2011/07/30
2011/07/27
脱原発と脱借金
百年に一度の大不況、リーマンショックは、経済どころか金融システムまで病状を進行させている。
40年前のニクソンショックと同じ8月に新たなドルショックの可能性が現実化しつつある。
この問題は、大借金という爆弾を抱えている日本に飛び火する。
実は、日本の原発と国の借金は似ている。
原発も国の借金も“最も危険なこと”である。ひとたび注意を怠れば莫大な被害をもたらす。だからこそ原発の場合、高度な安全技術が求められる。しかし地球の力には勝てなかった。
同じように先進国の中でも飛び抜けて借金の多い日本が、まだギリシャのようにならないのは、その裏で財務省が巧妙なシナリオを駆使して、お金の流れを調整しているからである。考えて見れば銀行が安定運用のために国債を買うというのは、まともな投資先が無い、ということである。しかもその国債はバラマキのために発行されたものであることを考えると、日本の資本主義は統制経済としか言いようがない。
日本経済の活力を削いでいるのは、実は財務省であり日銀である。そして押し進めているのが低金利政策である。言ってみれば低金利政策は原発における冷却電源のようなものである。巨大な国の借金が暴走しないように低金利政策で冷やし続けているのが実態である。
しかしながら、原発同様、日本は想定外の範囲を合理的に決めるということをしない。その時々の都合で決めてしまう。すでに米国のデフォルトは誰の目にも想定内である。
もし、という事態になれば、日本の低金利など簡単に吹っ飛ぶ。大借金暴走の冷却電源が失われるということである。
金利が上昇し、新たな借金が不能となれば東京以外の自治体はまず破綻するだろう。新たな国難は迫っている。しかしながら政府のトップは自分のことしか考えていない。バラマキをやめて借金を減らす強い姿勢を内外に示さないと再び民主党政権による人災がおこる。
脱原発と脱借金は日本における同質の問題である。
おおば正明
2011/07/17
尾張名古屋はシロ(潔白)でもつ?
あの熱狂に包まれた名古屋市の「減税日本」が今大変な事になっている。今や「幻滅日本」とまで言われるほどの凋落ぶり。
さらには河村市長自身が国政への転身をはかっているとか、いないとか。どうも“熱狂”で集まって当選した減税日本の議員の中に問題アリの人が続出しているらしい。
残念ながら“熱狂”だけで議員が務まるほど、世の中甘くない。一時期、市議会議員になろう式の本が何冊が出たことがあった。つまり誰でも、特に若い人向けだったと思うが、若くして議員に当選した人たちのノウハウが集められて、(ツボはしっかり押さえられている)、それなりに当選はするかもしれないと関心したものだ。が、得てして“新鮮さ”をウリにするもので、それ以上のものではない。悪く言えば政治の領域にハウツー本を持ち込んだ、タチの悪い本とも言えた。
要するに、“目新しさ”や“旧体制の否定”や“若さ”を主張すれば、それなりに当選するかもしれない。しかし議員としての役割を果たすとなれば、1期4年では“途中”で終わってしまう。そのまま次の選挙を迎えるが、気がついてみれば、新たな“目新しさ”や“旧体制の否定”や“若さ”を主張する新人に負けるのがオチである。ハウツー本は解決法を教えてくれない、こればかりは自分で考え抜くしかない。
議員として2期目を目指して落選するのは最大級の恥辱である。実績無しの新人で当選して、実際議員として4年やったら落選というのは、有権者から見れば、「騙された!」というアッピールでしかない。議員としての実績が否定されたも同然である。現実に区議選レベルで1期当選して2期目で落選した元議員で復活した人は記憶にない。
ハウツー本とか、選挙テクニックだけで当選するのは1回だけである。もちろん“熱狂”も入るが。多少の経験から言えば、最初は「議員になります」という主張から始まるのだろうけど、あとは有権者に皆さんに「議員として育ててもらう」そういう素地がすべてという気がする。育ててもらうためには、最低でも謙虚であり、誠実であり、勉強熱心でなければ、誰も相手にしてくれない。育ててもらう力が次への期待につながるのだから。
残念ながら、報道で知る限り、名古屋の熱狂は早くも店じまいのようだ。これでは市民も議員を育てようという感じではないだろう。
おおば正明
2011/07/14
あさって総理
世田谷としか報じていないが、場所は三軒茶屋だそうである。単に世田谷だけでは不安を募らせるだけである。つまり都が言う「大量に食べない限り、健康上の問題がない」人というのは最近、三軒茶屋で焼き肉を食べた人が対象ということである。(世田谷選出の厚生労働副大臣の事務所が三軒茶屋というのも何かの巡り合わせか?)
風評被害というのは国が作るものである。「世田谷の飲食店」だけだと広範囲となる。三軒茶屋となると範囲は狭まるが店の特定や憶測が生じてしまう。該当店に罪はない。正式のルートを通して購入しているのだから。つまり国の検査体制が不備なのだ。
風評被害は国の検査体制のズサンさが作るものである。すでに区内の保育所では牛肉を控えるということだし、牛肉の消費も落ちるかも知れない。自己防衛となると、際限はない。
風評被害は国の役人が作るものである。未曾有の大災害には未曾有の対策を施さなければ二次三次被害が生じる。
さらに政治には該当地域の全生産物をストップさせる強権もある。検査の精度がカギであるが、表面チェックだけで、エサに関してはノーマークであったという。未曾有の大災害にとても未曾有の対策とは言えない。普通の対応だったということ。
総じて言うなら、今の政治も行政も未曾有の大災害レベルでは何も機能していない。通常レベルの対応をマックスで行っているにすぎない。つまり中の上程度。
脱原発に向けて頑張ると菅首相はわざわざ会見を開いて言ったそうである。それはあさっての方向としては間違いではない。しかしそれより今日、本日ただいまの状況はどうなのか、多くの国民は感じている。今がダメなのに、あさってのことなんて、出来るわけない。
少なくとも、菅首相には小宮山副大臣ともども三茶で焼き肉を、あのカイワレのように全店で食べて欲しいものだ。
おおば正明