2018/06/26

児童相談所の移管or設置?


目黒の5歳女児虐待死の事件以来、「児童相談所」の問題がクローズアップされている。

気づかれた人もいると思うが、目黒区で起きた事件は「品川児童相談所」が担当。

「児童相談所」は、東京都に11カ所しかない。従って複数の市区町にまたがっている。


ちなみに世田谷区は狛江市と一緒で「都立世田谷児童相談所」の管轄である。世田谷区の施設ではない。

“目黒事件”を受けて、「児童相談所」強化の声が強まっている。そこには問題がある。

現在、「児童相談所」は都立である(上表)。東京都福祉保健局が仕切っている。

90万人口の世田谷区で、「児童相談所」のような重要施設の権限を、都まかせでよいのだろうか?

例えば、親の意に反して子どもを一時保護(親子分離のこと、ただし2ヶ月内)の職権は「児童相談所」すなわち都・福祉保健局が握っている。世田谷区にはない。

世田谷区では、東京都の「児童相談所」権限の移管をすすめている。やはり地元のことは地元でやった方が、子どもたちの最善の利益が確保されるだろうということである。

虐待は虐待を生み、やがては社会全体を傷つける可能性がある。決して他人事ではない。「万引き家族」周辺だけで完結する話しではない。絆があろうがなかろうが、社会は繋がっている。だから虐待の芽を摘む必要がある。だから暴力の芽を積む必要がある。

児童虐待を始めとする子どもを取り巻く問題は、増加の一途である。職員数、分けても専門職である児童心理司、児童福祉司の増員は急務である。

「児童相談所」の今後は

・職員増+東京都がやり続ける
 
・世田谷区がやる(必然的に職員数は増+きめ細やか迅速)

という岐路に立たされている。東京都が納得し移管すれば話は早いが、頑として権限を手放さない場合、世田谷区長が設置に動くか、政治決断となろう。

念のため、世田谷区がやる場合、親子分離の一時保護所や児童養護施設は、23区内その他の自治体との協定で、広域分散となり、誰がどこにと、すぐわかってしまうことはない。

その他財源の関係もあるが、これはまた別の機会に。

世田谷区は未だに「地方公共団体団体」ではありません。それどころか2000年(平成12年)までは東京都の「内部団体」でした。区議会すら擬似的会議体と東京都の役人に言われたらこともあります。現在、23区は「特別地方自治体」という位置付け。

一番上に載せた「ルポ児童相談所」は最新の情報書であり、手続き論のみに囚われていては何も良くならない、ことがわかる。このことについてはまた。