2009/12/07

国家の誕生

■NHKで「坂の上の雲」が始まった。本作品は司馬遼太郎氏の遺言で映像化は不可ということだったが遺族の了解を経てようやくテレビドラマ化に至ったという■軍人なり軍隊は最も“見栄えのする”領域である。司馬氏はその映像による“拡大する印象”を警戒したのだろう■それはさておき、初回の冒頭、「まことに小さな国が・・・」というナレーションで始まり「明治維新によって日本人は初めて近代的な国家というものを持った。誰もが国民になった」と続くが、この近代国家の誕生こそが・・・税金の発生であり、私有地(所有権)の発生である(他にもいっぱいあるが)■物語は日露戦争というとてつもない費用(戦費)のかかる大事業に向かっていく。その財政的な側面については触れていない。しかしすべての出来事は税金の発生によって実現されていく■手元にある文庫本は社会人になりたての頃に読んだもので四半世紀以上たっている。改めて眺めてみると全く違う観点から疑問はつきない。