2010/09/02

菅氏の意外な脆さ

■ここまで亀裂があるなら、“選挙が終わったらお互い協力して”などということは不可能である。(左は夜のNHKニュース映像から菅首相は小沢氏に向かって「カネと数をあまりにも重視する政治こそ古い政治だ、小沢氏の政治のあり方は資金的な強さ 仲間の多さというカネと数の論理が色濃くあるのは私だけが感じていることではないのではないか」と述べた)■要するに小沢氏の実践している“民主主義”を否定したのである。選挙序盤戦でこれではもはや不倶戴天の争いでしかない■今月号の雑誌「選択」のコラムによれば菅氏についてある先輩政治家が十年以上も前に以下のように忠告した話が載っている「君の恰好よさに憧れて、君のところにいった若者が、君のところに長続きしないという話をよく聞く 〈略〉 君の性格には「自分のことしか考えない」というところがあって心配だ」■これに類する話はよく聞くし、“イラ菅”などの俗称も、これに通じる話なのだろう。同じコラム子は次のようにも書いている「歴代の自民党首相が有能な側近を育てるため、いかに苦心したかを鳩山、菅は知らないはずはないが、二人とも「自分のことしか考えていなかった」・・・」(以上選択9月号「総理大臣の条件」より)■民主主義は人を育てる競争でもある■小沢氏は人を育てているのか、カネの力で従えているのではないか、と「自分のことしか考えない」菅氏が問うている■改めてコラムを振り返れば「君の恰好よさに憧れて、君のところにいった若者が、君のところに長続きしないという話をよく聞く」さあ新人票がカギと言われているが、あと12日、“長続き”するのだろうか■菅氏の敵は小沢氏ではないのかも知れない。相手を叩くよりも、もっと重要な戦略を見逃している場合が往々にしてある■もちろん選挙に参加できない一般国民としてのやじうま評であるが。