2018/11/19

ホボホボは、どっちでもいい?

「結婚は判断力の欠如、離婚は忍耐力の欠如、再婚は記憶力の欠如」という仏作家の至言があるが・・・。

まあ、「結婚」に例えるには無理があるけど。今更ながら「忍耐力の欠如の記憶」の「欠如」なのだろう。

「忍耐力の欠如」は、2016年6月に行われた英国のEU離脱の国民投票結果で発生。離脱賛成52パーセント、離脱反対48パーセント。

確かに「記憶」に残りにくい。いまどきなら「ホボホボ」。

今となってやっぱり離脱はいやだ!というのは国民投票の“過半数成立”というのが、判断基準として持続性がない証拠ではないのか。




2018/10/22

公立中学校のあるべき方向

●塾が“必需品”のような義務教育(公立小中学校)は、当たり前だろうか?

●ちょっと、イイ大学に入るためには、塾に通って、付属中学や付属高校に入るか、予備校に通って大学受験、というのが通り相場である。

●10月の決算委員会で、会派としてのテーマは主に教育問題に力点を置いた(つもり)。すなわち暴力の排除と教員レベルの可能性だった。

●そんな中で、取り上げた、千代田区立麹町中学校の校長、工藤勇一氏の取り組みは、昨今“ブーム”にさえなっている。

●宿題は出さない、感想文は書かせない、修学旅行は自分たちで提案し実証する、等々。

●要は、自分で考え、稼げる人間になること。さらに大人になるって素晴らしいってことを体感させること、と勝手に解釈した。

●しかも、塾など必要としない、高度な受験教育も公立でやってくれる、というのだから、保護者の負担も減る。

●恐らく、学級式の授業など、時代遅れであり、いわゆる教師の役割は、生徒一人一人のパーソナル・トレーナー的なものが求められるのだろう。

●その萌芽が、麹町中学には見られる。

以下、昨今の都政新報での記事、また朝日新聞でも20日から連載が始まった。










2018/08/22

愚行の当事者としての今

小さい頃から、戦争の話は聞かされていた。率直に、なんと愚かなことを、当時(戦前・戦時中)はしていたのだろう、と義憤を感じ、また批判する側に自分はいると信じていた。

しかし、首都直下や、下の記事を前にして、十分予測できていたのに、何で何もしなかったの?と問われる立場にある。

すでに戦後において、原発事故という大失策を犯している日本。個人的には世田谷区における首都直下の問題を最上位において、少しでも被害を少なくしようと努めているが現在の区長の理解はあまりにも速度が違うので大変である。

そのことが、まさに後世の人々に何で、あんな愚かな判断しかできなかったのか、言われる立場と瓜二つである。

他区ではあるが、250万人?どうするの?わかっていたけど、できなかった。そんな雰囲気ではなかった。等々、戦後になって同じ言葉を聞いたはずである。

世田谷区は首都直下どうする?

批判は簡単、しかし「自分ごと」と考えるのは、次元が違うことに、歯がゆい思いがある。




『「お金がない」に騙されるな』に騙されるな!

8月22日朝日夕刊の社会学者の岸彦氏のコラム(?)にはビックリした。諧謔を弄したつもりかも知れないが、作家としても著名な人物が、こんなことを言ってしまって、どうすんの?

「私がぼんやり考えていることも、間違いが含まれているだろう」「繰り返すが、私は難しいことはわからない」と予防線を張って、際どいことを言うのは学者さんとしてどうなのだろう。

特に最後の「みんな気をつけよう。私たちは、騙されてるだけかもしれないのだ。ほんとは財政を緊縮させなくてもいいのに、そっちのほうが都合がいいから、そう思わされてるだけなのかもしれないよ。」という子供っぽい言い方が、「ハーメルンの笛吹き男」のようで、もはやホラー。

いったい、どこの政府が「緊縮財政政策」をしているのだろうか。日本は現在、放漫財政の真っ只中にいる。

7月31日の日経「大機小機」によれば、「政府は今年の骨太方針で、民主党政権以来掲げてきた『基礎的財政収支の2020年度黒字化』という財政健全化目標の旗を降ろした」とあるように、財政緊縮など事実誤認もいいとこだ。

このコラム(?)を読んで、一番喜ぶのは安倍首相だろう。まさに「我が意得たり」と。「お金がないに騙されるな」と一番最初に叫んだのは誰あろう、総理大臣に、決まっている。

異次元の金融緩和を進める一方で、「国の借金」という毎年恒例の記事が最近、ほとんど見かけなくなったのも、マスコミの忖度か?

ゼロ金利政策というのも、もはや最低限の資本主義の国家運営の術ではない。この社会学者に問いたい。「お金がないに騙されるな」というなら、可能な限り個人的に大借金をしてみればいい。実質金利は史上最低水準である。社会学者としてまさにフィールドワークの当事者となって、「こんなに楽しい借金ライフ」を実践して欲しいものである。

お金がないことを理由に、権力を振るっている人がいるとすれば少なくとも地方自治を誤解しているとしか、言いようがない。




2018/07/04

利上げなら銀行打撃


安倍政権の、形式的には「丁寧な説明を」と言いながら、肝心の問題で「真相」を語らない。このことはモリカケ問題に限らない。

まさに経済政策も、ほとんど「麻薬経済」。有権者に痛みを感じさせないだけで、カーナビの表示は「経済地獄」に向かっている。

日銀審議委員の「経営が苦しいのは借りる人がいないからだ」には驚く。というより、「真相」の断片を語ってしまったのだろう。


「税と社会保障の一体改革」は?経済は嘘をつかない。もはや一体改革は不可能である。社会保障の新たな制度設計をやれる、野党も見つからない。

社会保障の現場は地方自治体である。ここ数年の首相夫妻による「首相夫妻ごっこ」に費やされた国の時間はまことに悔いが残る。








「魔女狩り」の結果


目黒女児虐待死事件で、6月19日の都政新報がコラムが、ある警鐘を鳴らしている。

亡くなった女児の無念、哀しさ、さらには聡明な頭脳であったろう未来を、奪った「失点」に、世間のバッシングが集中した。

このことに対して、コラムではイギリスで、11年前に同じようなことが起こり、英国の児童相談所の職員(正確にはソーシャルワーカーと児童安全委員会の委員長)が槍玉にあがり、英国紙はこぞって、この二人を非難し、解雇を求める署名運動を行い、160万筆を集めた、という。

その結果、何が起こったか?待っていたのはソーシャルワーカーの大量辞職だった。(それが「魔女狩り」の結果である)

現場の苦労も知らずに、世間が一方的に責めたてるのであれば、こんな仕事はやってられない、という大量辞職である。

この話の、詳細が載っているのが前回取り上げた「失敗の科学」(著マシュー・サイド)である。

公務員には様々な職種がある。社会的弱者と向き合い、悲劇的な場面に遭遇する仕事もある。その一つ一つを区民が知るわけではない。

現在、世田谷区は、世田谷区立の児童相談所を作ろうとしている。虐待とは何か、暴力とは何か、あらためて子どもの置かれている状況を身近で大人が認識することは必要な世の中になっている。






2018/06/28

失敗の科学


この本は、まさに失敗の教訓が満載だ。その一つがマージナルゲイン(小さな改善)というアプローチだが。

例えば、貧困のテーマとしてアフリカの問題がある。(著者は英国人)具体的には、アフリカの貧困地域に『教科書を無料配布するプログラム』は学力向上に効果があるのかどうか検証した話が出てくる。過去の観測データでは、教科書を無料配布した学校には、テスト成績向上の傾向が見られた。

ただし、今回の検証は、同じ地域での使用前・使用後というものではなく、アフリカの学校を2つのグループにランダムに分けて、一方のグループには無料配布の教科書を配り、もう一方には配らなかった。

その結果は、成績の差はなかった、つまり無料配布の効果は見られなかった。

なぜか?

それは教科書が英語で書かれていたからで、貧しい子どもたちの大半はアフリカの首都圏から遠い地域に住んでいたために、英語は第三言語で、そもそも内容を理解しづらかったという、オチ?だった。

しかし、こういう検証がなければ、読まれない教科書を永遠に無料配布していた可能性があるので、貴重である。

世田谷区もこれだけ広くて、人口も多いので、グループ分けの検証を積極的にやって行くべきである。









2018/06/27

教育虐待と「七褒め三叱り」


「教育虐待」という言葉が新聞に載った。(6月27日朝日新聞)この言葉は前々回触れた「ルポ児童相談所」(著大久保真紀)で初めて知った。

一部を引用すると、

一流大学を迫る教育虐待

「しっかり勉強しろ!!」
保護者からそう言われ、参考書で頭をバンバンたたかれた高校生が、学校で先生に助けを求めた。連絡を受けた児童相談所のワーカーが、高校に趣き、本人に話を聞くと、保護者が一流大学に行くように執拗に迫ってくるという。児童相談所は心理的、身体的虐待に当たると判断、すぐに一時保護した。(引用ここまで)

えっ、高校生まで、と思ったが、ここで取り上げているのは様々な事情を抱えている場合が多いので、年齢は別にする。

よく云われる「あなたのためだから」症候群である。

先日行われたシンポジウムでも、「体罰という言葉は、ごまかしにすぎない。体罰と言うから紛らわしい、暴行と言うのが正しい」という趣旨の発言があった。

ましてや、心理的に追い込むことも虐待となると、範囲は広がる。

では、予防注射は?となり(もちろん健康のためであり虐待でない)、心理的には秋田の「なまはげ」は伝承芸能なのか??また全国にある「泣き相撲」は?

ともあれ、親が子どもに言うことをきかす為に「またお医者さんに注射してもらうよ」とか言う場面はある。あるいは手は出さないものの、怒鳴る場合もある。

しかし、今の時代、怖がらせることを持って、子どもに何かをさせるのはNG。

昔から言うように、「七褒め三叱り」が王道であり、叱り方こそ大人の知恵の働きどころだろう。

褒めるにしても、叱るにしても、子どもを対等の目線で観察しなければできないことである。それが親であろうとなかろうと。そこには「しつけ」という考え方は存在しない。















2018/06/26

このアンケート調査、全部の小五には無理じゃないの?

何だろうな。子ども・若者部(区の組織)から情報提供があった。明日以降、「子どもの生活実態調査」を行うという。

その質問票が手元にあり、マジマジと見てみた。小学5年生と中学2年生の全世帯に送付するといいう。

とりあえず簡単に云えば、小学5年生向けの質問票を見た結果、どうなんだこれは?と感じてならない。

上掲はその質問票の最初のページ。これが15ページまである。質問項目は45問である。

いくら私が老化したとは云え、45問はきついのではなかろうか。ざっと数えて「おねがい」と質問部分だけで、約4千字もある。(漢字は一字として換算)

回答部分の文章を含めると1万字近くなるだろうか。マジメに読んで回答すると、小一時間は掛かる。

何のモチベーションも無く(目的として“世田谷区の子どもたちが、“いきいきわくわくするまち”にするためにということが書かれているけど)、そもそも45問に答えることに耐えられるだろうか。

私の場合、いくら小学5年生を想像しても、数問で飽きた。

もちろん、子ども・若者部が尋ねたい意図はわかる。しかしこれでは、回答者(小学校5年生)の心理は、圧倒的に無視されている。

まさにこういうのが「お役所的」というか、「公務員のおごり」である。

問題はこれがアンケート調査であること。この調査結果が世田谷区の政策に影響を与えることである。

手続き的には、瑕疵がないとしても、実際、小学校5年生のどれだけの回答があるか、である。

冷静に約4千字の質問をこなす読解力がある子ども以外は、まず回答の精度は信用できるのか。

私ですら(何の基準になるのか不明だが)途中でひどく面倒くさいと投げ出したいと思う。

それでなくとも45問というのは、欲張り過ぎるだろう。

役所として、いろいろと聞きたい(アンケートしたい)というのはわかる。しかし、小五にソッポを向かれたらアンケートの信頼性に疑義を生じかねない。

百歩譲って、小五の中からのSOSを探ることが第二目的としても、45問のプロセスでたどり着くだろうか。


児童相談所の移管or設置?


目黒の5歳女児虐待死の事件以来、「児童相談所」の問題がクローズアップされている。

気づかれた人もいると思うが、目黒区で起きた事件は「品川児童相談所」が担当。

「児童相談所」は、東京都に11カ所しかない。従って複数の市区町にまたがっている。


ちなみに世田谷区は狛江市と一緒で「都立世田谷児童相談所」の管轄である。世田谷区の施設ではない。

“目黒事件”を受けて、「児童相談所」強化の声が強まっている。そこには問題がある。

現在、「児童相談所」は都立である(上表)。東京都福祉保健局が仕切っている。

90万人口の世田谷区で、「児童相談所」のような重要施設の権限を、都まかせでよいのだろうか?

例えば、親の意に反して子どもを一時保護(親子分離のこと、ただし2ヶ月内)の職権は「児童相談所」すなわち都・福祉保健局が握っている。世田谷区にはない。

世田谷区では、東京都の「児童相談所」権限の移管をすすめている。やはり地元のことは地元でやった方が、子どもたちの最善の利益が確保されるだろうということである。

虐待は虐待を生み、やがては社会全体を傷つける可能性がある。決して他人事ではない。「万引き家族」周辺だけで完結する話しではない。絆があろうがなかろうが、社会は繋がっている。だから虐待の芽を摘む必要がある。だから暴力の芽を積む必要がある。

児童虐待を始めとする子どもを取り巻く問題は、増加の一途である。職員数、分けても専門職である児童心理司、児童福祉司の増員は急務である。

「児童相談所」の今後は

・職員増+東京都がやり続ける
 
・世田谷区がやる(必然的に職員数は増+きめ細やか迅速)

という岐路に立たされている。東京都が納得し移管すれば話は早いが、頑として権限を手放さない場合、世田谷区長が設置に動くか、政治決断となろう。

念のため、世田谷区がやる場合、親子分離の一時保護所や児童養護施設は、23区内その他の自治体との協定で、広域分散となり、誰がどこにと、すぐわかってしまうことはない。

その他財源の関係もあるが、これはまた別の機会に。

世田谷区は未だに「地方公共団体団体」ではありません。それどころか2000年(平成12年)までは東京都の「内部団体」でした。区議会すら擬似的会議体と東京都の役人に言われたらこともあります。現在、23区は「特別地方自治体」という位置付け。

一番上に載せた「ルポ児童相談所」は最新の情報書であり、手続き論のみに囚われていては何も良くならない、ことがわかる。このことについてはまた。



役人と役者の間


日本の金融はどうなっているのか。アベノミクスも、モリカケ問題同様、日銀役人は何でもやるのだ。

しかし、じっくり考えてみれば、小手先の禁じ手であることがわかる。

首相の身内の失敗も、経済政策の失敗も、無かったごとく取り繕わなくてはならない、今の役人稼業。

取り繕うことが役人の目的化しているとすれば、それは能力の無駄使いだろう。

「税金の無駄使い」の背後には必ず「役人の能力の無駄使い」がある。







「子どもへの体罰・暴力を考えるシンポジウム」北沢タウンホール会議室


6月24日北沢タウンホールの会議室において、「子どもへの体罰・暴力を考えるシンポジウム」が開かれた


田中優子・世田谷区議が実行委員会形式で開いた会で、当日は70席が満杯になるほどの盛況だった。

折からの世情を震撼させる「虐待死」事件が報道され、関心も高いのだろう。

私も微力ながらスタッフとして参加した。全体で1時間半にも及ぶ各委員の考察には、あらためて考えさせることが多かった。

6月21日毎日新聞夕刊には「長靴下のピッピ」などで知られるスウェーデンのアストリッド・リンドグレーが「子どものしつけには暴力は不要」「物事を解決するには暴力以外の別の方法があることを、私たちはまず自分の家庭で、お手本として示さなくてはならないのです」と載っている。

会場では「体罰」という言葉こそ欺瞞であり、「暴力」と言いなおすべきとの意見もあり、ごもっともと思った。

スポーツ業界においても、体罰なる暴力が何の効果もあげていないことは確立されたエビデンスである。




映画「万引き家族」を素人が語ってみる


外国映画祭で最高賞をとったこともあり、事前情報(内容)をある程度知らされていたが、上映2時間は、あっと云う間に過ぎた。

ただし、児童虐待の描き方は、公開直前に報道された「目黒5歳女児虐待死」事件には、かなわない。

以下、素人が感想をつぶやいてみる。

きっかけは、作品がパルムドールをとったから。たぶん、すごいなぁといった角度から簡単に乗せられた口。

しかし「万引き家族」という邦題から、挑戦的な仕掛けが内包されている。

「万引き家族」の英語表記はShopliftersフランス(審査員側)では家族という感覚がどうあるのか、不明。

映画評では、ことさら「擬似家族」とか反射ワードが放たれていたが、それって監督に乗せられている感じ。

「万引き家族」には「暴力」が見えない。

映画の面白さは、ありえないことを前提なしで、やってのけることに、ある。(たぶん「虚構」という部分だ)

「万引き家族」の「虚構」はどこに隠されているのか。

「暴力の排除」であろう。少なくとも「万引き家族」の内部での暴力は、その気配さえ微塵もない。(1回しか観ていないので記憶は定かではないが)

「貧困」と「触法」と「違法」に囲まれて、「小さな良心」が「大人の都合」をぶっ壊せない。

どう見ても、リリー・フランキーなんて、(これはあくまでも役柄のこと!)子どもに暴力で悪事を教えている役だろう。

リリー・フランキー、安藤サクラ、樹木希林、プラス子役とくれば、役者の実力で、ほぼ成立する映画だ。特に、安藤サクラは「百円の恋」での圧倒的な演技が忘れられない、を超えてありそうな主婦にうまく着地している。(敬称略)

最近の映画は、「暴力」を「余命何日」や「不治の病」に置き換えて、巧妙に前提から外している作品が少なくない。まあ、対局に「アウトレイジ」という系列もあるが。

「万引き家族」は天使たちの映画なのかもしれない。







2018/06/19

11年前の質問


地震が厄介なのは、地震は一度だけでないことである。震度6級の地震を体感すると、震度3程度でも、恐怖感を感じ、足がすくむ。余震は、様々な意味で都市機能を停止させてしまう。

以下は今から11年前の私の代表質問における指摘である。

平成19年9月18日 代表質問

想定される直下型地震が起きた際に、世田谷区の災害対策との中枢となる災害対策本部がその機能を十分果たせるのか、質問してまいりたいと思います。

申し上げるまでもなく、いざ事が起これば、世田谷区民84万人の安全にかかわる司令塔とも言うべき災害対策本部は第一庁舎の5階に直ちに設けられます。

確かにここ何年間かかけて耐震補強工事がなされ、それなりに耐震性能は維持しております。しかし、それは倒壊をしないという程度ではないのでしょうか。その後に襲う余震の連続パンチをどこまで想定しているのでしょうか。
 
一方で、精神的な恐怖心というものも、実際、地震後には襲いかかることも忘れてはなりません。新潟県中越地震においても、また、ことしの7月16日に起きた新潟県中越沖地震においても、倒壊を免れた家であっても、余震が怖くて中に入れないという被災者を数多く、報道等を通して目にしております。ここでは家は倒壊していないのです。ちゃんとあるにもかかわらず、入ることが怖くてできません。
 
体験した人の話では、一回目の大揺れがおさまってきたので、安心して家の中に入ろうとしたら、また大揺れしたので驚いた。さらに続いて三度目の大揺れがあった。今度は足がすくんで動けなかったという証言があります。余震が怖くて台所に入れないというのは、多くの主婦の声であります。
 
また、恐怖心ということについて申し上げておきますと、地震発生時に地元にいて地震を体験した人は、その後、しばらく自宅にすら入れなかったそうであります。しかし、たまたま旅行に出かけていた人は、帰宅後、すんなりと自宅に入ることができたということであります。このことは、地震の本当の怖さは揺れを直接体験した人でなければわからない。つまり体験する前と後では体の反応が変わるということであります。
 
さらに、新潟県中越地震を体験された人の話では、いわゆるPTSD、心的外傷後ストレス障害というのでしょうか、音に対して異常に敏感になる方がいます。

次の発言は、あながち特殊な例ではないと思われます。地震後にはレストランに行く気がしません、あの調理の音や食器のガチャガチャ言う音には耐えられませんから。乾杯と、コップをカチンと合わせて出す音を聞くとぞっとします。まさに地震の被害の大きさや恐怖心の極限をうかがわせる言葉だと思います。
 
そこで、ここまでるる、阪神・淡路大震災に比べて、その後の新潟県中越地震の例を見ますと、どうも地震というものの認識を新たにしたほうがいいということを述べてきたのですが、そこで最初にお聞きしたいのは、第一庁舎の5階に災害対策本部を設けることは安心安全と言えるかということであります。

建物がそこに倒壊しないであるということと、その中で、続く余震に耐えて、災害対策の職務に当たることは別だと思うのですが、大丈夫なのでしょうか。
 
ちなみに、何度も引き合いに出しますが、3年前の新潟県中越地震におきまして、震度5弱以上の余震は発生後15日間にわたって続いております。

実は、この質問のまさに1年後(平成20年9月)にリーマンショックが起こり、ようやく改築の方向に進んでいた区政が停滞することに。しかしその3年後(平成23年3月)東日本大震災の発災で、再度改築がクローズアップされることに。






世田谷区のバタバタの地震対策


1日たって東京ではワールドカップの話題に移っている。東日本大震災後の東京の緊張感に比べて、関西は、妙に明るかった違和感の逆バージョンなのかも知れない。

それにしても世田谷区では、東日本大震災から7年もたつのに、災害対策の中枢である本庁舎の建設が“始まらない”。
保坂区政になって、実行したのは築58年の第一庁舎から築26年の第3庁舎に、災害対策本部を一部改修で移転しただけ。

肝心の第一庁舎や区民会館(実務上の災害部隊の働く場)を最終的にどうするのか、平成30年度末まで決まらない。

ところがここに来て、平成21年度に区立小中学校の耐震補強が終了したということが、ウソだったということが明らかになった。資料ココ

学校施設であり避難所に耐震疑惑が生じたのである。すでに当該学校関係者には通知が届いているはず。現在、懸命に耐震診断調査を行うべく準備をしているが、1年を要するという。こんな重要なことを広報「区のお知らせ」では触れていない。(下記事は東京新聞)

保坂区政のどうしようもないところは、決断が遅い、政策は質より量(メニューの多さ新しさ)という2点に尽きる。

区長職は人気稼業だと割り切っているのか、云うところ「選挙屋アイドル」に近い。

先日も会派の代表質問で、昨年の副区長の突然の辞任を問い質したところ、その副区長はもう保坂区長のもとでは働きたくない、と断固として、(保坂区長の)慰留をはねのけたという。(こちら側の質問の趣旨は、本当は副区長はクビにされたのではないか、或いはパワハラの犠牲者ではないかという点にあったが)

どう解釈しようとも、「副区長の突然の辞任」という事実は変わらない。

基本的な問題を解決する間もなく、あっちゃ、こっちゃの目新しい政策メニューをブチあげ(区長記者会見)話題をさらうことが政治スタイルである。故に都合の悪いことには積極的にならない。アイドルはカッコ悪いことは副区長の担当なのであろう。

これらの区長評は、個人的なものでもなく、私たちの会派特有というものでもない。すでに世田谷区議会のほぼ全員が感じていることであり、立場により一部、表明できない議員がいるという程度である。

そもそも初当選時に保坂氏を担いだ元K議員が、一番最初に保坂批判に回った末、その責任を取る形で議会を去っている。先の副区長は身近に接していた人としては二人目と言える。



2018/06/05

既視感ありあり

なんだかんだと首相の座に居座り続けて、結局、任期満了直前解散で、“民主党政権”を誕生させた麻生氏。

時は過ぎても出処進退のセンスは変わらない。セメントで固められた人生なのだろう。今度は倫理観なきゴマスリ役人を誕生させては処分の雨を降らせている。

ゴマをするのは役人の処世術である。しかし役人の倫理観なき権力は犯罪である。その違いがわからないツートップ。(もちろん総理&副総理)

実は世田谷区のトップも同じ“感覚”の持ち主と観る。さすがに倫理観なき役人はいまのところ、いないのが世田谷区だが。





2018/06/01

終わっていなかった世田谷区の学校耐震補強

▪️区から信じ難い報告。
▪️希望丘小学校の校舎の改修増築の一環で、隣接する体育館の耐震診断をしたところ、それまで“あった”耐震力数値を大幅に下回る結果が出た。速報値が出たのが年初、第三者機関の認定が下ったのが年度当初。
▪️それまで“あった”耐震力数値とは平成7年の診断結果である。古いとはいえ経年劣化の減少率をはるかに超えている低い数値だった。
▪️阪神淡路大震災(平成7年発生)の教訓データが加味されるのは平成13年ごろである。
▪️それが、希望丘小学校だけに留まらない「らしい」ところから不信感は一挙に広がった。
▪️主因は体育館の屋根の耐震性(剛性)を見落としていたこと「らしい」。「らしい」というのは「ちゃんとやっているはずだが、でもちょっと自信がないな」というレベル。
▪️結果、「らしい」体育館はすべて夏休みから耐震診断をやり直すことになった。対象校は以下の通り。すでに現場では説明がなされている。
▪️その他、以下の体育館以外でも併せて念のため別の診断法(不思議な話だが、ポイントを絞った精密な診断法より、全体を見渡す診断法の方が、その後の多くの地震研究から耐震強度が正確に出ることになった。早い話、高価で時間の掛かる診断法より、安価な診断法の方が正確であったということが平成13年以後わかったということ)で校舎棟の再診断が行われる。

代田小学校、東玉川小学校、九品仏小学校、喜多見小学校、武蔵丘小学校、千歳台小学校、駒留中学校、富士中学校、瀬田中学校、尾山台中学校、千歳中学校、上祖師谷中学校、砧南中学校、喜多見中学校。(議会説明資料)





2018/04/17

まさかの坂はあるか?黒い霧解散!


国会も含めて議会が、言葉遊びの場であってはならない。

そして事実はひとつであり、その根拠としてあらゆる公文書が存在する。「記憶がない」ことをもって事実を曖昧にする役人答弁は、もはや公務員としての資格がない。

実は、裁判官と役人はある種同じ行動原理で動いている。裁判官は判決を作る仕事だが、その判決にはすべて法の根拠を示し、証拠を示している。役人も同じである。役人の仕事もすべて根拠が示され、証拠も示されて当然である。

極端な話、ある死刑判決について、いつ誰が、どうなって死刑判決になったのか、記録もないし、証拠もなく、担当裁判官も「記憶がない」などとなったら、刑事制度そのものがひっくり返るだろう。

いつ誰とあって、何を話したか、そういうことを正確に記憶し、また記録している能力を試すのが公務員試験である。

困ったら、解散総選挙というのが現在の総理大臣の「成功体験」になっているとすれば、迷惑な話だ。



2018/04/14

腰抜け官僚に



日経新聞ではこの3日間、「解剖・日銀ETF購入」という特集を連載している。

初日のタイトルが「劇薬の緩和策 重いツケ」「年6兆円ペース、引き際難題」

早い話、中央銀行が株式購入を毎年6兆円行なっている状態が続いていて、効果より毒の方が大きくなっているのではないか、という指摘だ。

そもそも中央銀行が株式購入すること自体、それも今や「日本株最大の買い手」となっているのは、異常だ。

「今すぐやめると大変なことになる。でもずっと続けるともっと大変なことになる」というのが民間金融機関の見方だ。

結局、3日間を通して読んでも、日銀は上手にやる、ということしか決めていない。

この1年間、日本の官僚の信用は暴落中である。次の暴落は必至であろう。



2018/04/12

保坂予算案の疑問

●共用オフィス(コワーキングスペース)は、4月10日の日本経済新聞によると、昨年から急激に増えているそうだ。

●もちろん民間事業として成長が見込める分野なのだろう。

●小見出しだけを拾っても

空港内・保育OK・・・多彩に

保育施設付き「マフィスではスタッフが子供を預かり、授乳時間がくれば連絡してくれるので仕事に集中できる」

100円単位の時間貸し「コインスペースでは15分100円から気軽に使えるので、初心者のお試しには最適」

無料でビジネスの種探し「ヤフーの『ロッジ』には1日350人から400人が訪れ、社員と情報交換もできる」

ものづくりを支援「MONOの工作室では3Dプリンターなどを備え、誰でも利用できる」

●といった様に、コワーキングは民間ベースで進化成長している。

●にもかかわらず、保坂区長は税金を使って、このコワーキングスペース事業を予算化。

●理屈は保育施設付きの需要はあるだろうとのこと。しかし議会側で調べると、保育需要のある働き手の施設になるか曖昧な制度設計が判明。

●結局のところ保坂区長のいつもの、流行り物に飛びつく、ニュースバリュー(マスコミ対策)重視で予算化したことがアリアリ。保坂区長お得意の理想を語り、現実は理想とは程遠い結果の繰り返し。そもそも民業圧迫。

●そんなことに手を出すより、本道の保育待機時解消に真面目に取り組め!というのが議会の大勢。

●最終的には、保坂区長が、ごめんなさい、議会の皆さんの言う通り改めます、のような形で一応決着。(話は丸めてあります。詳細に書けばあまりにも長くなるので。ただし趣旨は事実に即しています。)

●保坂区長が余計なことをしたために、職員は疲弊し、管理職は踏み込んだ説明ができず、同じ文面を毎回読み上げるロボットに成り果て、莫大なストレスを抱え込む状態。

●世田谷区役所、大丈夫だろうか?



2018/04/02

ヤミ民泊 いたちごっこ

欠陥だらけの法律「住宅宿泊事業法」のせいで、朝日新聞によると、何やら「民泊撤退サービス」なるものが出現したり、名古屋では「自警団」も結成されたりと、地域によっては様々な動きがあるようだ。

世田谷区では、住宅都市でもあるにも関わらず、住居専用地域にも保坂区長の裁量で「民泊」が可能になる。隣の目黒区よりはるかに「緩い」規制になってしまった。(提案者はもちろん保坂区長)

「住宅宿泊事業法」の最大の罪は、「ヤミ民泊」の誘発である。「抜け道は無数にある」と専門家も指摘している。

結果として、行政の仕事が増える。もちろん静穏な生活も一度失うと元にもどすことはなかなか容易ではない。

国際親善は大事、とはいえ島国で、海に囲まれた生活に慣れた国民性は、陸上に国境がある国とはそもそも文化が違うのではなかろうか。

「住民」と「宿泊人」とは全く異なる。そのために「旅館業法」というのがあったのではなかろうか。

もちろん、日本にとって観光産業は成長産業である。とはいえ歴史的な観光事業の素地がある都市と、通勤・通学を基底とした都市では精神的インフラも異なる。

ましてや隣国、中国は「スマホ立国」である。


日本のように、電信柱の電話というものの敷設(インフラ)が遅れたために、黒電話→携帯電話→パソコン→スマホという流れを飛び越して、4億人とも5億人とも言われる人たちがスマホで日常生活をしているという。

現金決済ならぬスマホ決済が主流だという。

私のようにスーパーのレジで財布の奥から一円玉をあちらこちらひねくり出す人間は旧世代人となっている。

加えて、こんな記事もある。


日本国内で現金決済が生じない。民泊も同じ経済モデルである。

警察の取り締まりも、現金のやり取りが行われない以上、なかなか踏み込めないという。

民泊の問題は果たして杞憂だろうか??



2018/03/04

続・民泊を甘く見るな!


●残念ながら、3月2日に世田谷区の規制のゆるーい「住宅宿泊条例」が議会を通過してしまった。

●最近の報道では、2月28日の朝日では



●以下、世田谷の条例を伝える各紙。




●結局、保坂区長は世田谷区全域(住宅専用地域でも区長の許可があれば)で民泊営業可能にしてしまった。それだけ違法民泊の発生率を上げたのである。

●議員としては、修正案(目黒区と同じ、全域を規制区域にして民泊可能日は金曜と土曜に限定)を提出しました。が賛同を得られず、否決という結果。

●どうして、東京最大の住宅区である世田谷において、急ぐ必要があるのだろうか。そこがわからない?



2018/02/27

ミンパクを甘く見るな!




とりあえず過去の新聞切り抜きから見てみよう。


上掲は2015年10月16日の都政新報の記事。大田区の場合、国家戦略特区となっているので現状とは異なるが、その後成立した「住宅宿泊事業法」を考えれば、先行事例として参考になる。

簡単に言えば、住宅都市としての世田谷区は「旅館業法」という法律によって、ある部分、「静穏な暮らし」が守られている。

その「旅館業法」の適用除外を設けようというのが、民泊の目的。ストレートに言えば、「旅館業法」の「骨抜き法案」が「住宅宿泊事業法」である。

必然的に、今ある「静音な暮らし」は不安定になる可能性がある。

大田区の例をみると、インバウンドで、特にオリンピック等の外国人旅行者の宿泊施設が足りない(ホテル・旅館不足)ので、民間の空いてる部屋を泊まれるようにできないのか、という発想。


次は同じく2015年10月28日の日経新聞。大田区同様、国家戦略特区で大阪府も独自条例を可決したとの記事。効果は未知数とある。

日経は同年11月2日の記事でも民泊に懐疑的な特集を載せている。


さらには朝日も2015年11月8日の新聞でトラブル問題に触れた特集記事を。


これらはいづれも2年前の記事である。

そして今、今年の6月15日からいきなり日本全国で「住宅宿泊事業法」が施行されることに!!

法が成立したのが昨年の6月、細かいルールができたのは(「住宅宿泊事業法施行要領」)昨年末の12月26日。

えーっ!いきなりって感じではないでしょうか。簡単に言えば、空いている部屋(住宅)を旅館のように他人(客)に有料で貸すことが届出だけでできるというもの。ただし、年間180日を超えてはダメということになっていますが。

しかし、そんなこと言っても、ウチには確かに空いている部屋がいくつかあるけれど・・・どうやって。

そこはインターネット時代。国際的な仲介サイトがあって、希望すれば自宅の部屋等の写真と情報を記載すれば、お客さんが見られる仕組みが出来上がっています。

さて問題は、ざっくりと言えば、各自治体の条例で決められることが住宅民泊が行える地域と日数制限。以下は1月26日付の都政新報による23区の、その時点での対応状況。



この表の見方は、例えば千代田区では密集地のみ金土の民泊事業が可能で、ただし管理者常駐であれば密集地でも金土に限らず180日まで可能ということ。

中央区では区内全域で土日しかダメ、したがって年間52週として104日まで可能ということ。

肝心の世田谷区では住宅専用地域だけ土日祝日のみ可能。年間52週として104日プラス祝日だけ可能。ということは住宅専用地域以外では年間180日可能ということです。

お隣の目黒区では、区内全域で金土のみ可能ということで年間52週として104日可能、という一番厳しい感じです。

結構できるじゃないか、という感じもしますが、実際やっている人たち(現在やっているということは違法営業の疑いが強い可能性がありますが)の声として、来日客は土日などに来ない。平日利用が航空料金も安いので、現状に合わないと実際、世田谷区議会に陳情に来ている。

世田谷区の所管課長に聞くと、すでに世田谷区内でも違法民泊(旅館業法)が1千件は存在するということ。【続く】