2018/08/22

愚行の当事者としての今

小さい頃から、戦争の話は聞かされていた。率直に、なんと愚かなことを、当時(戦前・戦時中)はしていたのだろう、と義憤を感じ、また批判する側に自分はいると信じていた。

しかし、首都直下や、下の記事を前にして、十分予測できていたのに、何で何もしなかったの?と問われる立場にある。

すでに戦後において、原発事故という大失策を犯している日本。個人的には世田谷区における首都直下の問題を最上位において、少しでも被害を少なくしようと努めているが現在の区長の理解はあまりにも速度が違うので大変である。

そのことが、まさに後世の人々に何で、あんな愚かな判断しかできなかったのか、言われる立場と瓜二つである。

他区ではあるが、250万人?どうするの?わかっていたけど、できなかった。そんな雰囲気ではなかった。等々、戦後になって同じ言葉を聞いたはずである。

世田谷区は首都直下どうする?

批判は簡単、しかし「自分ごと」と考えるのは、次元が違うことに、歯がゆい思いがある。




『「お金がない」に騙されるな』に騙されるな!

8月22日朝日夕刊の社会学者の岸彦氏のコラム(?)にはビックリした。諧謔を弄したつもりかも知れないが、作家としても著名な人物が、こんなことを言ってしまって、どうすんの?

「私がぼんやり考えていることも、間違いが含まれているだろう」「繰り返すが、私は難しいことはわからない」と予防線を張って、際どいことを言うのは学者さんとしてどうなのだろう。

特に最後の「みんな気をつけよう。私たちは、騙されてるだけかもしれないのだ。ほんとは財政を緊縮させなくてもいいのに、そっちのほうが都合がいいから、そう思わされてるだけなのかもしれないよ。」という子供っぽい言い方が、「ハーメルンの笛吹き男」のようで、もはやホラー。

いったい、どこの政府が「緊縮財政政策」をしているのだろうか。日本は現在、放漫財政の真っ只中にいる。

7月31日の日経「大機小機」によれば、「政府は今年の骨太方針で、民主党政権以来掲げてきた『基礎的財政収支の2020年度黒字化』という財政健全化目標の旗を降ろした」とあるように、財政緊縮など事実誤認もいいとこだ。

このコラム(?)を読んで、一番喜ぶのは安倍首相だろう。まさに「我が意得たり」と。「お金がないに騙されるな」と一番最初に叫んだのは誰あろう、総理大臣に、決まっている。

異次元の金融緩和を進める一方で、「国の借金」という毎年恒例の記事が最近、ほとんど見かけなくなったのも、マスコミの忖度か?

ゼロ金利政策というのも、もはや最低限の資本主義の国家運営の術ではない。この社会学者に問いたい。「お金がないに騙されるな」というなら、可能な限り個人的に大借金をしてみればいい。実質金利は史上最低水準である。社会学者としてまさにフィールドワークの当事者となって、「こんなに楽しい借金ライフ」を実践して欲しいものである。

お金がないことを理由に、権力を振るっている人がいるとすれば少なくとも地方自治を誤解しているとしか、言いようがない。