2016/07/14

親族も?ダメ?そんな馬鹿な!

確か、自民党の男性国会議員が民主党の女性国会議員と結婚したニュースがあった。

その後、一方が落選したらしいが。夫婦だろうが親子であろうが、思想信条は別々であって、自由勝手である。

それが、こともあろうに、「各級議員(親族等含む)が非推薦の候補を応援した場合は、党則並びに都連規約、賞罰規定に基づき、除名等の処分の対象となります。」という文書を今回の都知事選直前に自民党都連は配布した。

上記の夫婦は(都民ではないかも知れないが、政党員として応援はするだろう)どうなるだろうか。

党員を引き締めるのは当然としても、親族等を含むというのは、何事だろうか。

これが都連だけの感覚なのか、それとも自民党全体に共通する感覚であるとすれば、政権党として大問題である。

2016/07/08

実感を伴わない保坂区政

6月16日に行われたトークイベントで保坂区長は次のように述べている。
「では、区長選はどうして勝てたのか。それはやはり2011年に区長に就任してからやってきた4年間の政策を区民が見てくれたと思うんです。」
http://blogos.com/article/182357/

それが大勝の理由だと、言いたいのだろうが、全く根拠が無い。

なぜなら昨年の区長選の直後(一ヶ月後)に行われた区民意識調査によれば、7割から9割近くの区民が、保坂区政の主要政策を知らないと回答しているからである。


●地域防災力の向上 81.5パーセントが知らない。

●エネルギーをたくみに使うまち
世田谷推進プロジェクト2014 81.2パーセントが知らない

●世田谷区の就労支援 71.1パーセントが知らない。

●地域包括ケアシステムの推進 76.3パーセントが知らない。

●熱中症予防対策 70.6パーセントが知らない。

●子ども・子育て応援アプリの導入 85.8パーセントが知らない。

●若者支援事業 86.3パーセントが知らない。

●「土のうステーション」の設置 72.6パーセントが知らない。

●世田谷みどり33 73.5パーセントが知らない。

●世田谷9年教育 77.5パーセントが知らない。

つまり、ほとんどの区民が保坂区長の政策など、見ていなかったということである。

一方でこれらの政策について、良い取り組みだと思うか?という問いについては6割から8割近くが「良い取り組みだと思う」と答えている。(この回答の求め方にはかなり誘導的な部分が含まれていると思うが)

このことは一見すると矛盾のように見えるが、そうではない。政策には賛成するが、実感は伴わない、そういうことである。

23区は共有の財源(財調システム)で、均衡ある都市運営が課されているので、区長の働き所は、ホントのところ、実行のスピードにあると言って良い。

自宅を2つも構え(下北沢と狛江市)公用車を無駄に往復させ、あらゆるマスコミに登場している保坂区長に、実務をこなせる時間は限られる。23区の中で、周回遅れは、議会という間近で見ないとわからないかも知れない。


以下、区民意識調査の回答表。


2016/07/01

本質と付加価値

6月29 日、日経夕刊のグラフィックデザイナーの佐藤卓氏のエッセイ(著名人の人生を振り返り、ターニングポイントを紹介するショート版「私の履歴書」)を読んでなるほど、と思った。

「ものが売れない時代になると、『付加価値』の重要性が叫ばれる。しかし、私はこの『付加価値』を頭から否定している。これを言いだしてから、日本のもの作りはダメになったとさえ言いたいくらいなのだ。」

「『価値』とは、モノの外側に付け足していくようなものではない。」

この言葉から連想したのは庁舎問題のことである。

調べてみたら、現庁舎が著名な建築家の設計であった、という一連の流れは、庁舎の価値とは別のいわば、『付加価値』に過ぎない。

あるいは定着した風景というのも半世紀を経て備わった『付加価値』である。

庁舎問題の本質は庁舎の価値が失われている、というところから論じられる問題である。

老朽化・分散化・首都直下に未対応、中庭から避難広場の創設等々、特に非常時への未対応という部分が庁舎の価値からすっぽり抜け落ちているのが現状である。

庁舎を芸術品のような視点から眺めるのは自由であるが、それが可能だとしても庁舎の本質とは別の『付加価値』でしかない。

本質的な「価値」と『付加価値』とを同じ土俵で論じられるとしたら、それは、とてつもない財政的余裕と時間的余裕のある時である。(そんなものは地方自治体にないので、「価値」優先、『付加価値』は意見があった程度に留めるというのが現実的選択)

現区長の特徴は、財政的余裕と時間的余裕を掛け合わせて考えることができない点ではなかろうか。何事にも。遅いことでは23区随一ではなかろうか。