■読売新聞に石飛幸三医師の紹介記事があった。世田谷区立の芦花特養ホームの常勤医である■実は特養ホームの常勤医というのは珍しい■通常の特養ホームでは2週間に1回約2時間程度の報告書チェックが医師によってなされるのが“相場”である■それからすれば常勤の医師がいることは画期的なことと言える■その常勤医の目からみた介護と医療の問題点を世に問うたのが著書「平穏死のすすめ」である■実際、医師が「死」をすすめるというのはタブーである。しかし必ず訪れるだろう「死」というものを認めないわけにはいかないのも現実■そこを「寿命」や「老衰」という考え方でとらえ直そうというのが氏の考え方である■昨今では人生最後までピンピンしていて、亡くなるときはコロリというのが一つの理想のようだが、「老衰」というデクレッシェンドという人生の閉じ方もある■ことがことだけに繊細かつ複雑な問題でもある。一般論にするには誤解される面もある■このことは先の3月15日の予算委員会で紹介もかねて触れている。何と言っても世田谷区の福祉の現場からの声であり、誰しもが体験するであろうことである。