2018/07/04

利上げなら銀行打撃


安倍政権の、形式的には「丁寧な説明を」と言いながら、肝心の問題で「真相」を語らない。このことはモリカケ問題に限らない。

まさに経済政策も、ほとんど「麻薬経済」。有権者に痛みを感じさせないだけで、カーナビの表示は「経済地獄」に向かっている。

日銀審議委員の「経営が苦しいのは借りる人がいないからだ」には驚く。というより、「真相」の断片を語ってしまったのだろう。


「税と社会保障の一体改革」は?経済は嘘をつかない。もはや一体改革は不可能である。社会保障の新たな制度設計をやれる、野党も見つからない。

社会保障の現場は地方自治体である。ここ数年の首相夫妻による「首相夫妻ごっこ」に費やされた国の時間はまことに悔いが残る。








「魔女狩り」の結果


目黒女児虐待死事件で、6月19日の都政新報がコラムが、ある警鐘を鳴らしている。

亡くなった女児の無念、哀しさ、さらには聡明な頭脳であったろう未来を、奪った「失点」に、世間のバッシングが集中した。

このことに対して、コラムではイギリスで、11年前に同じようなことが起こり、英国の児童相談所の職員(正確にはソーシャルワーカーと児童安全委員会の委員長)が槍玉にあがり、英国紙はこぞって、この二人を非難し、解雇を求める署名運動を行い、160万筆を集めた、という。

その結果、何が起こったか?待っていたのはソーシャルワーカーの大量辞職だった。(それが「魔女狩り」の結果である)

現場の苦労も知らずに、世間が一方的に責めたてるのであれば、こんな仕事はやってられない、という大量辞職である。

この話の、詳細が載っているのが前回取り上げた「失敗の科学」(著マシュー・サイド)である。

公務員には様々な職種がある。社会的弱者と向き合い、悲劇的な場面に遭遇する仕事もある。その一つ一つを区民が知るわけではない。

現在、世田谷区は、世田谷区立の児童相談所を作ろうとしている。虐待とは何か、暴力とは何か、あらためて子どもの置かれている状況を身近で大人が認識することは必要な世の中になっている。