世田谷区の街としての魅力を、「住み心地の良さ」とすれば、その一つに、子どもがのびのびと育つ環境が担保されていることがあげられよう。
しかし残念ながら、子どもへの虐待は存在し、親としての責任を放棄している人間も少なからずいる。従来なら、“家庭”に行政は介入しないことが常識だったが、現在はそうも言っていられない。その意味で世田谷区に児童相談所を東京都からの早く移管せよ、という私たちの会派の主張は、街の魅力アップにつながる考えである。
なぜなら、児童相談所が抱える問題を私たちは東京都を通じてしか知り得ない状況にあり、その具体策についても区議会は門外漢の扱いだからである。
さらには東京都が都全体として抱える児童相談所での問題、主に虐待問題だろうが、それがそのまま世田谷区に当てはまるとは思えない。
世田谷区の虐待問題と、例えばA区の虐待問題とはその構造や社会環境は異なるのではないかと推量するからである。
厚労省の専門部会の議事録を読むと、都道府県でも児童相談所の役割は随分と異なることがわかる。少なくとも、子どもへの虐待が横行する街に住みたいと思う人がいるだろうか。その芽をつみとりまっとうな人生(価値観はいっぱいあるけど)を送れる支援を子供たちに公共の責任で行うことが、急務である。
保坂区政の本領が問われる法改正である。おそらく福岡市の事例が参考になるのだろう。