2022/05/07

世田谷区議会 予算委員会の解説 新実施計画とは

 

地方自治体としての世田谷区(区役所)の仕事はトップ(区長)の、その時々のアイデア(思いつき)で行われているのではない。
いわゆる「計画行政」という仕組みがベースにあり、そのほとんどが事実上、国によって決められている。云って見れば、全国の自治体に国が「24色のクレパス」を配って、この色でそれぞれの自治体の「絵」を描いて下さい、というものである。

昔は、国の下請け業務を行う色彩が強かったが、現在では国、都、市区町村ともに対等ということになっている。が圧倒的にカネを握っているのは国で、住民税だけではどこの地方自治体でもやっていけない。国からの補助金、交付金等々、アテにしなくては地方行政は回らない。

さて、2022年2月〜3月にかけての定例議会で令和4年度予算が審議された。

予算審議は1年に1回行われる(第一回定例会)ほか、年度途中で補正予算審議が行われるが、大体の事業内容はここで示される。

当該年度の予算審議を毎年しているので、予算は1年限りの「単発ドラマ」のような感じを受けるが、(しかもトップが今年の目玉みたいな発信をするのでなおさら)実はそうではない。世田谷区の場合、8年間に渡る長期計画「新実施計画」があり、当該1年の予算はその長期計画のワンピースのすぎない。

「新実施計画」とは平成26年度(2014年)から令和3年度(2021)にかけての8年計画。

その8年計画の目標はどうだったのか、どれほど達成できたのか、改めて保坂区長に聞いたのが今回の代表、予算質疑である。

すでに、8年計画の前半(平成26年度〜平成29年度)は5割以下、後半(平成30年度〜令和3年度)は3割台ということで答弁している。


地方自治体の仕事は、例えて言えば、国から配られた「24色のクレパス」で描くのであるが、どの色をどれだけ使うかが、自治体の裁量となる。

世田谷区の場合、保坂区長になって、まず「基本構想」というものを長時間かけて作り上げた。

そしてそれをもとに「新実施計画(8年間)」も長時間かけて作った。

その結果が3割〜5割の達成。(このことが客観的にわかったのは令和元年になってから)しかも他人事のようで、次の長期計画に意欲満々のようである。

以下の動画はそのドキュメンタリーである。