2016/10/29

ガソリンスタンドあった!芦花公園

左掲の記事は、世田谷区の保育待機児問題から派生した“事件”である。

都立公園の一部を利用して、保育園をつくろうという計画であったが、こともあろうに、その公園敷地から、基準値の16倍の鉛が検出されたというもの。

東京新聞の記事によると、土壌汚染が確認された場所は1990年代にガソリンスタンドがあったという。

そこで、1985年の住宅地図を見てみると、現在の芦花公園は拡張された後であり、その当時はまだ住宅が並び、環八沿いにガソリンスタンドがあった。



緑の部分及びガソリンスタンドの部分が現在は芦花公園として拡張された部分。現在のところ、ガソリンスタンドと鉛検出の因果関係は立証されていない。

都は「盛り土」を対策で考えているという。

さらに、閉鎖区域のすぐ外にある、公園内の汲み上げ式の井戸水はそのまま使えるようである。(10月29日現在)ちと不安、検査はしたのだろうか。

2016/10/20

福祉の未来

昨日(10月14日)行った、国際福祉機器展というのは、15日夕刊の「よみうり寸評」によれば、もう始まって40年以上もたつという。当初は細々で、現在は障がい者も含めて3日間で10万人以上が訪れるとのこと。

知ったのは東京ビッグサイトになってからだが、やはり今年は多いように感じた。

それに今回は住宅機器メーカーや家電が(例えばLIXILとかパナソニックとか)かなり大きなポジションを占めていたのが意外だった。

さらには、「手すり」の専門の業者が、以前より店を広げていた。最近では部屋の中に「垂直な手すり」(突っ張り棒の強度版?)も需要が高いよう。


「よみうり寸評」でも紹介されていたが、センサーがかなり応用されていた。徘徊対策や、施設内での“位置確認”システムにはもやはGPSは常識のようである。

介護の世界に日本の「精細な技術力」こそ、必要不可欠であろう。先進国の中で、超高齢化社会の先頭を走る日本の技術者たちのチャレンジに期待したい。

右は左手を添えるだけで、スプーンが自律的に皿からすくって口元まで運ぶロボットハンド。

またお手軽なものとしては「楽々ハンド」というものが活況を呈していた。いわゆるマジックハンドの精巧な感じといったもので、重さ150グラムにすぎないが1キロくらいまで、つかめ、一方で1円玉や錠剤の1粒までもつかめるというもの。価格も数千円くらいで、車椅子の利用者等が使うと便利らしい。


介護の問題は、親世代だけではなく、実は私たちの問題になりつつある。決算委員会に出ている区役所の理事者(部長)クラスも、10年後、20年後を考えると、「立つ」「歩く」「かがむ」「掴む」「握る」ことさえ覚束無くなるのかも知れない。

2016/10/14

決算書類の問題点

世田谷区に限らないが、役所の出す決算書というのは完全な“予定調和”で貫かれている。すなわち借金も収入として見做しているから、結果的にはいつも黒字という結末。

民間で倒産というのは、借金しようにも借金できなくなった状態であり、どんなに赤字だろうと、リスク無視でお金を貸してくれる人(銀行)がいる限り、倒産しない。ただし、貸してくれる人が、いくらお金持ちでも限界はある。ましてや貸し手が銀行の場合、預金者がリスクを感じて、預金を引き出せば、その銀行は貸し続けることはできない。もっとも貸し手が“お金をいくらでも印刷できる”場合、いつまでも貸し続けられるので、倒産はいつまでも避けられる。国はまさにその状態である。

実は区から提出された決算書類3冊(合計、1,115ページ!)の端から端まで見ても、具体的な事業の数値的な正確な姿は見えない。


役所の決算書類は全事業をバラバラに分解して、大昔の基準で分散させているので、例えば、世田谷区の保育所の事業運営費はどれくらい掛かっているのか、その数字が載っているページを正確に掴むことはできない。結果として役人以外には正確な合計額がわからない状態になっている。

実際には、世田谷区の保育所の事業運営費はどうなっているのか、担当部署なり、財政担当に尋ねれば、すぐとはいわないが、数字は出してくれるし、説明も十分にしてくれる。

しかし、尋ねなければ答えないという伝統的システム、というのは議会審議として、問題である。

昨今の都議会を見ていて、つくづくそう思った。

世田谷区の決算委員会では、その点の不備(書類には細かい数字が並べられているが、そもそもの人件費を始め全事業の実態はわからない欠陥)を改めて指摘した。

(写真は14日まで東京ビッグサイトで行われていた「国際福祉機器展」数年ぶりに議会日程と重ならなかったので行けた)




2016/10/12

財政規律の緩みの危険性

安倍政権の財務省の口を封じて、日銀にジャンジャン国債を買わせて、という政策も、結局は不発に終わった。

12日の日経新聞では、ついに、「財務省を信じない首相」、とまで一面に書いている。

そのことは別面で、安倍政権は国としての「財政健全化計画」を事実上、勝手に変えて、1000兆円にも達する「国の借金」に責任を負わない政策に踏み切ろうとしていることを伝えている。

また別面では、メガバンクのトップが日本の国債は、かつてのような安全性はなくなったので、購入も長期保有も控える旨の発言を載せている。(これは大変なことである)

「財政健全化計画」とは、1000兆円を超える借金に目処を付け、後世代へのツケを少なくする、歳出カットの計画である。

安倍政権とすれば、社会保障費を削ることに耐えられなくなった、ということでもあろう。要するに、人気のない政策なんて嫌だ、消費税だって1回上げれば内閣の仕事としては十分だと思っているらしい。(山口敬之著「総理」によれば)

日経新聞は、歳出カットの原典である「財政健全化計画」をもっとゆるーく改正して、財政規律を棚上げにしていいですか?を問うのが年明け解散の一つの目的だと書いている。

確かに、選挙で勝利すれば、安倍政権のやろうとしていることを承認したことになるかも知れない。

しかし、先進国の中で突出している「国の借金」が、いつまでも世界経済の中で「特別扱い」さるわけがない。

ここまでの日経の警告は、これまで黙らされてきた財務省あたりの「後ろ盾」がなければ書けないことだろう。





2016/10/11

区の決算から国債までのひとりごと(只今決算委員会中)




と云っても全額、区の裁量で使えるという訳ではない。区を通じて、事実上、国や都の事業となっているものが含まれる。

世田谷区の平成27年度決算(上記)によれば、区の収入の約7割(71%)2003 億円が一般財源ということで、いわゆる、区の裁量で使える、としているが、実態面からいえば、特別区税と特別区交付金を合わせた、1620億円(58%)ぐらいが、“着実な収入”だろう。(2823億円は収入額であり、実際の支出額は2721億円。では差額の102億円はどこに?ということだが、繰越し額という形で次年度に引き継がれる)


区役所の人件費は平成27年度決算では441億円。さらに区が管理する施設(公共施設で「まちづくりセンター」「区民センター」「図書館」および「区道」「公園」)の維持費は今後厳しく見積もっても年間550億円(公共施設等管理計画)以上かかるとされている。すなわち、あわせて約1000億円は最低限の“固定費”として消えて行く。

※保坂区政では、公共施設の維持管理費を先送りして、決算上の辻褄合わせや区の借金隠しをしているので(選挙対策及び自著で数字を誇るため)、決算書はアテにはならない。決算書とは別の「世田谷区公共施設等管理計画」の数字(年間550億円)が現実的な数字である。


実は、区の税収から「国民健康保険事業会計」、「後期高齢者医療会計」、「介護保険事業会計」に合わせて250億円を平成27年度決算では投入している。保険料だけでは足りない分を補填している。しかもこの250億円は今後増大する高齢者を考えれば減ることはない。


世田谷区の収入(歳入)は2823億円。国や都からの補助金を除いて、“着実な収入”は1620億円くらい。そのうち、“固定費”として1000億円(人件費と公共施設維持費)、また医療保険の足りない分の補てんに最低でも250億円かかり、合わせて1250億円は“鉄板”で支出される、というのが私が見る単純化した構造である。残りは実質370億円くらいでやり繰りしているイメージである。

もちろん、“着実な収入”ではない部分が1500億円もあるではないか、という指摘は当然で、国や都からの支出金というのは世田谷区の事業として存在することは冒頭で述べた通りである。

或る事業の4分の1は国の負担、都の補助という形で渾然一体となっているのがザラであり、むしろ区の支出だけで成り立っている事業の方が少ない。

よって、世田谷区の収入や支出を、これは国のお金、これは世田谷区のお金と分けることに何の意味があるのか、ということだが、では国からのお金はどこから来るのだろうか、というのが本稿の本質的な疑問である。


国の税収は58兆円であり、支出は96兆円。足りない38兆円は借金でまかなわれている。(平成28年度国家予算)

つまり国の補助金の原資は借金につながり、その借金が回り回って、世田谷区にやってきている、という構造である。(誰でもわかっていることだけどね。)



かつて、財務大臣が日本の借金(国債)はそのほとんどが日本人が買っている、国民の預金を通じて日本の銀行が国債を買っているから大丈夫と述べていた、記憶がある。

要は、日本の銀行が国債を保有している限り、勝手に売らないだろう、ということだろう。

しかし、10日の日経新聞によると、「海外勢の国債保有は全体で1割、満期1年未満に限ると49パーセントに達する。いつの間にか国債市場は外国人が活発に売買する「国際市場」となった。」とある。

日経新聞は今月に入って、日本国債の不安要因を示す特集記事をトップに載せている。満期1年未満に限ると、約半分が海外勢の保有ということは、短期金利は海外勢によって一時的に“操作”できるということである。

えっ、満期1年未満とは言え、海外勢がそんなに保有していた!とは驚きである。そこで、先日、日銀がこれからは国債の買い入れ量から、長期金利のゼロパーセント誘導という政策変更の意味がわかった。

つまり海外投機家が国債を売り浴びせて儲けようとしても、日銀は断固たる決意で買いまくり、そんなことをしたら大損しますよ、という宣言をしたということなのだろう。

しかし、経済の根本がマイナス金利で動いているというのは誰が考えても、何かがおかしいのではないだろうか。


その可能性を日経は示唆しているのではないだろうか。そのことは、回り巡って、世田谷区の収入の約3割を占める国からの補助金は、相当細くなっていく。

国からのお金が滞ったら世田谷区はどうなるか、という時の私なりの整理の仕方が、本稿前半である。もちろん日本経済が混乱を極めている時に、特別区税と特別区交付金もダメージを受けないはずはないから平時の数字はあてにはならないのだが。

2016/10/03

保坂区長の背景にあるもの


上は保坂区長が自分の本を販促しているユーチューブ。
https://www.youtube.com/watch?v=XssNG6OMA94

注目はうしろの幕。

実は先日の決算委員会で会派の桃野委員が、区長室を使って公然と営業行為(自著の宣伝!ネットでも買えます!)なんて、やって良いのか?と質問。

桃野委員が指摘した時点では、背景は明らかに区長室であり、(下図参照)区長側も昼の休憩時間に撮ったのだから問題ないだろうと、開き直る次第。



しかし、あまりの品位の無さに区としても呆れた結果、謎の幕の登場となった、らしい。

が、問題はそういうことだけではない。もちろん、幕がある動画は区長室で撮ってまーす、という逆証拠。(区長室でなければなぜ隠す必要があるだろうか?)

それよりも、ここで言いたいのは保坂区政の本質が、このように、幕一枚、小手先の解決に終始していることだ。(区長の後ろで幕を持たされている職員?は可哀想!)