百年に一度の大不況、リーマンショックは、経済どころか金融システムまで病状を進行させている。
40年前のニクソンショックと同じ8月に新たなドルショックの可能性が現実化しつつある。
この問題は、大借金という爆弾を抱えている日本に飛び火する。
実は、日本の原発と国の借金は似ている。
原発も国の借金も“最も危険なこと”である。ひとたび注意を怠れば莫大な被害をもたらす。だからこそ原発の場合、高度な安全技術が求められる。しかし地球の力には勝てなかった。
同じように先進国の中でも飛び抜けて借金の多い日本が、まだギリシャのようにならないのは、その裏で財務省が巧妙なシナリオを駆使して、お金の流れを調整しているからである。考えて見れば銀行が安定運用のために国債を買うというのは、まともな投資先が無い、ということである。しかもその国債はバラマキのために発行されたものであることを考えると、日本の資本主義は統制経済としか言いようがない。
日本経済の活力を削いでいるのは、実は財務省であり日銀である。そして押し進めているのが低金利政策である。言ってみれば低金利政策は原発における冷却電源のようなものである。巨大な国の借金が暴走しないように低金利政策で冷やし続けているのが実態である。
しかしながら、原発同様、日本は想定外の範囲を合理的に決めるということをしない。その時々の都合で決めてしまう。すでに米国のデフォルトは誰の目にも想定内である。
もし、という事態になれば、日本の低金利など簡単に吹っ飛ぶ。大借金暴走の冷却電源が失われるということである。
金利が上昇し、新たな借金が不能となれば東京以外の自治体はまず破綻するだろう。新たな国難は迫っている。しかしながら政府のトップは自分のことしか考えていない。バラマキをやめて借金を減らす強い姿勢を内外に示さないと再び民主党政権による人災がおこる。
脱原発と脱借金は日本における同質の問題である。