10日付の都政新報によると、東日本大震災の影響が財政面に現れてきている。多摩地域のことだが、国の補助金をアテにした学校の冷房化事業が、補助金が震災復旧に優先適用されることになり、計画の見直しを迫られているとのこと。
教室に空調を設置する場合、国と都から計2分の1の補助金が出て、各市の負担は残り2分の1で 済む。そこでこの補助金を活用して各市が今年度の目玉にしたのが学校の冷房化事業。23区ではすでに完了している学校の冷房化は多摩地域では設置率が1割程度。
それだけに、ここに来て補助金のカットは痛い。とは言え東日本大震災の復旧を優先させなければならないのは当然のことである。
今回は文科省関連の補助金であるが、各省それぞれの補助金の影響は今後自治体を直撃する。特に阪神・淡路大震災の時を考えても都市整備関連への影響は大きい。
本来なら国がどこの予算をどう東日本大震災復旧に回すと「決める」ことによって、玉突き的に各自治体への削減がわかってくるのだが、政府が「決める」作業を後回しにしているので、今もって、そんな補助金はあり得ないのに自治体の予算書に計上されたまま。(情報すら来ないありさま)
大きな災害は、被害を受けていない地域でも財政的な痛みを共有しなければならない。だからこそ政府は一刻も早く仕事をちゃんとして、国の財政の流れ、そして自治体へのお金の流れが震災復旧でどう変わるのか明らかにしてもらわないと困る。