2018/02/27

ミンパクを甘く見るな!




とりあえず過去の新聞切り抜きから見てみよう。


上掲は2015年10月16日の都政新報の記事。大田区の場合、国家戦略特区となっているので現状とは異なるが、その後成立した「住宅宿泊事業法」を考えれば、先行事例として参考になる。

簡単に言えば、住宅都市としての世田谷区は「旅館業法」という法律によって、ある部分、「静穏な暮らし」が守られている。

その「旅館業法」の適用除外を設けようというのが、民泊の目的。ストレートに言えば、「旅館業法」の「骨抜き法案」が「住宅宿泊事業法」である。

必然的に、今ある「静音な暮らし」は不安定になる可能性がある。

大田区の例をみると、インバウンドで、特にオリンピック等の外国人旅行者の宿泊施設が足りない(ホテル・旅館不足)ので、民間の空いてる部屋を泊まれるようにできないのか、という発想。


次は同じく2015年10月28日の日経新聞。大田区同様、国家戦略特区で大阪府も独自条例を可決したとの記事。効果は未知数とある。

日経は同年11月2日の記事でも民泊に懐疑的な特集を載せている。


さらには朝日も2015年11月8日の新聞でトラブル問題に触れた特集記事を。


これらはいづれも2年前の記事である。

そして今、今年の6月15日からいきなり日本全国で「住宅宿泊事業法」が施行されることに!!

法が成立したのが昨年の6月、細かいルールができたのは(「住宅宿泊事業法施行要領」)昨年末の12月26日。

えーっ!いきなりって感じではないでしょうか。簡単に言えば、空いている部屋(住宅)を旅館のように他人(客)に有料で貸すことが届出だけでできるというもの。ただし、年間180日を超えてはダメということになっていますが。

しかし、そんなこと言っても、ウチには確かに空いている部屋がいくつかあるけれど・・・どうやって。

そこはインターネット時代。国際的な仲介サイトがあって、希望すれば自宅の部屋等の写真と情報を記載すれば、お客さんが見られる仕組みが出来上がっています。

さて問題は、ざっくりと言えば、各自治体の条例で決められることが住宅民泊が行える地域と日数制限。以下は1月26日付の都政新報による23区の、その時点での対応状況。



この表の見方は、例えば千代田区では密集地のみ金土の民泊事業が可能で、ただし管理者常駐であれば密集地でも金土に限らず180日まで可能ということ。

中央区では区内全域で土日しかダメ、したがって年間52週として104日まで可能ということ。

肝心の世田谷区では住宅専用地域だけ土日祝日のみ可能。年間52週として104日プラス祝日だけ可能。ということは住宅専用地域以外では年間180日可能ということです。

お隣の目黒区では、区内全域で金土のみ可能ということで年間52週として104日可能、という一番厳しい感じです。

結構できるじゃないか、という感じもしますが、実際やっている人たち(現在やっているということは違法営業の疑いが強い可能性がありますが)の声として、来日客は土日などに来ない。平日利用が航空料金も安いので、現状に合わないと実際、世田谷区議会に陳情に来ている。

世田谷区の所管課長に聞くと、すでに世田谷区内でも違法民泊(旅館業法)が1千件は存在するということ。【続く】

2018/02/13

バブル破綻の兆候よりサギ?

2月13日の朝日新聞の1面に載っていた。


先日の「バブル破綻の兆候」で書いた、構図とそっくり。


とんでもない「事件」!この手の事件がこれから出てくるんだろうなぁと。


2018/02/04

バブル破綻の兆候

上記写真は、左側が道路でそれに接する40坪の空き地である。コンクリトートの木枠が残されたまま荒地となっている。

この土地は私の家の近くで、近くに住む区民の方から直接聞いた実話。

この土地には以前、平屋で数人の家族で住んでいたという。それが事情で売却となり、更地となって、或る個人が購入。不思議なことに登記を調べると、東海地方の地方銀行が土地購入額の数倍の担保設定で融資していた。

実は、土地購入者と地方銀行との間に、アパート建設業者みたいなのが入っていて、実際、このアパート業者が全体のビジネスプランを考えていた。

なんと、数人の一家が住んでいた土地に14の居室からなる木造2階の建物を作り、一室5万前後で貸すというプランという。

当然、近隣の住民はゴミ出しや自転車等の問題等々と心配は広がったが。

地方銀行は、現物も見ずに5万×14室で月70万、年840万の家賃収入と見たのだろうか?これなら貸せる!とでも確信したのだろうか。

近隣の状況から比べれば、このプランの居室はタコ部屋同然、しかも最寄り駅が格段に近いということでもない。この家賃で借りる人はいないと考えるのがフツー。

実は、このアパート業者の管理するアパートは都内にいくつかあって、見たところ全室埋まっている所はなく、むしろほとんど空室の方が多かったのが実態。

さて、当該の土地の売買があったのが2年前。1年前から工事が始まり、建築か?と近隣が思った矢先、工事が中途半端なところで止まった。

工事現場を撤退する業者に聞いたところ、(アパート業者が)カネを入れてくれない、とのこと。以来、基礎部分にコンクリを流しただけで表の鉄筋は錆びつき、約1年ほどたったころ、つまり最近になって、破産整理の不動産会社の人が現れて、購入者は破産し、お金を融資していた地方銀行も融資額の半額での土地売却を決めましたとのこと。

以上、個人情報も含まれるので漠然と記してみましたが、このような形での投資話が進んでいたことに驚き。

というのも、地方銀行と言っても、その地方では名門と呼ばれている銀行だそうで、こんな無謀なビジネスモデルで過剰融資をしているとは信じられないのだが・・・事実。

この土地はまだ売れてはいないので、地方銀行にとっては、いわゆる不良債権である。

需要がないところに、大量の貸室を作って大赤字。バブルの崩壊の一端である。都内には投資物件として買われているマンションもあるという。

この地方銀行の不良債権はこれだけなのだろうか。かつて過剰融資に走った、その名も都市銀行と呼ばれた銀行は13行もあった。今はいくつだろうか。いずれも不良債権整理でつまづいていったはずである。

バブル破綻の兆候は身近なところにあった。

財政危機につながるバブル崩壊


2月2日の毎日新聞夕刊によると、現在の景気では、3つのバブルが発生中とのこと。

一つは株式バブル。二つ目は仮想コインにみられるようなマネーゲーム化している個々の対象物。そして三つ目は限定された地域だけの不動産バブル。

上がるから買う、買うから上がるというループに陥っているのが上記の3つの経済現場。すでに仮想コインはバブルがはじけ始めている。

そもそもこれらの推進力となっているのが、日銀の緩和策と公的年金資金の投入。結果大量の資金が株式市場に流れ、さらに不動産投資信託にも流れているという。

本来、需要がないところに、日銀がお金を出しまくり、資金運用先に困った会社や個人が、単に上がるからという理由だけで事実上の投機に手を染めてしまっている、といったところか。

不動産も、ブランドのある地域や駅から5分以内という物件はバブルの対象になっているらしいが、それ以外の地ではバブルの波は及んでいない。

そもそもマイナス金利では、銀行はどうやって存在できるのだろうか。

記事では今回のバブルは限定的にお金が集まっているところだけだから、まともな民間企業は内部留保を十分に備えているので、大半の国民は好景気の実感がないのと同様に、バブルがはじけても、その被害はないだろう、しょせん富裕層の出来事のように書いているが、そうだろうか。

まあ、まともな民間企業が仮想通貨にそんなに深く突っ込んでいるとは思えないが、株式や不動産にはどうだろうか。結構内部留保をつぎ込んでいる可能性もある。

さらに根っこのところで国民の公的年金を使っているのだ。その巨大さ故、売ることは相場全体へ多大な影響を及ぼす。不動産ファンドも同じ。しかし売らなければ“換金”できない。ジレンマのバブルだ。バブルの究極は誰が先に売るか、である。

経済の歴史は富裕層の起こしたバブル崩壊が富裕層だけにとどまらないことを教えている。

私たちにできることは、富裕層のバブル周辺を指して経済は順調と叫ぶ日本のトップ(政府)をどこまで信用するかだ。交代するトップがいないのが日本の危機なのだが。