているのだ。
 議会追及においてはまず責任者の特定が出来なければ、事実解明が先に進まない、という手順がある。
 しかし東京都とすれば責任者の特定も事実解明にも関心がない。単に会計上の違反かどうかで動いている。世田谷区が抽象的にでも不適切さを認めた段階で、区の責任だから東京都が出した補助金を返せと言えるわけである。
 今回の東京都の動きは区のいい加減な対応にクギを刺すことになりそうだ。