2013/05/26

都議選の見方

 都政の専門誌である「都政新報」が都議選情勢を詳細に分析している。すでにこの段階で、定数127のうち100前後が決まっているという。
 定数1とか2とかの所は比較的読みやすいのかも知れないが、定数8の世田谷は最激戦地とあって読みにくい。それでも世田谷の部分を拾えば、以下の通り。

民主党は複数擁立している品川、大田、世田谷、杉並、北、葛飾、江戸川でいずれも苦戦しており、今後の動向によっては共倒れの危険性もある。自民党は3人を擁立する選挙区のうち大田、世田谷では全員当選の勢い。公明党は、激戦の世田谷、荒川が気になるが、23人全員当選の戦い。共産党は、現職が勇退して新旧交代となる世田谷と板橋でも新人が善戦し、当選ラインに届きそうだ。生活者ネットは、世田谷、北多摩第二で現職が当落線上の争い。社民党と、都議選初挑戦となる生活の党、みどりの風はいずれも厳しい戦い。世田谷の諸派の前職に議席獲得の可能性が残されている。」

2013/05/24

区立と私立でこんなに違う保育園の運営経費

 保育園の待機児対策で求められていることは、保育園を増やせ、ということである。当たり前のことのようだが、保育園は“税金のかたまり”のような施設である。(もちろん福祉の根源は“税金のかたまり”であってしかるべきだ)つまり増やせ、ということは予算を増やせと同じ意味である。

 ただし地方自治体は財政難(国も含めて)予算は足りない、というのが実情だ。

 そこで、足りないというなら、限られた予算をもっと上手に使う方法はないだろうか、こう考えて見ることは現実的だ。
 認可保育園には区立と私立(社会福祉法人等の運営)に分かれるが、区の予算で考えれば、区立への税金投入は私立への税金投入の1.6倍も掛かっている。


 具体的には100人規模の保育園をモデルケースにして世田谷区のH23年度決算数値で比較してみると区立保育園への区からの税金投入額は1億6700万、一方私立保育園へは1億0400万円である。

 単純に考えれば、区立2園分の税負担で私立3園分が賄えれる、ということである。(もちろん私立といっても世田谷区の場合、株式会社は入っていない)

 現在、世田谷区の区立保育園は50園(定員5184名)、私立保育園は65園(定員5123名)である。(4月1日現在)

 区立保育園を私立保育園に変えれば予算的には同じでも定員枠を計算では3千名は増やすことができる。(ことはそう簡単ではないし、配慮を擁する子どもへの区立の役割という問題もある。)

 まず待機児童対策としては区立保育園の民営化(私立への転換)というのが現実的な解決策であろう。このことは一貫して言い続けているが、まだ5園しか民営化は進んでいない。

※中段の表は区の資料をもとに大庭が作成したもの。数値等はすべて区からの数字。



2013/05/16

追及する議員、ガードマン議員、自分の都合議員?その他大激戦


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上下ともに都政新報5月14日より

 5月14日の都政新報によると、上記記事と併せて、都議会の特集が組まれている。「議会改革 自浄努力は票にならない」と題し半ば都議会議員のやる気のなさを嘆く内容だ。(左下)

 
 ◎議会出席1回につき1万円出る費用弁償の問題(世田谷区議会では公共交通機関での実費のみ)

 ◎各政党の役員クラスまで使える公用車問題(本当に公務に使っているか疑問。世田谷区議会では議長車のみ)


 ◎海外視察問題(海外調査報告書の盗用丸写し頻発で実態は海外旅行ではとの疑問が)

 ◎不透明な年間720万円の政務活動費(世田谷区議会では1円の領収書からインターネネット公開)

と、改革に乗り出さない議会の多数派を記事では疑問視している。

 実はこういう問題を鋭く追及していた議員が前回の民主旋風のあおりで落選してしまったことを「議会改革 自浄努力は票にならない」の記事では惜しんでいるのだが、その議員とは後藤さんのことである。

 そのことをもって、こういう追及は票にならないという風潮が都議会で蔓延し、期待された若い民主党は、追及しない“第二自民党”に変質し、結果、現状のように争点なき都議会になってしまった論じている。

(その象徴的ターニングポイントとなったのが“花輪議員逆転騒動”といわれているもの※後述)

 もはや都議会での自公は役人と一緒になって税金を使う側(あくまでも政策に即して税金を使うという意味です!誤解なきよう)であり、もたれあいの構造であり、都政のチェックどころか、(政策遂行のために?)かばい合う“互助組合”にしか見えない。

 「議会改革 自浄努力は票にならない」の記事の最後では、自民の現職都議17人が逮捕されるという前代未聞の48年前の都議会汚職事件を取り上げ、現在のチェックなき都議会のあり方を警告している。(それが原因で都議会解散となり、都議選が統一地方選(4月)からズレる結果になった)

 チェックする議員が少ないから都政の争点が見えてこない。争点がなければ議会は緊張感を失い不祥事に結びつくということである。

 資本主義経済を無視した追及は論外だが、税金を使う側ではなく、税金を払う側からの代表として追及する議員がいなければ、議会は意味を持たないのは確かだ。ぜひともチェックする都議会に期待したいものだ。

※【解説】“花輪議員逆転騒動”とは2013年5月14日の日経新聞「都議選 見えない巨大議会」に詳しい「・・・民主は2009年7月の前回選挙で「東京から政権交代を」旗印に、初の都議会第1党に躍進した。都議会では知事野党の立場を維持。公約に掲げた「新銀行東京の清算」と「築地市場の強引な移転反対」を当時の石原知事に迫るべく、2つ特別委員会を立ち上げた。市場移転候補地の豊洲地区は土壌汚染が判明。民主は11年3月議会で関連予算案を否決する構えを見せた。ところが与党の自民・公明から揺さぶりを受け、移転反対の急先鋒だった民主議員が「政治の都合で先送りできない」と賛成に転じ、与野党勢力は逆転。昨年3月民主は汚染対策実行の条件付きで移転賛成にくみした。新銀行も規模を縮小したが存続。都議会の「オール与党化」が進んだ。」

「自民・公明から揺さぶりを受け、移転反対の急先鋒だった民主議員」とは何を隠そう花輪智史議員(当時)だったのである。

 急先鋒どころか“急転回の能力”の持ち主だったわけである。その後、世田谷区長選に自民(都連)の支援を受けて立候補し急転回(おいおい「政治の都合で先送りできない」のではなくあれは「自分の都合で先送りできない」じゃなかったのかと言われた。しかしそんなことにお構いなしに急転回を続けるのは常人から見れば超能力級)、さらに政党を乗り換え、衆院選にまたまた急転回、と続いている。(この経緯については上記「予想される顔ぶれ」でも記載されている)

みんな傷ついている

 ついに読売までもが、橋下発言を社説で断罪しはじめた。当然だろう。敢えて言えば男性の尊厳も損なわれているという認識も本当は必要なのだが。

消滅?

 ここまでひどい発言をする政党(共同代表)は消滅するでしょ。まさに本人が言った通り。
 それにしても、元東京都知事や元大阪府知事という日本を代表する地方自治のトップだった人がこういう発言をし、また擁護するなど、日本人として、東京都民として恥ずかしい。
 しかもあとになってぐちゃぐちゃ言い訳をするなど、恥の上塗り。

2013/05/14

後藤選対はいつも大変

 都議選まであと1ヶ月。区議会は都議選の前日までに臨時会と定例会が押し込まれてタイトなスケジュールになっている。
 すでに後藤選対も「返り咲き必勝パターン」をめざしているが、これほどの方々が復帰を待ち望んでいたのかと嬉しいと思いつつも、激戦に変わりない。
「後藤雄一」の知名度は比較的安定しているが、ここ数年で急増した有権者層には、ほとんど浸透していない・・・そのほかにもアレもコレも・・・選挙はいつも問題山積、もちろん議会も大きな節目を迎えているので大変な1ヶ月だ!

2013/05/12

「このままでは維新消滅する」橋下共同代表

 たぶんその通りになるのだろう。
 なぜなら「議席を得るのが主目的の『選挙屋』になっている」という部分は、まるでどこかの選挙区を指しているかのよう、だから。(つまり橋下代表は檄を飛ばすというより、嘆いているのだろう。石原共同代表は賞味期限を嘆いていたが・・・)
 確かに、半年前に国政について論じ、まかせろと言っていた人が、同じ駅頭で今度は都政で働かせて下さいと頭を下げていても・・・有権者はそっぽを向くのは当たり前だろう。

同日選?いつやるの?今でしょ!

 日本の総理大臣の醍醐味は衆参同日選を断行し、圧勝することにある。これほど権力基盤が確実になることはない。もちろん誰しもがそのチャンスに巡りあうことはないが、どうも安倍首相は、その数少ない僥倖を手にしているようだ。
 支持率高止まり、違憲判決、野党の低迷、そして何よりも6年前の参院選の敗退へのリベンジという闘志から、解散、同日選でのプッシュを考えないわけがない。憲法問題をテーマにするというのも一連のストーリーの一環だろう。
 記事にある通り、野党が警戒する時こそやるのが常道。歴史は繰り返す。権力者恐るべし。

2013/05/08

見えてきた政党の本質

 「維新は賞味期限を迎えつつある」と言ったのは石原共同代表。
 賞味期限という言葉がホンネをついている。もともと「たちあがれ」と言っていた面々が立ち上がらず「太陽」にすがり「維新」に乗り換え、賞味期限を書き換えてきた。賞味期限こそが大事な人たちなのだろう。


2013/05/04

「裏口入学」

 4日の朝日新聞。小林先生、ナイスなツッコミ。小林節・慶大教授は、9条改正を訴える改憲論者である。その小林教授にしてもハードルを低くしての改憲には反対である。
 その正攻法ではない後ろめたさを「裏口入学」と言い当てたのはさすが。返す刀で「改憲政党と言いながら、長年改正を迂回し解釈改憲でごまかしてきた責任は自民党にある」と迫る。
 確かに、憲法が法律並みに改正が出来たら、憲法って何なの?ってことになる。
 前回の総選挙は民主のあまりにも稚拙な政権運営に対する緊急避難的な反動で自民党に大勝が転がり込んだにすぎない。
 しかも違憲の衆院選で憲法を議論するのは、矛盾。衆院選もう一度やり直してから、「裏口入学」の是非を問え!

2013/05/03

都議選

 前回4月14日の読売での報道と変わらない。
あれこれ書くとIOCの行動規範に触れるおそれがあるのでやめとこ。

読売の東スポ化?

 今日の読売新聞の一面見出しはどうなんだろう、と思う。確かに自民も維新もみんなも、憲法改正の必要性は感じているとしても、その目的はバラバラである。自民の賛成が「自衛のための軍隊保持」がメインであるのに対し、維新やみんなは「国と地方の役割」が主眼である。ある意味全く方向性が違うのに、手続き論としての96条改正で一致するとは思えない。
 そのことは「具体的な憲法の内容も一緒に議論すべきだ」という回答が74%もあることから明らかである。
 一方、同じ日の朝日新聞の一面。こちらは国会議員ではなく、国民へのアンケート調査。四捨五入すれば、96条改正には反対5割、賛成4割といったところか。読売の国会議員の9割超賛成とは、相当の開きがある。
 新聞によって、世の中の感じってこうなんだ、という印象がこうも違うというのもヘンである。実は読売のアンケートも回答しない議員も含めて(自民は37%が無回答)考えると朝日との開きはだいぶ縮まる。
 個人的には9条は日本の文化であり、ホンネとタテマエの日本社会の表看板だと思っている。(これが日本の流儀だ!と世界に主張すればいいくらい)押し付けという論もあるが、そんなことを言ったら漢字だって拝借文字であり、大陸の影響を無視できない。そもそも憲法という概念も明治以降の異国制度の模倣である。ただし、あまりにも生活実感を伴なわない部分については、まず議論が必要ではないだろうか。
 具体的な憲法の内容を別にして96条だけを取り上げるのは反対である。

2013/05/01

オウンゴール

 足りないのではなかろうか・・・頭の下げ方が。政治家の発言というより、こんなふうに感じていたことが意外であり、驚きであり、つまり一夜にして「残念な人」に“当確”という事態に。
 すでに日経新聞では「五輪軸足の都政に暗雲」「都議選後に求心力低下も」と見出しが踊るくらいだから、政治の世界はわからない。
 昨冬の実感のない選挙結果の一つ(都知事選史上最多得票433万票)がこれである。国政とて一寸先は闇。(それにしても2020年のオリンピック招致が猪瀬知事の選挙公約だったとは・・・場合によっては公約違反・・・不信任?・・・また選挙?)