■「アキレス腱のけが」についての相談記事が4月16日の毎日新聞に載っていた。何気なく読んでいたら、いささか衝撃的な一文に目が留まった■「人間の平均寿命は明治初期まで40歳くらい。栄養状態の改善などで急激に寿命が延びたが、それに合わせて人間の足が急に進化したということはない」■言われてみればその通り。平均寿命の伸びは人間の身体からすれば外部環境の改善が及ぼしたもので、身体そのものが画期的に進化したわけではない■記事はこう続く「つまり40歳〜50歳を過ぎると、腱は言わば賞味期限が切れたような状態にあるため、無理をすればアキレス腱炎になりやすい」■もちろん鍛えればそれなりに新陳代謝が進み強化される筋肉等はあるのだろうが、それは身体全部に通用しない■われわれは、「科学の進歩」と「身体の進化」をゴッチャにしている。科学は進歩していても、身体は果たして進化しているのだろうか。或いは科学の進歩に身体は対応できているのだろうか。精神は尚更である。さらに精神にも賞味期限というのはあるのだろうか。