2011/02/19
議会は いらない? について一議員の立場から その3
■朝日の調査によると、議員1人あたりの住民数は市区では世田谷区が一番ということである。これは議員の数が少ない、スリム議会ということである■さらに世田谷区では昨年に議員定数を削減したので今春の統一選後には定数50となり、もっとスリム化される■それでも区民によっては50人でも多すぎるとの意見を少なからず耳にする■もちろんその背景には議会なんて入らないという思いも働いているのかも知れない■また大選挙区制ということも区民からすれば理解しがたいのかも知れない■例えば政令指定都市のように世田谷区内を5つの中選挙区に分ければ一つの選挙区の定員は10名ということになるのだが・・・■一方で昨年の議員定数削減に反対する会派の意見として、議員数を減らせば多様な民意の吸収が阻害されるという考え方があった。一面の真実であるとしても現実的には入口の議論でしかない■議員定数を増大させても大会派が増大するだけであり、議員1人の権限は縮小し、仮に多様な民意を吸収できてもどこかの会派に属さない限り意見の表明さえ困難になる(極端な例で言えば定数50の時の一人会派の権限や発言権は定数100となると二人会派にならないと維持できない。しかも二人の意見のうちどちらの意見に集約するかで残された意見は後回しになる)■現在の世田谷区議会では議員定数を削減する度に一人会派は増大する傾向にある。非交渉会派の議員数は11人で全体の2割を超えている■では、どこまでスリム化すれば良いのかというと、誰にもわからない。(定数50から半減の25という極端な考え方もあり、そうすれば一人会派の権限は倍増するはずだが、今度はそれ以前にそもそも一人会派が当選するかという問題も出てくる。定数が極端に減ると組織選挙でしか勝てない。都議選が顕著な例で世田谷選挙区からは組織のバックがない議員は当選していない)削減案の一つの裏付けとして、過去に世田谷区議会としてその数でやったことがある、という経験も重要な参考要素である。それは死亡や議員辞職、或いは都議選への立候補等で欠員が生じたまま世田谷区議会が続く場合の経験をさすが、極端に支障が起きていなかったというものである■もっとも数だけの問題ではなく、たった1人の議員の不祥事で議会機能が低下することもあれば、頑迷な古参議員が大会派にいるために動かないということもあり、人的資質の問題は各議会様々な状況もあり、同じ人口で同じ議員定数の議会であっても全く異なるから数だけの問題ではないことは明らかである■朝日の特集のなかでも触れていたが今後、民意の吸収という役割は住民投票やインターネット環境での意見の集約等がクローズアップされてくることは間違いない。